日本政府観光局(JNTO)が2022年2月の訪日外客数推計値を発表しました。
2月の訪日外客数は16,700人で前年同月比127.1%増となりました。ただし、感染拡大に伴い、1月より1,100人ほど減少しています。
本記事では、2月の訪日外客数について、各市場のデータと動向をふまえて解説します。
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2月の訪日外客数は16,700人
2月の訪日外客数は16,700人で、前年同月比127.1%増でした。
オミクロン株の感染拡大を防止するため、厳しい入国制限措置が日本では続けられていましたが、世界的にみると徐々に出国条件などが緩和されつつあり、前年同月より増加したと考えられます。
今後について、4月からさらに1日当たり1万人まで入国者枠が拡大される予定で、徐々に増加すると考えられます。
東アジア
2月の東アジア各国の訪日客は、韓国が900人、中国が2,400人、台湾が600人、香港が70人となりました。1月と比較すると、中国で900人ほど増加しています。
韓国では、3月21日から段階的に入国制限が緩和されています。事前に検疫情報事前入力システムにワクチン接種記録を入力すると、隔離免除措置が適用されます。
また長らく新型コロナウイルスによる規制が続いていた台湾でも、今年の下半期から海外旅行が解禁される見通しです。
中国では、2月に北京冬季五輪が開催され、厳格な管理体制下のもと大会が実施されました。
大会では、開会式の演出や中国大手IT企業アリババによるバーチャルキャラクターの登場など、技術面でのアピールが行われました。
一方で、北京五輪後すぐにロシアによるウクライナへの侵攻が行われ、パラリンピック期間中を含め現在までに至る国際的な問題となりました。
五輪の開催の意義について今一度考えさせられる大会となりました。
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東南アジア
2月の東南アジア各国の訪日客は、タイが100人、シンガポールが90人、マレーシアが100人、インドネシアが500人、フィリピンが1,000人、ベトナムが2,600人、インドで1,700人となりました。
タイ、シンガポール、マレーシアの3ヵ国では、隔離なしでの周遊旅行が可能となりました。ワクチン接種者であれば、事前に決められた便を用いて旅行することが可能です。
またインドネシアでは、日本を含む23か国を対象に、隔離なしでの観光目的における入国が可能となりました。
ベトナムでも、アウトバウンドツアーの販売が解禁されるなど、徐々に観光往来に向けて進展しつつあります。
またトリップアドバイザーの調査によると、シンガポールでは「春の人気旅行先ランキング」の1位に大阪、4位に東京が選出されました。日本旅行への期待が高まっていると考えられます。
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豪州・北米
2月の豪州・北米からの訪日客は、オーストラリアが100人、アメリカが600人、カナダが100人、メキシコが20人でした。
アメリカでは、National COVID-19 Preparedness Plan(国家COVID-19対応態勢計画)が発表され、オミクロン株感染拡大によるロックダウンの回避などが盛り込まれました。
なお、アメリカではすでに成人の3分の2がブースター接種を完了しています。ただし、ワクチン接種者についてもさらに増加させる方針です。
カナダでは、ワクチン接種者が完全に終了していれば、入国時の隔離が免除されます。さらに、入国時のPCR検査もランダムで選出されなければ不要です。
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欧州
2月の欧州各国からの訪日客数は、イギリスが100人、フランスが100人、ドイツが80人、イタリア50人、スペイン50人、ロシアが100人となりました。
フランスでは、ワクチン接種を証明する「ワクチンパス」の提示義務をほぼ撤廃し、夏の観光シーズンを前にして規制緩和をすすめています。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻は国際往来に大きな影を落としています。
欧州連合(EU)、カナダ、アメリカのロシアの航空に対するロシア機の領空内飛行禁止措置などが取られているほか、ロシア側も領空内飛行禁止措置をとっており、国際往来が難しい状態が続いています。
一方で、日本ではウクライナからの避難民に対し、入国制限枠に含めず受け入れる方針を示しており、支援方法について模索が続いています。
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中東
2月の中東地域の訪日客は、80人となりました。トルコを除く中東地域で、日本への渡航が禁止されている状態です。
現在万博が開催されているUAEでは、「コロナ耐性ランキング」において、最もコロナ禍以前の生活水準まで戻っている国として評価されています。
日本でも2025年の大阪・関西万博開催に向け準備が進められていますが、それまでにどこまで外国人観光客を迎えられるのかが勝負となりそうです。
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<参照>
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
JETRO:韓国政府、3月21日から段階的に入国時の隔離措置を免除
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