中国の大型連休「国慶節」が先日終了しました。2024年の国慶節は、10月1日から7日までの7日間でした。
中国政府が発表したデータなどによると、この期間の中国人旅行者数や旅行消費額は増加傾向にあり、昨年・コロナ前と比較しても消費意欲や旅行に対する意欲が高まっていることがわかっています。
本記事では、2024年国慶節の旅行動向や訪日インバウンド動向を振り返ります。
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国慶節期間中は延べ20億人以上が移動、前年・コロナ前を上回る
中国交通運輸部の発表によると、10月1日から7日の間に地域外に移動した人の数は延べ20億300万人、1日平均2億8,600万人となり、前年同期比では平均3.9%増加しました。
また文化観光部によると、中国国内旅行者の旅行消費額についても、前年同期比6.3%増、2019年同期比7.9%増と、前年・コロナ前を上回りました。
国慶節の訪日インバウンド動向は?
中国の国家移民管理局は、国慶節期間中に合計1,309万8,000人の中国人・外国人の出入国があったと発表しています。出入国した人数の1日平均は187万1,000人で前年比25.8%増、出入国のピークとなった10月5日では、203万5,000人に達しました。
この中から何人が日本を訪れたかについての数値は発表されていませんが、以下に紹介するデータから、日本が旅行先として人気が高いことがわかっています。
日本が人気の海外旅行先の1位に
中国のOTA・Ctripの「国慶節観光消費レポート」によると、Ctripのプラットフォームにおけるインバウンド旅行(海外から中国への旅行)およびアウトバウンド旅行(中国から海外への旅行)の1日平均注文量は2019年を上回り、過去最高を記録したということです。
国慶節期間の人気海外旅行先トップ10は以下で、日本がトップに挙げられています。
- 日本
- タイ
- 韓国
- マレーシア
- シンガポール
- ベトナム
- インドネシア
- 英国
- 米国
- オーストラリア
日本側のデータを見ても、コロナ禍で低迷していた訪日中国人客数は回復傾向にあります。2024年7月、中国からの訪日客数は77万6,500人と、2022年10月の水際対策緩和後初めての1位となりました(最新データの8月分でも1位を継続)。
国慶節に限らず、今後も訪日中国人観光客が継続的に訪れることが予想されます。
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家族で海外旅行に行く割合が増加
Ctripのレポートでは、国慶節のアウトバウンド旅行市場における旅行スタイルについても発表しています。そのデータによると、家族旅行の割合が34%から37%に増加。さらに、親子旅行の場合、平均消費額が全体の2倍以上になり、旅行先で消費する金額が大幅に増える傾向があるとしています。
このことから、中国のファミリー層に向けたプロモーションも有効なものになりそうです。
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「静岡県伊東市」に中国人が集まっている?:アニメ・映画の「聖地巡礼」が引き続き人気
テレビ朝日の報道によると、静岡県伊東市の南部にある大室山が中国人から人気を集めているそうです(参照)。日本の映画『君の名は。』の中で出てくる風景と似ている、というのが理由なのだといいます。
日本のアニメや漫画、映画などは、中国に限らず海外でも高い人気があり、関連する観光地や名所などを聖地巡礼として訪れる観光客も少なくありません。
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中国大使館による注意喚起の影響は:今のところ大きく見られず
中国市場について懸念事項として挙げられるのが、中国大使館による注意喚起の影響。国慶節における連休が始まる直前の9月24日、在日中国大使館は在日中国人と訪日旅行を計画している旅行者へ向け、注意喚起を行っていました。
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現段階ではデータが出ていないため、正確な影響度合いはわかりませんが、人気の海外旅行先で日本が1位となっていることを踏まえると、大きな影響はなかったのではないかと考えられます。
ただしそれ以外にも、国際情勢や中国国内の経済状況などにより市場は不安定となりうるため、中国向けの訪日プロモーションなどを行っている方は状況を注視しておくとよいでしょう。
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<参照>
- 中华人民共和国交通运输部:国庆假期跨区域人员流动量超20亿人次 交通运输行业全力以赴增供给保畅通优服务
- 中华人民共和国文化和旅游部:2024年国庆节假期文化和旅游市场情况
- 国家移民管理局:国庆节期间1309.8万人次出入境
- Ctrip:携程“十一”旅游报告:出境短途航线价格重回2019年 携程出入境游订单创新高
- 日本政府観光局(JNTO):訪日外客数(2024 年 7 月推計値)
- 中華人民共和国中日本大使館:驻日本大使馆提醒中国公民十一期间注意出行安全
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