観光庁は2024年12月27日、令和7年度(2025年度)予算決定概要を公表しました。
一般会計は530億3,300万円、東日本大震災からの復興枠が7億6,500万円となりました。また、令和6年度(2024年度)補正予算の543億2,400万円と合わせ、予算全体は1,081億2,200万円となりました。
関連記事:【解説】観光庁、令和6年度(2024年度)補正予算で543億円を計上
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
観光庁、2025年度予算決定概要を公表
一般会計530億3,300万円の内訳としては、「持続可能な観光地域づくり」が53億9,900万円(前年度比1.05倍)、「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」が464億1,800万円(前年度比1.06倍)、「国内交流拡大」が4億600万円(前年度比0.61倍)となっています。前年度に引き続き、地方誘客の必要性を反映した予算配分となりました。
「持続可能な観光地域づくり」に53億9,900万円 前年比1.05倍
「持続可能な観光地域づくり」の分野では、「ICT等を活用した観光地のインバウンド受入環境整備の高度化」に18億6,600万円(前年度比1.88倍)が計上されました。観光地の受け入れ環境整備の高度化などに加え、ライドシェアの導入などを支援する「二次交通の高度化」や、制度改正に伴うシステム改修費用を支援する「免税対応」の項目が新たに追加されました。
関連記事:政府、ライドシェア解禁を決定 2024年4月から条件付きで
また「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業」には12億3,000万円(前年度比1.09倍)が計上され、前年に引き続き、データやデジタルツールを活用した取り組みの支援事業に大きな予算が割かれます。
関連記事:観光庁、観光DXによる「マーケティング強化」実証事業で15団体を採択。事業の詳細や取り組みのポイントを解説
「DMOを核とした世界的な観光地経営モデル事業」は、2億5,000万円(前年度比1.67倍)が計上されました。
世界に誇る観光地をつくるためには、司令塔となる「観光地域づくり法人(DMO)」を核とした、持続可能な地域経営の視点に立った取り組みが必要となります。観光庁は、インバウンド地方誘客の強化やオーバーツーリズムの未然防止などに取り組む、モデルとなるDMOを募集・選定するとしています。
関連記事:観光庁のDMO施策はどうなる?「観光地域づくり法人の機能強化に関する有識者会議」を読み解く
「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」に464億1,800万円 前年比1.06倍
「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」の分野では、大阪・関西万博を契機とした誘客促進のプロモーションなどを含む「戦略的な訪日プロモーションの実施」に130億円(前年度比1.04倍)が計上されました。「新たなインバウンド層の誘致のためのコンテンツ強化等」には25億2,000万円(前年度比1.27倍)が計上され、全国各地での消費拡大に向け、体験型観光コンテンツの造成や、ガイド人材の確保・育成を推進します。
また新規の項目として、以下の3つが追加されました。
- 質の高い消費と投資を呼び込むためのデジタルノマド誘客促進事業:1億円
- 観光コンテンツ事業者の収益性改善モデル構築事業:1億円
- 外国人向け消費税免税制度の「リファンド方式」移行支援事業:1,600万円
「質の高い消費と投資を呼び込むためのデジタルノマド誘客促進事業」では、今後増加が見込まれる「デジタルノマド」の誘客について、モデル地域を選定し、取り組みを総合的に実施する予定だといいます。
関連記事:デジタルノマドが地方経済や日本企業を変える?:「デジタルノマドシンポジウム」イベントレポート
「観光コンテンツ事業者の収益性改善モデル構築事業」では、世界的な市場の伸びが期待されるネイチャーアクティビティなどの観光コンテンツ造成について、専門家による伴走支援を実施。質を担保しつつ継続的な販売を行う収益性改善モデルの構築を実証し、中長期的視点に立った戦略を策定するといいます。
関連記事:世界の観光5大トレンドと「イマーシブ体験」の重要性
外国人旅行者向け免税制度については、2025年度税制改正によって「リファンド方式」に移行することを受けて、課題への対処も含めた周知広報などを行うとしています。
関連記事:インバウンド需要に対応した新しい免税制度の方向性とは?経済産業省・観光庁主催「免税フォーラム」を取材
「国内交流拡大」に4億600万円 前年比0.61倍
「国内交流拡大」の分野については、前年から大きく減少し、4億600万円(前年比0.61倍)となりました。「新たな交流市場・観光資源の創出事業」は3億7,600万円で、関係人口化を通して継続した地域への来訪をうながす「第2のふるさとづくり」や、将来にわたって国内外の旅行者を惹きつける「新たなレガシー形成」により、国内交流需要の拡大を図るとしています。
また「ユニバーサルツーリズムの促進に向けた環境整備」には3,000万円が計上され、ユニバーサルツーリズム促進に向けた調査検討や、高齢者などが安心して旅行ができる環境を整備する「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の普及促進などを行うとしています。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
インバウンド対策最前線!“経験者が見落としがち”な訪日外国人へのアプローチ戦略とは?
世界中から旅先として人気が高まり続ける日本においては、各地でインバウンド客の誘致に取り組む地域が増え、旅先としての選択肢が増えつつあります。インバウンド客誘致に関心のある行政、観光、飲食関係者は、どのように誘致をすると集客が最大化できるのかを日々模索されているかと思います。
そこで今回のセミナーでは、インバウンド客誘致における必要なデータやノウハウをお伝えするほか、Klookの田中様とともに、集客チャネル戦略のカギとも言える、OTAや自社HPなどの流入経路を解説します。メリデメを改めて理解することで、企業・自治体がどの手法と親和性が高いのかを明確にしていきます。
<本セミナーのポイント>
- 明日からの集客最大化に繋がるヒントが得られる!
- 自社サービスと販売チャネルとの良し悪しが分かる!
- 旅行・レジャー予約サイト『Klook』とともに、最新情報を解説!
詳しくはこちらをご覧ください。
→インバウンド対策最前線!”経験者が見落としがち”な訪日外国人へのアプローチ戦略とは?
【インバウンド情報まとめ 2024年12月後編】「万博に行きたい」訪日意向者のうち72%が回答 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に12月後編のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「万博に行きたい」訪日意向者のうち72%が回答 ほか:インバウンド情報まとめ【2024年12月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!