「インバウンド対応って結局どういうことなのかわからない。」「実際何をすれば良いのかわからない。」という飲食事業者に向けて、農林水産省が「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」というガイドラインを公開しています。
この資料について、前回の記事では「インバウンド対応とはどういうことを言うのか?」という点を見てきました。今回の後編では「インバウンド対応 実践編」ということで、 飲食事業者がまず始めるべきインバウンド対応4点について 詳しく見ていきます。
ゼロから始めるインバウンド対策:担当者が知るべき3つのインバウンド対応の基礎知識 飲食編
飲食事業を営む皆様、インバウンド対応は進めていらっしゃるでしょうか?年々日本を訪れる訪日外国人観光客は増えていますが、2014年には訪日外国人が1300万人だったのが2016年には2400万人を超え、東京オリンピックが控える2020年には政府目標で4000万人とされています。観光庁が発表している「訪日外国人の消費動向 平成28年10-12月期報告書」によると、訪日外国人観光客が日本を訪れる際に最も楽しみにしているのは「日本食を食べること」となっており、今後ますます日本での飲食業界におけるイ...
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[飲食業のインバウンド対応実践 その1]訪日外国人観光客の行動フローの研究:旅マエ・旅ナカ・旅アト
そもそも訪日外国人観光客はどのような形で日本旅行を計画して日本を訪れ、どのような体験をし、何を期待しているのでしょうか?インバウンド対策・インバウンド対応は、すべてはここからはじまると言っても過言ではありません。
飲食店の選び方については、インターネットを利用して個人ブログ、観光ガイドサイトで探すケース、ガイドブックで見て店を探す場合の2つに大別されます。
個人ブログや観光ガイドサイトは訪日旅行前の準備段階である「旅マエ」に利用されやすく、ガイドブックは街中で持ち歩きながら、訪日旅行中の「旅ナカ」でも使われるケースが多くなるでしょう。
ゼロから始めるインバウンド対策:担当者が知るべき3つのインバウンド対応の基礎知識 飲食編
飲食事業を営む皆様、インバウンド対応は進めていらっしゃるでしょうか?年々日本を訪れる訪日外国人観光客は増えていますが、2014年には訪日外国人が1300万人だったのが2016年には2400万人を超え、東京オリンピックが控える2020年には政府目標で4000万人とされています。観光庁が発表している「訪日外国人の消費動向 平成28年10-12月期報告書」によると、訪日外国人観光客が日本を訪れる際に最も楽しみにしているのは「日本食を食べること」となっており、今後ますます日本での飲食業界におけるイ...
【旅ナカ編】インバウンドで話題の旅マエ・旅ナカ・旅アトを徹底解説
年々、訪日外国人観光客が増えるにつれて、インバウンドビジネスに参画する企業も増えつつあり、それにともない、インバウンド業界におけるマーケティング手法が確立しつつあります。現在、インバウンドマーケティングにおいては、訪日外国人観光客の行動について「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」、すなわち訪日旅行前、訪日旅行中、訪日旅行後にフェーズわけをした上で、それぞれの段階ごとに適切なアプローチをすることが重要となってきています。今回は、その「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のうち、 「旅ナカ」 について徹底解...
またこうした店選びのポイントとなるのが、外観だけでなく「外国語メニューが存在するかどうか?」です。また、訪日外国人観光客は日本の飲食店には「日本らしさ」を求める傾向が強く、「和風」の飾り付け、日本らしい丁寧な接客を期待しています。
退店後の行動は、「撮影した写真をSNSで投稿」「口コミをトリップアドバイザーなどの口コミサイトに投稿」といったものです。これらは次のインバウンド需要の喚起に関係する「旅アト」フェーズです。極稀に飲食店で見かける「店内での撮影禁止」などは理解されないばかりか、この「旅アト」のインバウンド需要喚起に悪影響であると考えたほうが良いでしょう。
【旅アト編】インバウンドで話題の旅マエ・旅ナカ・旅アトを徹底解説
年々、訪日外国人観光客が増えるにつれて、インバウンドビジネスに参画する企業も増えつつあり、それにともない、インバウンド業界におけるマーケティング手法が確立しつつあります。現在、インバウンドマーケティングにおいては、訪日外国人観光客の行動について「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」、すなわち訪日旅行前、訪日旅行中、訪日旅行後にフェーズわけをした上で、それぞれの段階ごとに適切なアプローチをすることが重要となってきています。今回は、その「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のうち、「 旅アト 」について徹底解...
最新インバウンドマーケティング!旅マエ・旅ナカ・旅アトとは?
先月末10月31日、インバウンド業界を盛り上げるニュースが発表されました。国土交通省は、今年1月からの累計訪日外国人観光客数が、10月30日に2000万人を超えたことを発表しました。このペースで行けば2016年は2500万人弱の訪日外国人観光客数を望め、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年に4000万人という目標に向けて着々と増加しつつあります。しかしながら、訪日中国人観光客の伸びが鈍化していたり、為替相場に影響され日本円ベースでの訪日外国人消費額の減少などが騒がれており、...
[飲食業のインバウンド対応実践 その2]訪日外国人観光客にちゃんと届く情報提供:まずはWebサイトの多言語化
観光庁が発表している「訪日外国人の消費動向 平成28年10-12月期報告書」によると、訪日外国人観光客が 訪日前に最も約に立ったと感じている情報源は圧倒的に「個人ブログ」 となっています。
また同様に「旅行会社のホームページ」「日本政府観光局ホームページ」も閲覧しています。つまりWeb上でのプロモーションは前述の「旅マエ」フェーズに対するインバウンド対策として非常に効果的だということです。
そのため、ホームページやメニューの多言語化については、 もはや「やらないと完全に訪日外国人客を取り逃す」と言える でしょう。完全に無料で外国語メニューを作成出来るサイトも多数存在しますので、そういったサイトを利用するのが良いでしょう。
ただ翻訳するだけじゃダメ!?長野県公式観光サイト【さわやか信州旅.net】に見るホームページの外国語対応のやり方
全国の観光協会、観光地や旅館などの宿泊施設など、情報発信をしたいインバウンドビジネスにとってインバウンド対応の大きな課題の1つであるホームページの外国語対応(多言語対応)です。しかしながら、いきなり始めるにしても何をすれば良いのか、実際にはわからないという担当者の方が多いのが実情ではないでしょうか。今回は訪日外国人観光客に人気の高い観光地である長野県の公式観光サイト「さわやか信州旅.net」の外国語対応を例に見てみましょう。 目次長野県に訪れる訪日外国人観光客数長野で人気の観光名所長野県公...
無料で飲食店メニューを多言語化/英語・中国語・韓国語…アレルギー表記への対応も
飲食店にとってインバウンド対策としてメニューの多言語対応は現在は必須とも言えるものですが、自分で辞書や翻訳サイトを参考にしながら翻訳していくのも大変です。有料のメニュー作成サービスを展開する企業も多数存在しますが、実は、飲食店のインバウンド対応をサポートするため、各都道府県や地方自治体ではウェブ上で簡単に無料で多言語対応メニューを作成できるようにしています。多くのサイトで、英語だけでなく、中国語、韓国語といった主要なインバウンド市場の言語でメニューの作成ができるようになっています。今回は、...
[飲食業のインバウンド対応実践 その3]店内コミュニケーション
「お客様に喜んでいただけるサービスを提供する」ことは、飲食業にとって基本的な心構えですが、訪日外国人観光客の場合は日本人とは食習慣、風習、宗教、食べ物の好みなどが大きくことなる事が多く、より細やかな配慮が必要だと言えるでしょう。
→飲食店の国籍別インバウンド対策はこちら
まず基本となるのが、注文を受ける前に「嫌いな食材はないか?」「宗教上食べられないものはないか?」「食物アレルギーはないか?」といった確認と、食後に「いかがでしたか?」などの声がけをしてあげることです。
飲食店・ホテルのインバウンド対策として知っておきたい 宗教別に見る「食べてはいけないもの」一覧表
近年増えている訪日外国人観光客を飲食店がおもてなしする際には、「食べることが出来ないもの」「食べてはいけないもの」「食べたくないもの」でニーズを整理することが出来ることを「飲食店のための国籍別インバウンド対策・おもてなしポイント」シリーズでご紹介しました。また、国による習慣・文化によるものとは別に「イスラム教」、「仏教」、「ユダヤ教」「ヒンドゥー教」などの宗教ごとに気をつけるポイントがあります。それぞれの宗教ごとに「食べてはいけないもの」が細かく定義されており、その内容は非常に多義に渡って...
飲食店のインバウンド対策として知っておきたい「食物アレルギー」と「食品ピクトグラム」
日本を訪れる訪日外国人観光客にわかりやすいメニューは何なのかということを考えると、「宗教戒律上食べてはいけないもの」、食物アレルギーや個人の嗜好などで「食べられないもの」をしっかりと明記してあげる必要があります。特に食物アレルギーについては知らなかったでは済まされない問題ですので、改めて食物アレルギーとは何なのか?外国人観光客向けにわかりやすく表記するにはどうしたら良いのかを見ていきましょう。 目次食物アレルギーとは?食物アレルギーの症状食物アレルギーを起こす食べ物原因食品の割合訪日外国...
また、箸以外にもフォークやスプーン、ナイフを用意することも可能だということを伝える、メニューで明示する、食べ方がわからなそうであれば食べ方を教えてあげるなどの配慮も必要です。
[飲食業のインバウンド対応実践 その4]多言語対応ツールの使用
実際に訪日外国人観光客を接客するとなると、いろいろな場面で「こう伝えたいのに、なんと伝えれば良いのかわからない」というもどかしさを感じる事もあるでしょう。
そうした場面で会話をするのではなく、指差して使用することが出来る「指差し会話ツール」というものが存在します。前掲の画像のようにEAT TOKYOなど複数言語での指差し会話ツールを提供しているサービスも存在します。
こうしたツールを上手に使用することで日々の営業をストップすることなくインバウンド対応が可能になりますし、無理に自分で英訳、中国語訳などを頑張った結果、訪日外国人からすると全く意味不明のメニューが出来上がるなどのリスクも回避することが可能です。
まとめ
農林水産省が公開している「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」を前編と後編に分けて見てきました。これで一通り、「インバウンドとは何か?」「どのようなインバウンド対策をしたら良いのか?」という点がわかったのではないでしょうか?
訪日外国人観光客のニーズをしっかりと把握し、無料ツールなどを効果的に活用して、しっかりとインバウンド対応を行っていきたいですね。
<参考>
- 農林水産省:飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック
- 観光庁:訪日外国人の消費動向 平成28年10-12月期報告書
- EAT東京:多言語メニュー作成支援ウェブサイト
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