フランスのインバウンド観光客対策/日本との関係は?なぜ日本文化好き?フランス人向けのおもてなしを研究

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日本とフランスで国交が結ばれて、2018年で160周年となりました。地理的な距離にもかかわらず、フランスでは日本文化に親しむ人も少なくありません。

アニメやマンガといったサブカルチャー、あるいは伝統文化など、様々な日本文化がフランス人の興味の対象となっています。

2012年以降、毎年の訪日フランス人の数は増加し続けています。2018年はイベント「ジャポニスム2018」、また例年、日本文化に触れあえるジャパンエキスポが開催されています。

世界一の観光客数であるフランスはどのようなインバウンド対策をしているのか、また訪日フランス人は日本の何に興味を持っているのかについて詳しく見ていきます。

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世界最大の観光立国フランスのインバウンド対策は?

2018年に国連世界観光機関(UNWTO)が出した世界各国・地域への外国人訪問者数によると、フランスは1位で8,691万8,000人でした。

日本は11位で、1位のフランスに見習うべき対策があるかもしれません。

フランスはインバウンド対策としてどのようなことに力を入れているのでしょうか。 フランスの実施する3つの取り組みについて紹介します。

ビザなしでも48時間の滞在が可能

フランスでは2020年に1億人の観光客の誘致を目指しており、目標実現のため2017年よりASEAN5ヵ国やロシアなどフランスへの観光客の多い国10か国に、48時間有効の簡易ビザを発行しています。

また短期滞在ビザが必要だったインドネシア、インド出身の外国人観光客に対しては、2017年11月からはビザなしでも48時間フランスに滞在することが可能になりました。

パリと最寄りの空港を結ぶ高速道路の整備

フランスの入り口となる、シャルルドゴール空港とオルリー空港からパリ市街地までを通る高速道路が整備されています。

道路をきれいに保ち、緑化することで観光客の移動時の利便性が向上しました。

免税手続きの簡略化

通常免税の手続きは免税カウンターでする必要がありますが、フランスでは空港設置の「Pablo」という端末を使って簡単に済ますことができます。

この端末は、免税カウンター付近に設置されていることが多く、カウンターに人がたくさんいる時など時間の短縮に繋がります。
その手続き方法は、以下の通りです。

  • 言語選択をする
  • お店で発行された輸出販売明細書のバーコードを機械にかざす
  • 機械が情報を読み取り、承認されれば手続きが完了

もし認証されなければカウンターに行く必要がありますが、時間のないときなどに端末のみで手続きできるのは観光客の利便性を高めているといえるでしょう。

フランスと日本の関係、日本に対する印象は?

    JNTOによると2018年に日本を訪れたフランス人は30万4,896人、2019年は33万6,333人です。

    距離が遠いことや、LCCが遠距離路線には進出しにくいことも関係し、中国、台湾、韓国などに比べると旅客数は少なくなっています。

    それでも、フランス人の観光客は増加傾向にあります。フランス人は日本文化に興味を持つことが多く、フランスでは様々な日本を感じられるイベントが開催されています。

    日仏友好160周年 「ジャポニスム2018」

    ジャポニスムとは19世紀にヨーロッパで流行した日本趣味を指す言葉であるように、その当時から現在までフランスで日本文化というのは、高い評価を受けています。

    2018年は日仏友好160年周年であり、その記念としてのイベント「ジャポニスム2018」が開催されることとなりました。

    フランスと連携した日本文化の祭典であるジャポニスム2018では、アニメや漫画、初音ミクなどの日本文化を中心に、食や祭りをテーマとした体験が提供されました。

    開催期間は8か月と長く、パリを中心としたフランス全土で盛大に開かれ、パリ人口が220万人のところ、353万2,978人の来場者を記録し、大きな反響のあったイベントとなりました。

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    音楽であれば、日本の音楽をただ流すだけではなく、実際に活躍するアーティストやミュージシャンがステージでパフォーマンスを行います。

    ビデオゲームのブースでは自由にゲームを体験することができ、人気のコスプレイベントも開催されています。

    2018年は4日間開催(7月5日~8日)で24万3864人の来場者数となり、日本文化が海外に人気であることが分かります。日仏友好160周年には、友好をテーマとした和太鼓×三味線などのライブの開催もありました。

    また2019年の開催では、25万2,510人の来場者を集め、来場者数の記録を更新することになりました。2020年は残念ながら延期となりましたが、2021年に開催が予定されています。

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    日本文化に惹かれる人が多い

    フランスには歴史的建造物が少なくありません。有名な画家や建築家を多く生み出してきたフランス人の誇りや愛国心は、フランス人とのコミュニケーションの中で折々に感じさせられるものです。

    自国の文化をとても大切にする国だからこそ、自国とは異なる日本文化を魅力的に感じる人が多いと考えられます。

    アニメやマンガ、コスプレなど熱心に情報収集をし、ライフワークとして楽しむフランス人もいます。フランス人にとって、日本文化は身近なものとなっています。 

    日本のフランス人観光客向けインバウンド対策のポイント

    近年、フランス人訪日旅客数は少しずつではありますが増え続けています。

    訪日が多い月は4月・7月・10月で、モノを買うよりも宿泊費やサービス費にお金を使う傾向にあります。

    何を目的に訪日するのか知っておくことで、フランス人の更なる集客に役立てることができます。

    日本文化体験が期待されている

    訪日外国人消費動向調査によると、フランス人の「訪日前に最も期待していたこと」と「次回したいこと」として、「日本の日常生活体験」との回答がそれぞれ10.8%と43.3%であり、全市場で最も大きな割合を占めています。

    フランス人の多くは、地元の人や日常生活に触れる機会を求めています。

    例えば、民泊などの地域の人と触れ合えるような場所を好む傾向があります。 

    リピート客は自然に親しみたい

    JTB総合研究所が調べた「日本を旅行先に選択した理由」によると、初めて日本を訪れるときは日本文化を知りたいと思う人が多いですが、二度目以降になると自然に親しむことを理由に来日することが分かっています。

    日本での旅行先は都市を選ぶ傾向にありますが、二度目以降になると都市と地方の両方を選ぶ人も増え、実際に一度日本に来て自然への関心が高くなったのだと読み取れます。

    2019年の訪日フランス人のリピーター率は43%であり、半数近いの訪日フランス人が二度目以上の訪日だということがわかります。

    言語の対応で満足度を上げる

    フランス人は日本文化を高く評価していて、訪日の際は「日本の文化体験」や「地域の人との触れ合い」を大切にしたいという想いがあると分かっています。 

    英語だけでなく、フランス語での案内ができれば、よりフランス人観光客にとって便利であり、場合によってはより正確にニュアンスをつかみとってもらえることにもつながります。

    多言語対応にあたっては、言語をフランス語におきかえることが第一ですが、さらに踏み込んだ対応をしたいのであれば、フランスに関する基礎知識に基づいて理解を適切にサポートすることを意識するとよいでしょう。

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    訪日の際は日本人との触れ合いや現地での体験をしたいと考えるフランス人も多く、今後は彼らとコミュニケーションを取るための多言語対応に力を入れる必要があるでしょう。

    観光客数NO.1であり、昔から芸術やファッションの中心であるフランスの発信力や波及力が世界に及ぼす影響も小さくはないでしょう。また観光立国を体現するフランスの人々に満足してもらえるような目線での接客により、日本の「おもてなし」をランクアップさせることもできるかもしれません。 インバウンド市場においてはアジアの訪日客の存在感が増していますが、フランス市場の動向にも注意を払うべきでしょう。

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    今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。

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    この記事の筆者

    訪日ラボ編集部

    訪日ラボ編集部

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