平成29年度の税制改正で、訪日外国人観光客に酒類製造場で販売した酒類に係る酒税の免税制度の創設 が決まりました。これは訪日外国人観光客へ販売する酒類について、消費税に加え酒税を免税とする ことにより、地方における酒蔵ツーリズムを振興し、もって日本産酒類の認知度向上を通じた輸出促進を図るものです。実際の内容について詳しくみて行きましょう。
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クールジャパンの推進により酒税の免税制度が決定
今回の酒税の免税制度の決定は、 平成28年6月2日に閣議決定された 「日本再興戦略2016」のクールジャパンの推進 によるものです。日本産の酒類については、「日本産酒類の輸出促進連絡会議」の下で、日本食等と併せ、在外公館や国内外における多様な人的ネットワークやコンテンツ等を活用した情報発信、訪日外国人旅行者等に対する酒蔵ツーリズム等のプロモーションの充実や免税店制度の活用、地理的表示制度の活用による付加価値の向上等を図るとともに、関係省庁やJETROによる販路拡大支援、輸出先国における環境整備等の課題を整理した上で政府一体となって取り組むこととしています。
ワイナリー、酒蔵で販売される酒類が免税対象に 現地で味わってからお得に買い物できる仕組み
財務省が訪日外国人観光客向けに酒蔵やワイナリーで販売される酒類を免税する方針であると、マスコミ各社が報道しました。与党の税制調査会で年内にも決定され、2017年から実施される見込みです。これはかねてから近年、ニューツーリズムとして人気を集めている「酒蔵ツーリズム」の促進を目的に、観光庁が要望を出していたもの。国際的な日本酒ブームの加速や輸出増加につながることが期待されています。今回は、インバウンドビジネスにおける日本酒の動向を中心にご紹介します。 目次ここ数年、官民一体となった取り組みが行...
地方活性化の火付け役! 官民連携した取り組みが行なわれている「酒蔵ツーリズム」の魅力とは
近年、盛り上がりを見せている日本酒ブーム。国内では日本酒特集を組んだ女性向け雑誌、ムックなども見られるほか、海外でも「SAKE」として人気を博しています。酒蔵に足を運び、地酒を楽しむ「酒蔵ツーリズム」という観光スタイルも日本酒好きのあいだでは定着しています。平成28年(2016年)11月1日、平成25年(2013年)から観光庁が実施している「酒蔵ツーリズム推進協議会」が、新たに発足。観光庁のみならず、国税庁、経済産業省、内閣府、農林水産省、地方自治体、日本酒造組合中央会、日本観光振興協会、...
今回の施策の背景にあるもの
日本産酒類の輸出促進に向けて取組を進めてきた結果、2015年の酒類の輸出金額は、2012年(206億円)の2倍近くとなる390億円と過去最高を記録 しました。今後、日本産酒類の輸出拡大を目指す上で、訪日外国人観光客に全国各地で「日本の酒」を体験してもらい、世界に知られていない「日本の酒」の魅力を知ってもらうことが必要 とされています。
訪日外客数は、2016年2,400万人を突破し、順調に増加しています。2014年度の消費税免税制度拡充により、免税の対象品目に消耗品が加わったことから化粧品、酒等の消耗品の消費額も大幅に増加 しているという背景があります。
今さら聞けない「免税」とは?インバウンド担当者が知っておきたい訪日外国人消費に関わる税金まとめ
最近のインバウンド関連ニュースで「免税」というキーワードをよく目にします。読者の方にも海外旅行や海外出張をする時に空港の免税店でのお買い物を楽しみの一つにしている方が多いのではないでしょうか。 先日のニュースで、観光庁が、訪日外国人観光客が酒造やワイナリーなどで日本で製造された酒類を購入した場合、酒税を免除する制度を2017年度税制改正要望に盛り込む方針を固めた、との報道がありました。そもそも、「免税」とは「税金を免除すること」の総称であり、この場合の酒税の免除も「免税」と言えます。...
免税とは?タックスフリーとデューティーフリーの違い・制度・税金 [後編]
[前編]では、主に訪日外国人観光客の消費行動に関わる税金の種類や課税額について紹介しました。[前編]でも触れたように、インバウンド関連ニュースにおいては「免税」や「免税店」というキーワードを多く目にします。しかし、免税の制度やその意味については周知されていないのが現状です。[後編]では、タックスフリーとデューティーフリーの違いを中心に、免税店の種類や、免税されている税金の種類について解説します。インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする「翻訳・多言語化」の資料を無料でダウン...
「明日の日本を支える観光ビジョン」における新たな目標によると、訪日外国人旅行者数は 2020年に4,000万人、2030年に6,000万人 を目標としており、訪日外国人旅行消費額については、2020年に8兆円、 2030年には15兆円 を目指すとしています。
明日の日本を支える観光ビジョンとは?わかりにくい政府や観光庁の取り組みの構造をまとめました
政府は観光先進国への新たな国づくりに向け、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議を行い「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。しかしその取り組みについてわかりづらくなっています。そこでこの記事では、政府の取り組みの全体像についてわかりやすく解説します。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談してみる目次観光立国に向けた政府の取り組み、団体などの相関図インバウンドに関わ...
つまり、この拡大するインバウンド市場の拡大にあわせた酒蔵ツーリズムの振興により、日本産酒類の消費の拡大を促し、海外での日本産酒類の認知度向上を通じた輸出促進を図ることが重要というわけです。
米どころを中心に盛んな酒蔵ツーリズムとは
酒蔵ツーリズムとは、酒蔵解放や酒蔵体験、日本酒をテーマにしたイベント、スタンプラリーなどで訪日外国人に楽しんでもらうツーリズム です。日本には全国規模で酒蔵や酒蔵メーカーが存在しており、こうした酒蔵ツーリズムも全国で盛んです。観光庁も官民協働でムーブメントを起こすとともに、各地域・各主体における取組を促進するため、民間事業者で取り組む事業を連携プロジェクトを募集するなど、酒蔵ツーリズムの振興に力を入れています。
また平成25年には、ニッポンを飲もう!「日本の酒キャンペーン」と題して空港会社・酒蔵業界が一丸となり、日本の食文化を発信する取組の一つとして「日本の酒キャンペーン」を開始。現在もこの取組が続けられています。また、こうした酒蔵ツーリズムの人気が高まると共に、訪日外国人に酒蔵ツーリズムを紹介するパンフレット、全国の酒蔵の情報を記載したリストなども作成、配布され、今後もさらにこうした取り組みが進められていく予定です。
まとめ:今後は訪日外国人旅行者の酒税も免税に
今回の決定を受けて、訪日外国人観光客が輸出物品販売場の許可を受けた酒類製造場で酒類を購入する際は、酒税が免税となります。 対象となるのは 日本産酒類の全品目 が対象です。これはひいては酒蔵ツーリズムの振興に繋がり、地方における外国人旅行消費の拡大、日本産酒類の認知度向上を通じた輸出促進が期待されています。
<参考> - 「訪日外国人旅行者に酒類製造場で販売した酒類に係る酒税の免税制度の創設」
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