昨年日本を訪れた訪日外国人のうち、およそ17.2%は仕事目的で訪日した訪日外国人ビジネスマンでした。訪日ビジネスマンの約5人に1人が訪日20回以上のヘビー・リピーターです。
訪日外国人ビジネスマンは訪日富裕層(世帯年収3000万円以上)の約3割を占め、その行動パターンにはよく似た傾向があります。彼らの消費パターンを読み解き、インバウンドビジネスの新たな可能性についてデータをまとめました。
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4人に3人は文字通り訪日外国人ビジネス「マン」。30~40代男性が圧倒的に多い
「ビジネスマン」という表記に、今の時代「ビジネスパースン」のほうが相応しいのではないか、そう思われた方もいるかもしれません。しかし訪日外国人ビジネス「マン」に関しては、本当に圧倒的に男性が多いという事実があります。
欧州圏で高い訪日リピート率の訪日ドイツ人
人数から言えば日本の
国土交通省観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、観光・レジャー目的の訪日は20~30代女性が牽引しているのに対し、ビジネス目的の来日は7割が男性ビジネスマン、しかも30~40代男性で全体の5割を占めています。
データからは訪日外国人ビジネスマンが自分1人または同僚と訪日し、その割合は半々であることがわかります。さらに特徴的な行動パターンも見られます。
統計から読み解ける訪日外国人ビジネスマンの特徴と行動パターン
他にも訪日外国人ビジネスマンの特徴と行動パターンを統計から読み解いていきましょう。
①利用空港は都市型
利用空港は都市部にアクセスが良いところに集中しています。首都圏直行の東京国際空港(羽田空港)の利用率が観光・レジャー目的の訪日外国人観光客より3倍も高く、成田国際空港・関西国際空港以外では名古屋市にアクセスの良い中部国際空港の利用率が高い。反対に地方空港の利用率は極めて低いということがわかります。観光・レジャー目的の訪日では利用空港は千歳空港や那覇空港など、人気観光地近くの空港にばらけています。
②フライト予約は直前
出発直前にフライト予約をすることが多いため、旅行は個別手配が9割を占め、予約手段は店頭や電話での確実な申し込みを好むことがわかります。早割のようなディスカウントはないはずなので、定価でフライトチケットを購入していることも多いと思われ、観光・レジャー目的の2倍もの単価で往復航空券を購入しています。
③宿泊先はワンパターン
また滞在期間は1~2週間と比較的長いのですが、ホテル・会社の寮といった宿泊施設の利用率が高く、旅館にはあまり泊まりません。
訪日外国人ビジネスマンの消費パターンとは?
訪日ビジネスマンの買い物に関するアンケートを見ると、観光・レジャー目的の訪日に比べて「買い物はしなかった(8.6%)」の回答が高いことがわかります。観光・レジャー目的の訪日観光客に同じ質問をすると「買い物はしなかった」は0.8%しかいません。
全体を見渡しても、購買率からは20~30代女性が牽引する観光・レジャー目的の訪日にくらべて消費行動が限定的で鈍いことが明らかです。
例外と言えるのがコンビニ・スーパーといった、差し迫って必需品を近場で買う消費と空港の免税店の利用率です。
娯楽サービス費の中では「美術館・博物館・動物園・水族館」の購入率が高く、7.1%の訪日外国人ビジネスマンが仕事の合間をぬってこういった場所を訪れていることがわかります。
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ヘビーリピーターの訪日外国人ビジネスマンには「何を」売ればいいのか?
購入率でみるとなかなかアクティブさが見えてこない訪日外国人ビジネスマンの消費行動ですが、これを購入者単価から見ると、新たな視点が得られそうです。
宿泊料金・飲食費・交通費ともに訪日外国人ビジネスマンは観光・レジャー目的の訪日に比べて購入単価が高いことがわかります。交通費では「新幹線・タクシー・レンタカー」を好んで利用しています。娯楽サービスではとくに「現地ツアー・観光ガイド」「舞台鑑賞・スポーツ観戦」などの項目出費で観光客を上回っています。
一見すると鈍い買い物への支出も、一人当たり購入単価でみれば、食料品やカメラ・電気製品などで観光・レジャー目的の訪日客を大きく上回ります。このことから、なかなか買わない・買う時間がないが、じつはたくさんお金を使うという訪日外国人ビジネスマンの姿が浮かび上がります。
まとめ:ビジネスマンにとっては「時間の使い方」が何よりも重要
訪日外国人ビジネスマンは時間とチャンスがあればしっかりと消費をしてくれる富裕層だということがわかりました。
彼らを取り込んでインバウンドビジネスを成功させるためのキーワードは「時間」です。限られた自由時間のなか、いかに便利に快適にお金を使ってもらうかの仕組みづくりです。
訪日外国人ビジネスマンの外出には限られた短い時間で必ずホテルや仕事現場に戻れるという確信が必要です。そのためには多言語対応の標識を設置する、地図アプリで迷子にならない正確な位置情報を提供する、外国人対応できるタクシードライバーを教育する、などが必要でしょう。
訪日外国人ビジネスマンの「すきま時間」を消費やアクティビティにつなげてもらうためには、直前予約に応えてくれるチケットサービスや、当日予約で都市部の穴場スポットを半日ほど案内してくれるビジネスマン向けのオプションツアーなどもニーズがありそうです。1日だけ私費で旅館に泊まりたい、というニーズもあるかもしれません。
<参考>
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