温泉・スパリゾートはどうやって動画・コンテンツ制作をインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、温泉・スパリゾートが動画・コンテンツ制作によってインバウンドで成功する事例が増加しています。このページでは、温泉・スパリゾートの動画・コンテンツ制作のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 温泉・スパリゾート×動画・コンテンツ制作事例その①:ありのままの魅力を伝える映像が海外で大反響!/こだわりぬいた映像美の草津温泉PR動画
- 温泉・スパリゾート×動画・コンテンツ制作事例その②:“おふろでシンクロ”/おんせん県おおいたの話題を呼んだPR動画
- 温泉・スパリゾート×動画・コンテンツ制作事例その③:“オーケストラ”と“桶”のシュールなコラボレーション動画/松山・道後温泉
近年プロモーションの方法として動画・コンテンツ制作がポピュラーになってきています。動画・コンテンツ制作によるインバウンド対策やインバウンド集客のメリットとしては、多くの情報を伝えながらも、顧客のイメージに残りやすいということがあります。伝えたい情報を写真や画像などよりも一度に多く発信できるためその分それぞれの温泉・スパリゾートの色がはっきりと出やすく、工夫を凝らした動画・コンテンツ制作が求められています。
ここでは、温泉・スパリゾートという業界・業種における動画・コンテンツ制作の各社の事例を元にして、効果的な動画・コンテンツ制作を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンド動画制作」の資料を無料でダウンロードする「インフルエンサー」の資料を無料でダウンロードする「SNS運用」の資料を無料でダウンロードするありのままの魅力を伝える映像が海外で大反響!/こだわりぬいた映像美の草津温泉PR動画
日本有数の人気温泉地・草津温泉が2016年に公開したPR動画が、海外で話題を呼んでいます。再生回数は180万回を超え(記事執筆時点)、動画サイトYouTubeのコメント欄には、多くのコメントが寄せられています。
しかしその内容は、特に奇抜なものではありません。ドローンを駆使し、高解像度の4K映像で撮影したその動画では、青々とした山麓や名物の湯もみだけでなく、小学生たちの登校や温泉街の店頭など、夏の草津の日常風景を脚色せずに映し出しています。制作時のテーマは「ストレート」だったということで、映像からは草津のありのままの魅力が伝わってきます。
コメント欄には「ジブリみたい!」「これを見て行きたくなった!」というようなコメントが多数寄せられていますが、その多くは外国語で書かれています。「英語教師の職はある?ここに住むにはどのくらい費用がかかるの?」というような英語のコメントまでみられました。ユニークなPR動画が海外で大きな反響を得ることが多い現在、“ストレートに”魅力を伝えるという手法でここまで再生回数をのばしたこの動画は、とても稀有な存在といえます。
この動画は、国内だけでなく海外の人が見ることを想定してつくられました。しかし「草津 Kusatsu」というロゴ以外、英語表記は登場しません。やはりここでも制作時のテーマ「ストレート」が活きていて、解説はつけずにあくまでも映像をメインにして発信されています。制作には著名な映像作家や音楽家を起用し、シンプルでクオリティの高作インバウンド向けPR動画になっています。
"おふろでシンクロ"/おんせん県おおいたの話題を呼んだPR動画
日本でもCMなどでかなり話題になったのが、2015年に公開されたおんせん県・大分のPR動画「シンフロ」です。公開当時は関連グッズやお菓子なども販売されるほど、人気となりました。再生回数は220万回を超え(記事執筆時点)、現在は特別篇や第2弾も公開されています。
この動画は温泉でシンクロをするというユニークな発想で注目を集めました。バラエティ豊かな大分県の温泉で、すべて現地で撮影を実施しました。温水、また浅い水深という難しい条件の中シンクロを披露したのは、オリンピックメダリスト・藤井来夏氏が主宰するプロのシンクロナイズドスイミングチーム「RAIKA ENTERTAINMENT」所属のメンバーです。
工夫をこらしたBGMや振付も見どころです。本作に使用しているBGMは、大分県出身の作曲家・瀧廉太郎氏の名曲「花」を、「森の木琴」など国内外の広告賞で多数の受賞歴を誇る「Invisible Designs Lab.」の清川進也氏がアレンジしたものです。温泉に入る音やから揚げを揚げる音など、大分県各地で録音した“音”をつなぎ合わせて制作しました。振付は、動画サイトYouTubeで2,000万回再生を記録した「OK Go」のPV『I Won’t Let You Down』の振付を担当し、MTV Video Music Awards 2015の振付部門でグランプリを受賞、世界三大広告賞も受賞した話題の振付師「振付稼業air:man」が担当しました。振付には、とり天、かぼす、豊後牛といった大分の特産品などをモチーフとしたものも含まれているということです。
動画サイトYouTubeでは、字幕をONにするとロケ地が表示されるようになっており、日本語と英語に対応しています。また、「シンフロ」の公式サイトは日本語のほか英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)・タイ語に対応しており、インバウンド対応もしっかりとなされています。
"オーケストラ"と"桶"のシュールなコラボレーション動画/松山・道後温泉
松山市が2018年2月に公開したのは道後温泉のPR動画、その名も「桶ストラ」です。“オーケストラ”と風呂“桶”がかけられていて、利用客が道後温泉を楽しむ様子がオーケストラと桶を使って表現されている動画です。
動画には、2017年12月にグランドオープンした「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」をはじめ利用客が道後温泉を楽しむ様子が映ります。利用客は、オーケストラの演奏に合わせて風呂桶を叩きます。外国人にも道後温泉の魅力をイメージしてもらいやすくするために音声はほとんど使用していないということで、管弦楽団ならぬ“歓迎楽団”の奏でるウィンナー・ワルツと風呂桶のコラボレーション音楽がメインになっています。
この動画は、四国のクリエーターで構成された「クリエーターズクラブ愛媛(CCE)」が主催する公開審査会「CCE AWARD 2018」で準グランプリのCCE賞を受賞しました。リズミカルな表現が多い中、ゆったりとしたリズムが道後温泉の雰囲気と重なり、魅力的に仕上がっているところが評価されたということです。
この動画は、2018年3月に札幌市内で開催された「松山の物産と観光展」で放映されました。今後は各種イベントでPR素材として使用したり、メディアに利用してもらったりして、インバウンドも視野に入れながら国内外に道後温泉の魅力を伝えていくということです。