化粧品メーカーはどうやって動画・コンテンツ制作をインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、化粧品メーカーが動画・コンテンツ制作によってインバウンドで成功する事例が増加しています。このページでは、化粧品メーカーの動画・コンテンツ制作のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 化粧品メーカー×動画・コンテンツ制作事例その①:シャネルの紹介動画はターゲットをしぼってPR/多言語対応も徹底
- 化粧品メーカー×動画・コンテンツ制作事例その②:商品映像は5秒だけ、“イメージ重視”のブランディング動画/ディオール
- 化粧品メーカー×動画・コンテンツ制作事例その③:海外も注目、話題の高校生変身動画/資生堂
近年プロモーションの方法として動画・コンテンツ制作がポピュラーになってきています。動画・コンテンツ制作によるインバウンド対策やインバウンド集客のメリットとしては、多くの情報を伝えながらも、顧客のイメージに残りやすいということがあります。伝えたい情報を写真や画像などよりも一度に多く発信できるためその分それぞれの化粧品メーカーの色がはっきりと出やすく、工夫を凝らした動画・コンテンツ制作が求められています。
ここでは、化粧品メーカーという業界・業種における動画・コンテンツ制作の各社の事例を元にして、効果的な動画・コンテンツ制作を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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パリの化粧品ブランド・CHANEL(シャネル)は、2017年8月にPR動画を公開しました。
この動画は2017年秋~冬の新商品を紹介する動画です。シンガポール出身のモデル・フィオナ・フッシを起用し、CHANELの新発売のメイクアイテムを使ってメイクの仕方を解説するハウツー動画です。動画サイトでよくみられるようなメイクの方法を紹介する動画の形式をとりながら、CHANELのもつ高級感を保っています。
この動画の音声は英語ですが、字幕は日本語・中国語・韓国語・タイ語ほか欧州言語など、全部で17の言語に対応しています。コメント欄には日本語のほか英語など多くの外国語のコメントが寄せられています。
欧米発の化粧品紹介動画だと、メイクが濃すぎたり派手な色を使ったりということも多いですが、この動画はアジア人モデルを起用しているため、アジアの人にもなじむようなメイクが紹介されています。欧米ではなく、特にアジアの人をターゲットにしたPR動画といえます。
2017年秋~冬の新商品を紹介する動画は、もう一つ公開されています。そちらではポーランド出身のモデルが起用されており、濃い色を使ったメイクが紹介されています。うまくターゲットを分けながらPRしている事例です。
商品映像は5秒だけ、"イメージ重視"のブランディング動画/ディオール
2017年9月、動画サイトYouTubeでChristian DiorのPR動画が公開されました。
45秒のこの動画で紹介されているのは新商品の香水ですが、その商品は最後の5秒ほどしか登場しません。この動画は、商品そのものよりも商品のイメージ訴求に重点を置いたブランディング動画です。新しく発売された香水「Miss Dior」は「大胆さ」「再生」「自由」をテーマとしているということで、動画では商品のテーマに沿った映像が展開されます。
ハリウッド女優のナタリー・ポートマンを起用したこの動画のキャッチコピーは、「AND YOU, WHAT WOULD YOU DO FOR LOVE?」(で、あなたは愛のために何をするの?)。彼女が橋の上から海へダイブしたり、ピンクのオープンカーで砂浜に「love」とつづったりする様子が映されます。
BGMを歌うのはオーストラリア出身の女性シンガーソングライター・Sia(シーア)です。彼女には酒やドラッグ依存症に苦しんだ過去がありました。今回BGMに起用されたのもその経験をもとにして書かれた2014年の大ヒット曲・「Chandelier」です。深い意味のある曲をBGMに選んだDiorのこだわりが感じられます。
多言語対応も徹底されており、YouTubeでは字幕が20言語に対応しています。国籍を問わず受け入れられるような、イメージを重視した動画です。
海外も注目、話題の高校生変身動画/資生堂
2015年、動画サイトYouTubeに投稿された資生堂のPR動画「High School Girl? メーク女子高生のヒミツ」が話題になりました。この動画はニューヨークで開催された国際的な広告賞『ニューヨークフェスティバル』において全カテゴリNo.1の賞を受賞し、海外からも大きな反響がありました。
若年層をターゲットとし「メイクの楽しさ」を伝えることを目的として制作されたこの動画は、あるユニークな発想で注目を集めました。
ある高校の女子生徒たちを映した映像で、突然「この教室に男の子がいたの、気づいた?」という問いが投げかけられます。すると逆再生が始まり、女子生徒のメイクやかつらがとれ、実は男の子だった、という構成になっています。
高校の教室という舞台設定や現役男子高校生の起用により、この動画では資生堂のマーケティングにおいて課題となっていた「若年層へのPR」が成功しました。
当初の目標再生回数は100万回だったということですが、現在は1000万回を超えています(記事執筆時点)。制作陣の細部にまで及ぶこだわり、資生堂のヘア&メーキャップアーティストたちによるメイクの力、そして7時間という長時間に及ぶ撮影を乗り切った出演者たちそれぞれが大きな話題を呼びました。
アジアを中心にインバウンド需要のある化粧品ですが、動画の字幕は8言語用意されておりインバウンド対応はできているといえます。