ツーリズムとは?観光との違いや10種類のニューツーリズムを解説

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ツーリズムとは、主題をもった観光や旅行を意味する言葉です。

世界最大級の旅イベント「ツーリズムEXPOジャパン2023 大阪・関西」が、2023年10月26日から29日までの4日間で開催されました。

インバウンド客の増加に伴い、観光業界が盛り上がりを見せる近年、旅行の新たな価値を見出すツーリズムが注目されています。 中でもニューツーリズムと呼ばれる人的、文化的交流や体験型コンテンツをテーマとしたツーリズムは訪日客から人気を集めています

この記事では、ツーリズムの概要や観光との違い、代表的な10種類のツーリズムについて解説します。

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ツーリズムとは

ツーリズムとは、英語のTourismを語源とした言葉で、一般的には観光事業や旅行業、または観光旅行のことを指します。

ただ、旅行・観光業界での「ツーリズム」は、その旅行に「学習」や「研究」など、何かしらのテーマが設けられている点が特徴です。

ツーリズムのなかでも、エコツーリズムグリーンツーリズムのような表現は、近年の旅行スタイルの多様化により登場したことから「ニューツーリズム」と呼ばれています。

ツーリズムと観光との違いは?

観光とは「余暇時間の中で、日常生活圏を離れて行う様々な活動であって、触れ合い、学び、遊ぶということを目的とするもの」と定義されています。

一方「ツーリズム」は「観光」より広い意味を持つ言葉として使用され、観光を含む旅行全般を意味するだけでなく、ときには観光の促進を目指す取り組みまでを含める場合もあります。

近年観光業界が盛り上がる中で、ツーリズムを体験型観光として位置づける動きもあります。

訪日外国人に人気な6種類のニューツーリズム

観光庁の定義では、ニューツーリズムは従来の見聞を中心とした観光旅行に対するアンチテーゼであり、体験や交流を中心とした旅行を指します。

代表的なニューツーリズムには産業観光エコツーリズム、グリーン・ツーリズム、ヘルスツーリズム、ロングステイ、文化観光などがあり、ニューツーリズムでは新たな旅行のスタイルを提案しています。

ニューツーリズムのメリットとして新たな旅行分野の開拓、旅行に新たな付加価値を加えることによるリピーターの増加、地域の特性を活かすことによる地方創生が挙げられます。

以下では、ニューツーリズムの内、代表的なものについて解説します。

1. インダストリアルツーリズム

インダストツーリズム(産業観光 / 産業訪問)は歴史的・文化的な価値を持つ過去の産業や最先端の技術を持つ現代の産業をテーマとしたツーリズムです。

観光を通して古くより人々の暮らしを支えてきた産業や未来の人々の暮らしを支えていく産業についての学びを得ることで、背景にある文化や伝統、将来的な産業発展についての理解を深めることを目的としています。

関連記事:インダストリアルツーリズム(産業訪問/Industrial Study Tourism)とは?インバウンド対策として取り組むメリット・補助金や取り組み事例を紹介

2. エコツーリズム

エコツーリズム各地の自然や環境資源、野生の動植物をテーマとしたツーリズムです。

ホエールウォッチングや植林活動をするツアープランなどがエコツーリズムにあたり、自然環境と触れ合うことで自然との共生、環境問題についての理解を深めることを目的としています。

エコツーリズムはさまざまな環境問題が世界各地で発生している現代において特に重視すべきツーリズムであるといえるでしょう。

関連記事:エコツーリズムとは|歴史や日本における事例・課題を解説

3. グリーンツーリズム

グリーンツーリズム農業や漁業が盛んな地域においてその地に暮らす人々との交流をテーマとしたツーリズムです。

中には農業や漁業、加工品生産などの作業の一部を実際に体験することができるツアーもあり、第一次産業に携わる人々との交流を通した食育を目的としています。

日常的に関わることの少ない人々との交流は新たな価値観や知見を得られる貴重な機会となるでしょう。

関連記事:グリーンツーリズムとは?日本国内・海外の事例やアグリツーリズムとの違いを簡単解説

4. ヘルスツーリズム

ヘルスツーリズムは都会の喧騒を離れて豊かな自然に囲まれた地での静養をテーマとしたツーリズムです。

森林浴や温泉のリラクゼーション効果に着目したヘルスツーリズムでは心身の疲労が癒されることでしょう。

医療的効能を重視したものからレジャー的要素を重視したものまでさまざまなツアープランがあります。

関連記事:2022年市場規模95兆円超の「ヘルスツーリズム」とは:定義・推進事例を紹介

5. ロングステイ(長期滞在型観光)

ロングステイは旅行中の長期滞在により旅行者と地場の住民たちの交流をテーマとしたツーリズムです。

リタイア後の年配者など時間に余裕のある層をメインターゲットとしており少子高齢化が加速する現代の日本において注力すべきツーリズムの一つです。

旅行者が長期的に滞在することにより経済効果やそれに伴う地域の活性化が期待されます。

関連記事:ロングステイとは?定義・地域へのメリット・インバウンド誘致事例を紹介

6. 文化観光

文化観光は歴史や伝統などの文化的側面に対する理解を深めることをテーマとしたツーリズムです。

文化観光では、インバウンド旅行者に対しては伝統芸能や工芸など日本の伝統的な魅力を伝えることが主眼におかれます。同時に、国内旅行者に対しては、日本の歴史や伝統の魅力を再確認する機会を与えることとなり、これにより日本の文化を守っていく意識の醸成が期待されます。

市場を広げる4つのツーリズム

観光庁の定義では上記の6つがニューツーリズムとして挙げられていますが、観光業界全体ではその他にもさまざまなツーリズムが提唱されています。

以下では、その他のツーリズムの内代表的なものについて解説します。

7. メディカルツーリズム(医療ツーリズム)

メディカルツーリズムとは高度医療や先端医療を受けるための海外渡航をテーマとしたツーリズムです。

外国人が衛生面や技術面においてレベルの高い日本の治療を受けるため訪日するケースと日本人が国内において未だ認可されていない治療を受けるために海外渡航するケースの双方があります。

メディカルツーリズムを促進するためには医療機関における多言語対応などのインバウンド対策が必要不可欠です。

関連記事:医療ツーリズム(メディカルツーリズム)とは?注目を集める背景・日本の現状・メリット・問題点・事例

8. サスティナブルツーリズム

サスティナブルツーリズムとは環境資源の持続可能性をテーマとしたツーリズムです。

キャパシティを超える観光客の受け入れや観光産業の過度な促進により自然環境に悪影響を及ぼすことを危惧し、地域文化や自然環境への配慮を重視した観光を産業化していく考え方でインバウンド旅行客が増加する現代の日本において広く認知すべきツーリズムであるといえるでしょう。

関連記事:サスティナブルツーリズムの意味・定義 | 「持続可能性」意識した観光でリピーター増の事例4選

9. スローツーリズム

スローツーリズムとは余裕を持ったプランニングによりゆったりとマイペースに旅程を組むことをテーマとしたツーリズムです。

スローツーリズムは旅行者の多様なニーズに応えるために生まれたツーリズムで、旅程の効率を重視する傾向にあった従来の旅行とは一線を画す新たな旅行スタイルを提唱しています。

関連記事:【事例アリ】スローツーリズムとは?インバウンド観光客の細分化するニーズ・地方創生・石川県の取り組みを紹介

10. スポーツツーリズム

スポーツツーリズムとは、スポーツの体験・観戦に周辺地域の観光や交流、地域連携を付加したツーリズムです。

スポーツ資源とツーリズムを融合することで、既存のスポーツ資源のほかにも地域資源がスポーツの力で観光資源となる可能性も秘めています。

日本が有するスポーツ資源(例:相撲観、Jリーグ、ゴルフ、スキー)に歴史や自然要素を掛け合わせた、独自コンテンツの醸成が進められています。

関連記事:スポーツツーリズムと観光の関係/インバウンド誘致の事例・失敗例や課題は?

【番外編】オーバーツーリズム

ツーリズムという言葉が入った単語には「オーバーツーリズム」もあります。

オーバーツーリズムとは、観光客の急増により、地域の自然環境や住民生活に悪影響が及んでいる状況を指します。キャパシティを超える観光客の来訪により発生する、慢性的な交通渋滞や街中の混雑、ゴミや騒音問題などがその一例です。

オーバーツーリズムは上記に挙げたような観光を促進するためのツーリズムとは異なり、観光地における社会問題として扱われます。

政府は、オーバーツーリズムを「重要課題」だとして、2023年10月に「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ(案)」を公表しました。

アフターコロナの今、観光産業が回復傾向にあるなかで、オーバーツーリズム対策は急ピッチで進められています。

関連記事:岸田首相、オーバーツーリズムは「重要課題」 秋にも対策取りまとめ【連載:オーバーツーリズムを考える 〜真の観光立国への道のり〜 第一回】

ニューツーリズムが観光業界を盛り上げる

ツーリズムは近年観光業界において多く用いられる言葉で多様な意味を持っています。

中でもさまざまな観点からテーマや意味合いを重視した観光を促進するための取り組みという意味としてのツーリズムは頻繁に利用されます。

さまざまな観点にフォーカスしたツーリズムによって今後の観光業界はさらに盛り上がることでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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