ツーリズムとこれまでの観光や旅行の違い/10種類のニューツーリズムとオーバーツーリズムを解説

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ツーリズムとは、主題をもった観光や旅行を意味する言葉です。

世界最大級の旅イベント「ツーリズムEXPOジャパン2019 大阪・関西」が、2019年10月24日から27日までの4日間で開催されました。

インバウンド観光客の増加に伴い、観光業界が盛り上がりを見せる近年、旅行の新たな価値を見出すツーリズムが注目されています。 中でもニューツーリズムと呼ばれる人的、文化的交流や体験型コンテンツをテーマとしたツーリズムは訪日客から人気を集めています

この記事では、ツーリズムの概要、さまざまなツーリズムについて解説します。

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ツーリズムとは

ツーリズムとは、一般的に観光事業や旅行業、または観光旅行のことを指します。

旅行・観光業界では「観光」より広い意味を持つ言葉として使用され、観光を含む旅行全般を意味し、観光の促進を目指す取り組みまで含める場合もあります。

近年観光業界が盛り上がる中で、ツーリズムを体験型観光として位置づける動きもあります。

訪日外国人に人気なニューツーリズム7選

観光庁の定義では、ニューツーリズムは従来の見聞を中心とした観光旅行に対するアンチテーゼであり、体験や交流を中心とした旅行を指します。

代表的なニューツーリズムには産業観光エコツーリズム、グリーン・ツーリズム、ヘルスツーリズム、ロングステイ、文化観光などがあり、ニューツーリズムでは新たな旅行のスタイルを提案しています。

ニューツーリズムのメリットとして新たな旅行分野の開拓、旅行に新たな付加価値を加えることによるリピーターの増加、地域の特性を活かすことによる地方創生が挙げられます。

以下では、ニューツーリズムの内、代表的なものについて解説します。

1. インダストリアルツーリズム

インダストツーリズム(産業観光)は歴史的・文化的な価値を持つ過去の産業や最先端の技術を持つ現代の産業をテーマとしたツーリズムです。

観光を通して古くより人々の暮らしを支えてきた産業や未来の人々の暮らしを支えていく産業についての学びを得ることで、背景にある文化や伝統、将来的な産業発展についての理解を深めることを目的としています。

2. エコツーリズム

エコツーリズム各地の自然や環境資源、野生の動植物をテーマとしたツーリズムです。

ホエールウォッチングや植林活動をするツアープランなどがエコツーリズムにあたり、自然環境と触れ合うことで自然との共生、環境問題についての理解を深めることを目的としています。

エコツーリズムはさまざまな環境問題が世界各地で発生している現代において特に重視すべきツーリズムであるといえるでしょう。

3. グリーンツーリズム

グリーンツーリズム農業や漁業が盛んな地域においてその地に暮らす人々との交流をテーマとしたツーリズムです。

中には農業や漁業、加工品生産などの作業の一部を実際に体験することができるツアーもあり、第一次産業に携わる人々との交流を通した食育を目的としています。

日常的に関わることの少ない人々との交流は新たな価値観や知見を得られる貴重な機会となるでしょう。

4. ヘルスツーリズム

ヘルスツーリズムは都会の喧騒を離れて豊かな自然に囲まれた地での静養をテーマとしたツーリズムです。

森林浴や温泉のリラクゼーション効果に着目したヘルスツーリズムでは心身の疲労が癒されることでしょう。

医療的効能を重視したものからレジャー的要素を重視したものまでさまざまなツアープランがあります。

5. ロングステイ(長期滞在型観光)

ロングステイは旅行中の長期滞在により旅行者と地場の住民たちの交流をテーマとしたツーリズムです。

リタイア後の年配者など時間に余裕のある層をメインターゲットとしており少子高齢化が加速する現代の日本において注力すべきツーリズムの一つです。

旅行者が長期的に滞在することにより経済効果やそれに伴う地域の活性化が期待されます。

6. 文化観光

文化観光は歴史や伝統などの文化的側面に対する理解を深めることをテーマとしたツーリズムです。

文化観光では、インバウンド旅行者に対しては伝統芸能や工芸など日本の伝統的な魅力を伝えることが主眼におかれます。同時に、国内旅行者に対しては、日本の歴史や伝統の魅力を再確認する機会を与えることとなり、これにより日本の文化を守っていく意識の醸成が期待されます。

市場を広げる3つのツーリズム

観光庁の定義では上記の6つがニューツーリズムとして挙げられていますが、観光業界全体ではその他にもさまざまなツーリズムが提唱されています。

以下では、その他のツーリズムの内代表的なものについて解説します。

7. メディカルツーリズム(医療ツーリズム)

メディカルツーリズムとは高度医療や先端医療を受けるための海外渡航をテーマとしたツーリズムです。

外国人が衛生面や技術面においてレベルの高い日本の治療を受けるため訪日するケースと日本人が国内において未だ認可されていない治療を受けるために海外渡航するケースの双方があります。

メディカルツーリズムを促進するためには医療機関における多言語対応などのインバウンド対策が必要不可欠です。

医療ツーリズム(メディカルツーリズム)とは?注目を集める背景・日本の現状・メリット・問題点・事例

「医療ツーリズム(メディカルツーリズム)」は、医療を受けることを目的に海外へ渡航する、医療と観光を組み合わせた旅行のことです。 近年、この医療ツーリズムは訪日旅行の一形態として、中東などアジア圏からの観光客が日本を訪れる動機として注目を集めています。 しかし、日本は現状、海外に比べて医療ツーリズム対策が遅れていると言わざるをえません。そこで、この記事では、実際に医療ツーリズム向けのインバウンド事例や導入のメリット、効果を解説します。 インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のイン...

メディカルツーリズムとは

メディカルツーリズムとは、医療サービスの利用を目的に海外を訪れることです。観光と医療サービスをセットにした海外旅行も含まれます。 医療分野のサービスでは安心と安全が重要視されており、加えて国内の医療技術の高さから、日本のインバウンド業界では非常にポテンシャルの高い分野と目されています。 特に中国では、日本の医療技術の高さ、がん発症者の生存率の高さに注目が集まっています。 中国国内のある報道によれば、中国でがんを発症してから5年後の生存率は31%です。一方日本の国立がん研究センターの統...

8. サスティナブルツーリズム

サスティナブルツーリズムとは環境資源の持続可能性をテーマとしたツーリズムです。

キャパシティを超える観光客の受け入れや観光産業の過度な促進により自然環境に悪影響を及ぼすことを危惧し、地域文化や自然環境への配慮を重視した観光を産業化していく考え方でインバウンド旅行客が増加する現代の日本において広く認知すべきツーリズムであるといえるでしょう。

サスティナブルツーリズムの意味・定義

サスティナブルという言葉は「持続可能な」という意味です。多くは地球環境の持続可能性を指し、環境問題を論じる際に用いられてきました。 最近では観光の分野でもこの「サスティナブル」という言葉が見られるようになってきました。 本編ではインバウンド市場における「サスティナブル」について解説します。 [com_category_dl_btn name="ツアー企画・ランドオペレーター" slug="tour-planning"] [cta_toc_upper_banner] 目次 サスティナブルとは...

9. スローツーリズム

スローツーリズムとは余裕を持ったプランニングによりゆったりとマイペースに旅程を組むことをテーマとしたツーリズムです。

スローツーリズムは旅行者の多様なニーズに応えるために生まれたツーリズムで、旅程の効率を重視する傾向にあった従来の旅行とは一線を画す新たな旅行スタイルを提唱しています。

【事例アリ】スローツーリズムとは?インバウンド観光客の細分化するニーズ・地方創生・石川県の取り組みを紹介

現在、日本全体の人口動態を見てみると、地方では過疎・都心部では過密化が進んでいます。 観光業界でもこれと同様の構図があります。東京や大阪、京都といった定番スポットには観光客が集中しており歩くのも大変な状況も出てきている一方で、地方には観光客が少なく収益化が難しくなっています。 日本の観光立国や経済活性化を考える際には、どのようにして地方を活性化するかという点が課題となっています。 解決策としてゆるキャラや祭りなどを活用した「町おこし」の策が講じられています。同時にインバウンド客を対象...

10. スポーツツーリズム

スポーツツーリズムとはスポーツ観戦に伴う周辺観光をテーマとしたツーリズムです。

スポーツツーリズムはラグビーワールドカップやオリンピックを間近に控えている日本において特に注目されており、スポーツツーリズムをどう活かすかが今後の旅行業界の課題となるでしょう。

スポーツツーリズムと観光の関係/インバウンド誘致の事例・失敗例や課題は?

スポーツツーリズムとは、スポーツ観戦のための旅行、それに伴い周辺の観光地に足を運ぶことや、スポーツ選手と交流するための旅行など、スポーツに関わる旅行のすべてを意味します。 国内や海外への旅行が一般的になり、旅行の目的も多様化してきている中、現地体験を重視する「コト消費」の流行も顕著となっています。 こうした中で、スポーツツーリズムの可能性にも注目が高まっています。スポーツツーリズムの推進は、これまで以上の旅行者の誘致や地方の活性化の可能性も秘めています。 日本では、2019年は9月...

【番外編】オーバーツーリズム

ツーリズムという言葉が入った単語には「オーバーツーリズム」もあります。

オーバーツーリズムは上記に挙げたような観光を促進するためのツーリズムとは異なり、観光地における社会問題として扱われます。

オーバーツーリズムとはキャパシティを超える観光客の来訪により周辺住民や環境に悪影響をもたらす現象で、具体的な例として京都市において観光客の増加により住民が市バスを利用できなくなってしまう事例などが発生しています。

オーバーツーリズムとは・観光用語集

オーバーツーリズムとは、特定の観光地において、訪問客の著しい増加等が、地域住民の生活や自然環境、景観等に対して受忍限度を超える負の影響をもたらしたり、観光客の満足度を著しく低下させるような状況。

ニューツーリズムが観光業界を盛り上げる

ツーリズムは近年観光業界において多く用いられる言葉で多様な意味を持っています。

中でもさまざまな観点からテーマや意味合いを重視した観光を促進するための取り組みという意味としてのツーリズムは頻繁に利用されます。

さまざまな観点にフォーカスしたツーリズムによって今後の観光業界はさらに盛り上がることでしょう。

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2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。

未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。

では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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