政府は6月18日、令和6年(2024年)版の観光白書を閣議決定し、公表しました。
今回の観光白書では、主に「訪日外国人旅行者の地方誘客と消費拡大」に焦点をあてて分析を行っています。
訪日ラボでは全5回にわたり、インバウンド向け施策を実施している方なら読んでおきたい箇所をピックアップして説明していきます。(今回の記事では、太字部分を説明します)
- 第Ⅰ部 令和5年観光の動向
- 第1章 世界の観光の動向
- 第2章 日本の観光の動向
- 第3章 インバウンドの地方誘客と消費拡大に向けて
- 1 インバウンド観光の現状と課題
- 2 地方部におけるインバウンド観光の動向と地域の取組事例
- 3 訪日外国人旅行者の地方誘客と消費拡大に向けて
- 第Ⅱ部 令和5年度に講じた施策
- 第Ⅲ部 令和6年度に講じようとする施策
地方部におけるインバウンド観光
世界の観光需要の回復を背景に、2023年の訪日外国人旅行消費額は過去最高水準となりましたが、インバウンド需要は三大都市圏(観光白書では東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県の8都府県)に集中しており、地方部にも旅行者を呼び込めるかどうかが課題となっています。
今回は、訪日外国人旅行者の訪問地の動向を把握するため、三大都市圏・地方部別や地方部の道県別で分析を行います。また観光資源を活用した取り組みでインバウンド需要が回復している地域を取り上げ、今後のインバウンド施策の方向性を探ります。
平均泊数が長いほど訪問都道府県が多い傾向
訪日外国人が1回の旅行で訪れた都道府県数を見ると、平均泊数が長い国籍・地域の旅行者ほど、多くの都道府県を訪問していることがわかります。
平均泊数が比較的短い韓国からの旅行者を見ると、約9割が1〜2都道府県しか訪問していないのに対し、比較的長く滞在する傾向のある欧州やオーストラリアからの旅行者では、5~6割程度が4都道府県以上訪問しています。

地方部訪問はコロナ前から減少、アジア旅行客が中心に訪問か
続いて、三大都市圏・地方部の訪問パターン別の割合に注目します。2023年の地方部訪問者(地方部のみ、または三大都市圏と地方部両方を訪問した人の合計)は、訪日外国人旅行者全体の約52%であり、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(約61%)から減少しています。
国籍・地域別に見ると、地方訪問者のうち韓国や台湾、香港からの旅行者は、地方部のみ訪問した旅行者の割合が高くなっています。一方で欧米豪からの旅行者は、三大都市圏・地方部の両方を訪問した旅行者が大半を占めます。

次に国籍・地域別や訪問パターン別の訪日回数に注目します。
外国人旅行者の訪日回数を国籍・地域別に見ると、リピーター客(2回以上訪日)の割合は全体で約68%であるのに対し、アジアは高く、特に香港と台湾では9割前後です。しかも、そのうち4〜5割は6回以上日本を訪れています。
また訪問パターン別に見ると、地方部のみ訪問者の9割弱が訪日リピーター客であることがわかります。これらを踏まえると、日本を何度も訪れる東アジアのリピーター客が地方を中心に訪問していると考えられるしょう。
地方部では「滞在」促進が重要
次に、地方部訪問者の消費の特徴や、三大都市圏・地方部それぞれの消費動向を見ていきます。
訪問パターン別の一人当たり旅行支出(消費単価)を見ると、地方部のみ訪問した場合の消費単価は三大都市圏のみ訪問した場合と比べて平均泊数が短く消費単価も低い結果となりました。
また、地方部で宿泊した旅行者の消費単価は日帰り旅行者の約11倍です。
これらを踏まえると、地方部での消費拡大に向けては、日帰り客だけでなく、消費誘発効果が大きい「滞在」を促進することが重要です。また、主に東アジアからの旅行者でリピーターが多い地方部のみ訪問者の消費は、地方経済に与える影響が大きいと考えられます。
このため、地方部のみ訪問者の再訪や長期滞在を促す取り組みも重要です。

延べ宿泊数は北海道・福岡・沖縄が突出、高知・栃木・大分なども2019年比で増加
地方部での消費拡大に関して「滞在」が重要であるとわかった上で、道県別の宿泊の状況や新型コロナウイルス感染拡大前の2019年からの変化を見てみましょう。
この続きから読める内容
- 旅行消費額は東アジアで福岡・北海道・沖縄が大きく、欧米豪は広島が最大
- 具体的な地域の取り組み事例を紹介
- 1. 岩手県
- 2. 石川県
- 3. 熊本県
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