百貨店・デパートはどうやってインフルエンサーをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、百貨店・デパートがインフルエンサーをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。インフルエンサーを用いた百貨店・デパートのプロモーションの成功事例では、インバウンドに関連するデータを、収集し解析することで効果的なインバウンド対策を実施できているようです。
このページでは、百貨店・デパートのインフルエンサーのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 百貨店・デパート×インフルエンサー事例その①:中国人インフルエンサーを起用したPR動画のライブ配信/阪急・近鉄・大丸松坂屋
- 百貨店・デパート×インフルエンサー事例その②:近鉄百貨店の中国人インフルエンサーを起用したライブ配信の取り組み
- 百貨店・デパート×インフルエンサー事例その③:アメリカ人YouTuberが三越のデパ地下を紹介、食べ物の美しさに海外から驚きの声
インフルエンサーを活用した百貨店・デパートのインバウンド対策やインバウンド集客のメリットは、ターゲットとする客層に効率的にプロモーションできることや、顧客に見てもらいやすいということです。PRを行いたい客層に人気のあるインフルエンサーを起用すれば、そこに焦点をあててプロモーションを行えます。また、広告があふれる現代において企業からのPRや情報発信をよく思わない顧客も多くいますが、顧客にとって親近感のあるインフルエンサーが紹介することで、嫌悪感を抱かせることなくPRできます。
ここでは、百貨店・デパートという業界・業種におけるインフルエンサーを活用したプロモーションの事例を紹介していきます。
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阪急阪神百貨店や近鉄百貨店、大丸松坂屋百貨店などの大手百貨店では、中国人のインバウンド増加を目的として、中国人インフルエンサーを起用したライブ動画を配信しています。近鉄百貨店は、2018年のライブ配信の頻度を昨年の2倍以上に増やす方針です。
ライブ動画では中国人の人気インフルエンサーによる商品や売り場の紹介が行われます。中国は日本よりもネット中継の人気が圧倒的に高く、配信後は紹介された商品の売り上げが倍増するなど、その効果は大きいようです。
バレンタインの時期に行われた近鉄百貨店のライブ配信では、中国人インフルエンサーによってチョコレート売り場の様子が紹介されました。中国ではバレンタインに男性が女性に花を送る風習があり、日本のチョコ文化は中国の人には新鮮に映るといいます。視聴者数は11万人を超え、「かわいい」「行ってみたい」というコメントが多数寄せられました。
阪急阪神百貨店が昨年12月に行ったライブ配信は中継の際67万人が視聴し、放送後も1か月で1500万回再生されたといい、2018年はインフルエンサーを誘致する頻度を月に1回から2~3回に増やすということです。
大丸松坂屋百貨店も昨年、中国人インフルエンサーを誘致して名古屋や大阪、東京からライブ配信を行いました。9月に行ったライブ配信では、中国は新年度ということで新社会人向けの服や靴などを紹介するなど、各百貨店とも時期にあった内容を配信しています。
近鉄百貨店の中国人インフルエンサーを起用したライブ配信の取り組み
2018年1月、近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)で、中国人インフルエンサーによるライブ配信が行われました。
2018年からインフルエンサーを起用した中国向けのライブ配信を強化するとしている近鉄百貨店は、バレンタインの時期に合わせてライブ配信を行いました。登場したのは東京都に住む中国人インフルエンサー・陳寧欣(ちん・ねいしん)さん(27)です。
近鉄百貨店の依頼を受けて来店した陳さんは、「ここが日本で一番広い百貨店です」と紹介し、1時間半にわたり中国の動画配信アプリでライブ配信をしました。主に紹介されたのは訪日中国人に人気の化粧品や、1月中旬という時期もありバレンタインの関連売り場などでした。累計147万人が視聴したということです。
陳さんは2012年に来日し、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で日本の流行や観光情報を発信し始めました。日本に住んでいるという利点をいかし、中国の人々にリアルな日本を知ってほしいという思いから、「这里是日本(ここは日本)」というアカウントをつくりました。「日本ちゃん」の愛称で人気を集めフォロワーは150万人まで増え、人気インフルエンサーとして百貨店以外にも数十社のPRを行ってきました。報酬は微博への1回の投稿につき20万円程度で、これで生計を立てているということです。
アメリカ人YouTuberが三越のデパ地下を紹介、食べ物の美しさに海外から驚きの声
人気のYouTubeチャンネル「Mikey Chen」を運営するアメリカ人YouTuberのMike(マイク)が、食べ物に特化した自身のYouTubeチャンネル「Strictly Dumpling」で、銀座三越を紹介しました。
マイクが紹介したのは、銀座三越の「デパ地下」です。動画は、店内をめぐりながら目にとまった食べ物を買い、それをテラスで試食するというものです。マイクは牛丼やパン、スイーツなどさまざまな「デパ地下グルメ」を試食しました。再生回数は130万回を突破し(記事執筆時点)、美しい食べ物を生み出す日本の技術や文化に感動した、驚いたというコメントが多くみられました。
デパ地下グルメは最近訪日外国人の人気を集めています。理由としては、食べ物が美しく見えるように工夫して並べられているということ、味のクオリティが高いことなどがあげられるということです。
しかしデパ地下を訪れる訪日外国人は、デパ地下のことを「知人に聞いて知った」という人が多く、訪日旅行の際の行き先としてはまだ穴場的な位置づけです。この動画ではデパ地下グルメが魅力的に紹介されており、デパ地下がインバウンドのよりポピュラーな選択肢となることが期待されます。