地方自治体はどうやってインフルエンサーをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、地方自治体がインフルエンサーをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。インフルエンサーを用いた地方自治体のプロモーションの成功事例では、インバウンドに関連するデータを、収集し解析することで効果的なインバウンド対策を実施できているようです。
このページでは、地方自治体のインフルエンサーのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 地方自治体×インフルエンサー事例その①:神戸公式観光サイトの中国向けインフルエンサーPR/WeiboでPR動画シェア→大反響
- 地方自治体×インフルエンサー事例その②:中部北陸、中国向けにインフルエンサーPR/親子で楽しめるアクティビティを紹介
- 地方自治体×インフルエンサー事例その③:フランス人YouTuberを起用した瀬戸内のプロモーション
インフルエンサーを活用した地方自治体のインバウンド対策やインバウンド集客のメリットは、ターゲットとする客層に効率的にプロモーションできることや、顧客に見てもらいやすいということです。PRを行いたい客層に人気のあるインフルエンサーを起用すれば、そこに焦点をあててプロモーションを行えます。また、広告があふれる現代において企業からのPRや情報発信をよく思わない顧客も多くいますが、顧客にとって親近感のあるインフルエンサーが紹介することで、嫌悪感を抱かせることなくPRできます。
ここでは、地方自治体という業界・業種におけるインフルエンサーを活用したプロモーションの事例を紹介していきます。
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兵庫県神戸市の神戸国際観光コンベンション協会は、地域の観光情報の発信やPRのため、神戸公式観光サイト「Feel KOBE」を運営しています。
同サイトでは以前から全編英語によるプロモーション動画を公開するなど、インバウンド誘致に力を入れてきました。かねてからインバウンドへのプロモーションは英語で行ってきましたが、2017年3月、それまで行えていなかった中国語圏へのPRを強化することになりました。
そこで同サイトは、中国人の人気インフルエンサーを起用してプロモーションを行いました。方法としては、まず以前英語で作成していた4つのプロモーション動画に中国語の字幕をつけ、それをWeibo公式の動画投稿サービス「秒拍」に投稿します。そしてその動画を、同サイトが起用した中国人インフルエンサーのアカウントで一斉にシェアしてもらいます。インフルエンサーは、「旅行」や「日本」といったトピックに強い15人が選ばれました。
このプロモーションの結果、秒拍やWeiboにおける動画の再生回数が3日間で320万回を突破し、大きな反響がありました。神戸に行ったことがない・神戸という地域を知らない人の興味をひけたのはもちろん、すでに神戸を訪れたことがある人の関心もひきつけることができたということです。
中部北陸、中国向けにインフルエンサーPR/親子で楽しめるアクティビティを紹介
観光分野で広域連携している中部・北陸地方は、2017年10月に中国向けのインフルエンサープロモーションを行いました。
中部・北陸地方(富山・石川・福井・長野・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀)の広域観光エリアは、能登半島を龍の頭とし中部・北陸地方全体を龍が昇っていく様子に見立てて「昇竜道」地域と呼びます。「昇竜道」エリアは日本の中でもかなり広い面積を占めているので、その分エリア内にはインバウンドに人気のある観光地も多くあります。
昇竜道地域は、中国向けのプロモーションとして人気のインフルエンサーを招待し、ファミリー層をターゲットにして地域の認知度向上のためのPRをしました。インフルエンサーには家族も一緒に連れてきてもらい、実際に親子で「昇竜道」エリアを楽しむ様子を撮影しました。招聘期間中はSNSでもリアルタイムでその様子を発信したということです。
インフルエンサーとその家族は昇竜道エリア内の観光地をめぐりました。ターゲットがファミリー層ということで親子で楽しめるアクティビティが多く選ばれ、名古屋のレゴランドジャパンを訪れたり、軽井沢のそば打ち体験などを行いました。また、岐阜県の高鷲スノーパークではスキー体験を行いました。
フランス人YouTuberを起用した瀬戸内のプロモーション
瀬戸内地域の自治体は、フランス人YouTuberを起用してインフルエンサープロモーションを行いました。
起用したのは、フランス人の人気YouTuber「Ichiban Japan(通称:ギギ先生)」です。「ギギ先生」は普段、日本各地を訪れて旅や食文化、人との出会いなどをテーマにした動画をフランス語で公開しています。
2017年10月、Ichiban Japanにギギ先生が瀬戸内地域(広島・香川・愛媛・岡山)を周遊している動画が公開されました。動画は30分を超えるPR動画としては長めのもので、ギギ先生がしまなみ海道を訪れたりうどん作り体験をする様子が紹介されます。
瀬戸内地域のPR動画を撮影したあとは、単独で香川県がギギ先生を起用したPR動画を制作しました。こちらには、ギギ先生のYouTuber仲間でもあるフランス人の「LOUIS SAN」も出演しています。2018年6月に公開されました。
動画はYouTubeだけではなく、2018年7月にフランスで開催された日本文化の展示会・Japan Expoと合わせ、フランス国営テレビでも放映されました。フランスからのインバウンド増加が期待されます。