旅行会社・ランドオペレーターはどうやってインバウンドにおいて多言語化・コミュニケーション対応に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、旅行会社・ランドオペレーターが多言語化・コミュニケーションによりインバウンド集客する事例が増えています。旅行会社・ランドオペレーターの多言語化・コミュニケーションの成功事例では、効果的にプロモーションを行えています。このページでは、旅行会社・ランドオペレーターのインバウンド対策やインバウンド集客における多言語化・コミュニケーションについて次の3つの事例を取り上げます。
- 旅行会社・ランドオペレーター×多言語化・コミュニケーション事例その①:「楽天トラベル」HPの多言語化に取り組む
- 旅行会社・ランドオペレーター×多言語化・コミュニケーション事例その②:アクティバリューズ:宿泊施設向けAI(人工知能)チャットボット「talkappiボット」の提供
- 旅行会社・ランドオペレーター×多言語化・コミュニケーション事例その③:JTBとパナソニック、多言語案内などインバウンド向けサービス2種の実証実験
旅行会社・ランドオペレーターの多言語化・コミュニケーションによるインバウンド対策やインバウンド集客には、顧客層を広げられるというメリットがあります。訪日外国人は日本語を読めない人がほとんどなので、日本語だけの対応では訪日外国人を取り込むことは難しくなってしまいます。また海外向けにプロモーションを行っても、対応が日本語だけではその効果が薄くなります。多言語化・コミュニケーション対策は訪日外国人対応をする上で必須といってもよいでしょう。
近年の訪日外国人急増を受け、インバウンド対策として多言語化・コミュニケーション対策を真っ先に行ったところも多くありました。しかしその方法はさまざまです。ここでは、旅行会社・ランドオペレーターという業界・業種における多言語化・コミュニケーションによるインバウンド対策事例を見ていきましょう。
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「翻訳業務」の資料を無料でダウンロードする「多言語化表示サービス」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードする「楽天トラベル」HPの多言語化に取り組む
楽天は、で「楽天トラベル」の外国語サイトを大幅にリニューアルしました。訪日外国人の需要拡大を受け、インバウンドビジネスをさらに強化する狙いがあるといいます。
新しい外国語サイトは、より分かりやすく、使いやすく、シンプルなデザインがコンセプト。これまで独立していた各言語サイトのプラットフォームを統一することで、他言語展開が容易になり、拡大を続けるインバウンドビジネスの成長を支える基盤とするとしています。
2014年7月、楽天トラベルは多言語化サイトの大幅なリニューアルを行い、10ドメイン、7言語(英語、フランス語、中国繁体字、中国簡体字、タイ語、韓国語、インドネシア語)のサイトとなりました。その後、予約件数は前年度比60〜70%増の勢いで、利用国籍は、米国、香港、台湾などが多いといいます。
また、新サイトはタブレット、スマートフォンにも対応するため、PCと同じコンテンツをモバイルデバイスにも展開することが可能に。
楽天トラベルでも訪日外国人からの需要が拡大しており、今年4月の実績では、前年同月比+94.8%の伸びを示しています。さらに、多様化する訪日観光客の需要を裏付けるように、これまでの主流だった、東京〜富士山〜関西といったゴールデンルート以外のエリアの伸びも著しく、岐阜県では、同+92.1%と訪日観光客が顕著に増加しているといいます。
アクティバリューズ:宿泊施設向けAI(人工知能)チャットボット「talkappiボット」の提供
多言語コミュニケーションツールを開発するアクティバリューズは、多言語接客アプリなどで蓄積したノウハウを活用した宿泊施設向けAI(人工知能)チャットボット「talkappiボット」の提供をスタートさせました。
搭載言語は英語と中国語(繁・簡体字)韓国語、日本語の5言語。観光情報案内など旅行者のタビマエ、タビナカを支援するとともに宿泊施設が抱える多言語対応への課題と負担、人手不足を解消できる見込みがあるといいます。
「talkappiボット」は、ラインやFacebook、Facebookメッセンジャー、WeChatといったSNS(交流サイト)に対応しており、利用者は専用アプリをダウンロードすることなく手軽に使用できます。
現在搭載されている主な機能は、自動応対や受付、観光情報案内など。観光案内では、宿泊施設周辺の観光スポットや体験施設などのおすすめ情報の提供が可能に。
館内業務の多言語化にも対応。モーニングコールや部屋の掃除依頼、館内施設の予約などを自動で受け付けます。館内レストランや売店などのサービス案内をいつでも滞在中の宿泊者に送信でき、館内消費も促せるといいます。
また、宿への問い合わせ内容を自動的に判別し、予約前だと判断した場合は自社予約サイトに誘導する機能も搭載されています。これにより、自社予約比率を向上させることも可能になるほか、今後は予約自体をチャットボットとのやり取りだけで完結できるようにしたい考えとのこと。
JTBとパナソニック、多言語案内などインバウンド向けサービス2種の実証実験
ジェイティービー(JTB)とパナソニックは2016年8月31日、訪日外国人向けの新サービス2種類を発表しました。多言語での観光案内や接客を支援する「JAPAN FITTER」と、大型手荷物を配送して手ぶら観光を実現する「LUGGAGE-FREE TRAVEL」。
いずれも2016年9月1日から10月31日まで実証実験を実施し、2016年度内の商用化を目指す。2020年には、2種のサービス合計で「最低でも100億円」(パナソニックの井戸正弘役員)の収益を目指しているといいます。
JAPAN FITTERは、宿泊施設や観光地などのスタッフと訪日外国人のやり取りを、タブレットを使って支援するサービス(写真2)。情報通信研究機構(NICT)と共同開発する多言語翻訳技術を利用し、双方の発話を翻訳して提示。周辺の飲食店や観光施設の紹介、目的地までのルート検索などができます。日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語に対応し、定型文による回答も用意しており、典型的な問い合わせにはタッチパネルを選択するだけで対応可能。
LUGGAGE-FREE TRAVELは、訪日外国人向けの手荷物宅配サービス。JTBとパナソニック、ヤマトホールディングスの3社で手掛けています。国内での旅程に応じて送り状を出力し、宿泊地などに手荷物を配送できるそうです。