航空・空港はどうやってインバウンドにおいて多言語化・コミュニケーション対応に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、航空・空港が多言語化・コミュニケーションによりインバウンド集客する事例が増えています。航空・空港の多言語化・コミュニケーションの成功事例では、効果的にプロモーションを行えています。このページでは、航空・空港のインバウンド対策やインバウンド集客における多言語化・コミュニケーションについて次の3つの事例を取り上げます。
- 航空・空港×多言語化・コミュニケーション事例その①:関西国際空港:「QR Translator」の導入で多言語表記を充実
- 航空・空港×多言語化・コミュニケーション事例その②:成田国際空港:メガホン型の翻訳機「メガホンヤク」で日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応
- 航空・空港×多言語化・コミュニケーション事例その③:成田空港では多言語対応テレビ電話案内サービスを導入
航空・空港の多言語化・コミュニケーションによるインバウンド対策やインバウンド集客には、顧客層を広げられるというメリットがあります。訪日外国人は日本語を読めない人がほとんどなので、日本語だけの対応では訪日外国人を取り込むことは難しくなってしまいます。また海外向けにプロモーションを行っても、対応が日本語だけではその効果が薄くなります。多言語化・コミュニケーション対策は訪日外国人対応をする上で必須といってもよいでしょう。
近年の訪日外国人急増を受け、インバウンド対策として多言語化・コミュニケーション対策を真っ先に行ったところも多くありました。しかしその方法はさまざまです。ここでは、航空・空港という業界・業種における多言語化・コミュニケーションによるインバウンド対策事例を見ていきましょう。
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「翻訳業務」の資料を無料でダウンロードする「多言語化表示サービス」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウンロードする関西国際空港:「QR Translator」の導入で多言語表記を充実
2014年(暦年)の訪日外国人利用者が過去最高(※対前年比136%)を更新した関西国際空港では、増え続ける多国籍の利用者への利便性を強化するため、QRコードを利用して施設内表示などを最大で15言語に対応させるモデル的な取組みをスタート。
これは、施設内各所に配置した多言語対応のQR コードを利用者に読み取ってもらう事で、本人が持っているスマートフォンやタブレットの言語、つまり母国語で施設内の飲食店情報や周辺地域の観光情報などが取得できるようにする仕組み。
対応させる言語数は最大15言語で、従来の方法では掲載スペースの問題で不可能でした。無理に詰め込んでしまうと文字が見えづらくなったり、パンフレットの種類が増えてかさばるなどの問題点が発生してしまう。
それを解決するのがQR Translator の仕組みで、ひとつのQR コードを掲載するだけで多言語への対応が可能になりました。
関西国際空港では、従来より、案内表示やパンフレット、ウェブサイトなどで日本語、英語、中国語簡体字・繁体字、韓国語での表記は行っていたが、近年のASEAN 諸国などからのお客様の急増を踏まえ、他の言語にも幅広くこのQR コードで対応。
訪日外国人には常に不満の上位に挙げられている「外国語での情報提供不足」を解決することで、関西国際空港では、増加する外国人利用者の利便性向上に貢献する狙い。同空港ではすでに施設内がフリーWi-Fiへも対応しているため、インバウンドが自国から持ってきたスマートフォンやタブレットでもローミングを気にせず利用できる環境です。
さらに、スキャンしたQR コードは自国に持ち帰ってからもアクセスが可能なため、旅の思い出を後日SNSなどでシェアしてくれることにも期待が広がります。まずは施設内案内や観光掲示板、お土産物店内での商品紹介などに利用を進めていく予定で、開始時点では100ヵ所程度コード設置を行っています。
関西国際空港内でのQR Translator の利用方法をモデル化して、今後、世界中の空港にもフォーマット輸出の形で導入を働きかけます。QR Translator の仕組みは日本で生まれ日本企業が特許を持つサービスで、世界中に導入が広まれば、日本発の世界標準として、世界の言語バリアフリー化が実現することになります。
【QR Translator の特徴】
- 文書翻訳が可能なQR コードを簡単に発行できる世界で初めてのWeb サービス。
- コード発行までのプロセスがわずか1分で完了し、看板や印刷物に貼付してすぐに使用可能。
- 既存の看板などを設置し直す必要が無く、掲載スペースも大幅に節約。
- 翻訳者とデザイナーの作業を分離して進められる環境を世界規模で提供。
- 翻訳はクラウド機能を用い、機械翻訳であれば即時、人による翻訳でもコード発行から数時間後に反映。
- 翻訳文章は後から編集(テキスト変更、画像追加など)可能で、その都度QR コードを貼り替える必要なし。
成田国際空港:メガホン型の翻訳機「メガホンヤク」で日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応
成田国際空港株式会社様は、成田国際空港を利用される訪日外国人に向けてターミナル内の誘導や災害時や天候不良時の案内をスムーズに行うために、メガホン型 多言語音声翻訳サービス「メガホンヤク」を導入。
「メガホンヤク」は、メガホン型の翻訳機を使い、プリセットとして登録した定型文を日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語で拡声できる多言語音声翻訳サービスです。
交通機関、イベントホールやスタジアム、テーマパークや観光地などで使われる特有の案内文を基本定型文としてあらかじめ約300文登録しています。また、ワード選択機能を搭載しており、単語の組み合わせにより全体で約1800のパターンに対応できるように予め登録を済ませています。伝えたい内容をメガホン型翻訳機に日本語で音声入力すると、あらかじめ登録している文章と音声照合して翻訳した後、日本語、英語、中国語、韓国語で再生します。これにより、誘導や非常時のアナウンスをより正確に効率的に行えるようになっています。
誘導や非常時のアナウンスをより的確に行えるように、簡単な操作性を実現しています。メガホン型翻訳機本体のボタンを押しながら拡声したい文章を音声入力すると瞬時に音声照合・翻訳を行います。その後、拡声ボタンを押すだけで日本語、英語、中国語、韓国語の音声が順番に出力されるようになっています。非常時など緊急に使用するような場合にも担当者がスムーズに誘導できるよう、簡単オペレーションを実現しています。
成田空港では多言語対応テレビ電話案内サービスを導入
NECは18日、成田国際空港株式会社(成田空港)に、多言語対応テレビ電話案内サービスを実現するシステムを提供したと発表しました。本稼働後3カ月を経た現時点で、利用件数は月間約1500件となり、成田空港を利用する海外の顧客へのサービス向上に寄与しているといいます。
テレビ電話案内サービスは、ディスプレイ上のタッチパネルを操作するだけで、対象言語を話せる案内スタッフとディスプレイ上で互いの顔を見ながら会話ができるもの。「UNIVERGE 遠隔相談ソリューション」をベースとしています。日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応し、ターミナルビル内全案内カウンター(19カ所)に設置されています。
顧客は自分の言語に対応できるスタッフがカウンターにいない場合、タッチパネル上のボタンを押すと、19カ所の中から該当言語が話せて手の空いているスタッフに自動的に接続されます。ディスプレイ上で地図や資料を表示しながらの会話や、カメラを通して顧客のチケットを確認するといったことも可能となります。