2016年訪日外国人は2,403万人 | 訪日外国人旅行消費額・3年間の推移・3つの重要トピックはリオ、地震、民泊

公開日:2019年08月07日

前回のオリンピックがあった2016年、日本でも訪日外国人が初の2,000万人台に乗り、観光立国への道のりを大きく進み始めた年でもありました。

この記事では、2016年の訪日外国人数と、その増加の背景について解説します。


2016年の訪日外国人は2,403万人

2016年は、日本を訪れる外国人が初めて2,000万人を超えました。同時に、インバウンド対策の必要性について実感した組織も出てきます。

2016年に日本を訪れた外国人は、前年比19.3%増の2,403万9,700人で、過去最高となりました。こうした数字の背景には、クルーズ船の寄港数の増加や、航空路線の拡充といった海外からのアクセスの整備と、継続的な訪日旅行プロモーションがありました。

この他、訪日外国人にとってメリットのある制度面の拡充も客足の増加に寄与しています。ビザの緩和や消費税免税制度がこれにあたります。

中国は2015年に市場トップに、増加率が目立ったのはポーランド・フィリピン

国・地域別では韓国が最多2016年の訪日外国人の国・地域別のランキングでは、1位が637万人の中国、2位が509万人の韓国、3位が416万人の台湾、4位が香港の183万人、5位がアメリカの124万人で、順位は2015年から変わっていません。

2016年の国・地域別の訪日外国人数を見てみると、市場一位は中国で637万人を記録しています。中国は2015年に訪日外国人数で初めて韓国を抜き、以降市場トップの座は2019年現在も続く傾向となっています。年間の訪日数で言えば、中国に抜かれたものの韓国も引き続き大きな市場です。増加率でも中国の27.6%に次ぐ27.2%となりました

この年人数ベースで最も大きく成長した市場はポーランドで29.9%の増加率(年間訪日数3.1万人)となっています。2番手はフィリピンで29.6%増加の34.7万人でした。

2016年国・地域別の訪日外国人

順位

国・地域

人数

1位

中国

637万人

2位

韓国

509万人

3位

台湾

416万人

4位 香港

183万人

5位 アメリカ

124万人

2015年国・地域別の訪日外国人

順位 国・地域 人数
1位 中国

499万人

2位

韓国

400万人
3位 台湾

367万人

4位 香港 152万人
5位 アメリカ 103万人

2016年~2018年の推移

訪日外国人数が急激に増えた2016年以降も、毎年日本を訪れる外国人の数は増加し続けています。2017年には2,869万人、2018年には3,119万人となり、2016年の数値と比較すると約30%にあたる約700万人増という水準で多くの外国人が日本を訪れています。

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2016年の訪日外国人旅行消費額は3兆7千億円、単価は減少

ここからは2016年のインバウンド消費について、さらに詳しく解説していきます。インバウンド消費額などの数値を把握することで、訪日外国人対策をより明確にできるでしょう。

2016年は訪日外国人数の増加が顕著になり、それにともなってインバウンド消費に目が向けられるようになった年でもあります。一方で、訪日外国人一人あたりの消費額(訪日外国人の旅行支出)は155,896円となり、前年と比べると11.5%低下した水準に落ち着きました。

訪日外国人旅行消費額は前年比7.8%増の3兆7,476億円を記録しており、訪日外国人一人あたりの消費額こそ低下したしものの、来日数の増加がそれをカバーする形になっています。

2016年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)

2016年のインバウンド市場全体の消費額は昨年に引き続き3兆円超えの3兆7,476億円でした。しかしながら前年比+7.78%と伸び率で見れば昨年より大幅にペースダウンしました。円高基調になったことにより、訪日外国人一人あたり消費額は前年比-11.51%の155,891円となりました。

2016年~2018年の推移は?

訪日外国人数と同様に、訪日外国人旅行消費額の推移を見てみます。2018年は4兆5,189億円、2017年は4兆4,162億円で、毎年手堅く成長し続けていることがわかります。2016年と2018年の訪日外国人旅行消費額では7,700億円ほど増加しており、成長率は約20%に相当します。

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他の年のインバウンド消費データ(訪日外国人消費動向)を見る

2011年のインバウンド消費データ

2012年のインバウンド消費データ

2013年のインバウンド消費データ

2014年のインバウンド消費データ

2015年のインバウンド消費データ

2017年のインバウンド消費データ

2019年のインバウンド消費データ

2016年に起きたインバウンド関連出来事は?

2016年には、インバウンド市場に影響を与えた3つの重要な出来事がありました。リオ五輪開催で話題をさらった安倍マリオ、熊本地震・鳥取中部地震などの震災、民泊の規制緩和への転換です。

ここからは、それぞれの出来事が外国人に与えた心理的な影響を解説していきます。

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リオ五輪開催/安倍マリオが話題に

日本のインバウンド市場には一見無関係に見えるブラジルリオ五輪の開催ですが、訪日外国人の増加に深く関係していると考えられています。リオオリンピックは、日本人が特に活躍した大会と知られており、日本を世界に発信する大きなきっかけとなりました。

また、2020年に開催されることが決まっていた、東京オリンピックのプロモーションも行なわれ、その演出として採用された安倍マリオも世界的な関心を集めることになりました。

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熊本地震・鳥取中部地震など震災が多発

4月14日に発生した熊本地震と10月21日に発生したは、日本を訪れる予定だった外国人の不安を大きくする出来事となりました。特にゴールデンウィーク前であった熊本地震はインバウンド市場に大な影響を与えました。2016年5月時点のキャンセル数は56.8万件に上ったとも言われています。

同年は復興を目指す動きも目立ちました。地震直後には、24時間電話対応するコールセンター、九州旅行商品が最大70%割引される九州復興割が速やかに準備されています。その結果、6月の九州への外国人入国者数は、前年比10.8%増加を記録し、結果的に2016年の訪日外国人数の増加に寄与することになりました。

熊本地震に見る訪日外国人への災害対応

2016年(平成28年)4月14日21時26分頃に発生した熊本地震。熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震で、更に4月16日1時25分頃に、同じく熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生しました。現在も余震が続いており、懸命な救助活動が続いています。4/18現在で死者43名にのぼり、今もなお、約9万4千人が避難している状況です。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆さまには衷心よりお悔やみを申し上げます。ま...

九州ふっこう割で熊本地震からの復興なるか:6月は既に復調傾向、インバウンドへの効果は8月以降に期待

2016年(平成28年)4月14日に熊本県を襲った熊本地震。観光業にとって、かき入れ時となるゴールデンウィーク前に震災が発生し、宿泊キャンセルが相次ぎました。その数、2016年5月時点で56.8万件に及ぶほどに。国内だけでなく、もちろんインバウンド市場にも打撃を与え、九州地方の主要訪日国である韓国を中心として、2016年5月の九州への外国人入国者数は前年度割れしました。政府は、観光業の復興に向け支援施策を発表し、その取り組みとして「九州ふっこう割」が開始されました。先日のJNTOの訪日外客...

鳥取中部地震から約2週間 10月に最大震度6弱を記録した鳥取県、観光業への被害は?

火山が多い日本は世界的にも有数の地震大国ですが、平成28年(2016年)は特に地震に頭を悩ませる年になりました。観光業への被害が懸念された熊本地震(最大震度7)が発生したのは4月14日。執筆現在から約半年前の出来事ですが、熊本城の損壊をはじめとした大規模な規模を取り上げた報道が今なお鮮明に思い出されるのではないでしょうか。九州地方はアジア圏からの訪日外国人観光客に人気のあるエリアだけに、インバウンドビジネスへの影響が懸念されていました。24時間電話対応するコールセンターが速やかに用意され、...

民泊規制は緩和の方向へ

2018年6月15日に施工されることが決まった民泊新法も、2016年からその動きが顕著になっています。民泊とは個人宅を観光客などに有料で貸し出すというものであり、以前まではホテルや民宿などの宿泊施設だけが、宿泊業を行えると決められていました。

しかし、訪日外国人数が増加し、東京や大阪といった都心部の宿泊施設が不足していることが明らかとなり、民泊規制が緩和される動きが始まりました。

施行から1年、民泊新法で何が変わった?法律の成立~施行・狙い・4つのポイント・大手の対応・ヤミ民泊摘発・規制は妥当か?

近年の訪日外国人の増加により、東京や京都、大阪などの人気観光地ではホテル不足が起こっています。各都市ではホテル建設ラッシュが続いていますが、一方でそういったホテル不足の解消策として期待されているのが「民泊」です。民泊とは個人宅を観光客などに有料で貸し出すというもので、近年注目されている宿泊形態です。2018年6月15日には「民泊新法」と呼ばれる民泊営業を細かく規定する法律が施行されました。この記事では、民泊新法の規制内容に加え、成立から施行までの流れ、施行による社会的影響を振り返ってみます...

民泊検討会、最終報告書を発表:旅館業法とは異なる新たな法制度をつくり、実態把握を図る見込み

世界的に人気を博しているものの、宿泊業者や地域住民の生活に悪影響を及ぼすおそれが懸念されている民泊。観光地として世界的に有名なフランス・パリでは、ホテルの宿泊率が減少し、家賃相場が上昇し住宅不足が発生。ひどいところでは学級閉鎖まで起こっていると言われています。民泊の本来的な魅力は、ホテルや旅館では体験しにくい地域住民との関わり、体験の共有など。しかし、低コストで運営できるため、宿泊業者より価格が低く、実際には違法な業者が営業していることも少なくないと言われています。このような問題があること...

民泊新法 いよいよ来年6月から施行:民泊事業者じゃなくても抑えておきたい民泊新法施行規則のポイントを徹底解説

「住宅宿泊事業法」(民泊新法) の施行の日を定める政令と住宅宿泊事業の実施の制限に関する条例の基準等を定める政令が、2017年10月24日に閣議決定されました。今回の閣議決定により、民泊新法の施行日が 2018年6月15日 に決まりました。同時に、民泊事業実施にあたって地方自治体が条例を設け、区域ごとに実施してはならない期間などを規定する際の基準を定めた、「住宅宿泊事業法施行令」 も決定しました。これに伴い、各自治体の条例づくりが本格化することが予想されます。さらに、「住宅宿泊事業法施行規...

震災の連続もインバウンドへの影響は少なく

2016年は熊本地震や鳥取中部地震など、震災が連続した年でもありました。しかし、現在まで続くインバウンド市場は着実に成長しており、震災後もスピーディーに外国人を受け入れる環境が整えられました。

また、そんな自然環境の変化の中で、日本が外国人を受け入れる環境整備に力を入れ始めたのも2016年です。インフラの整備だけでなく、民泊の規制緩和などの法的な措置も進められました、インバウンド対策を考えている方は、2016年のデータと出来事の関わりを分析することで、今後の動向をイメージする際のヒントにすることできるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!