インバウンドを誘致・集客する際、海外に情報を発信・PRすることは必要不可欠ですが、海外の人たちはどのような手段で日本に関する情報を得ているのでしょうか?「諸外国における対日メディア世論調査」と、観光庁の「平成28年消費動向調査」の2つのソースを基に、訪日主要国(中国、韓国、タイ、アメリカ)の人たちが一般的にどのように日本に関する情報を得ているのか、また観光目的の情報収集となるとその傾向がどのように変わるのかなどについて比較・分析していき、旅マエの各訪日外国人に情報を配信するための施策について解説していきます。今回は、訪日タイ人観光客編。
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タイ日本に関する情報を入手する際、全ての世代でも約90%が「自国のマスメディア」を活用!
公益財団法人新聞通信調査会が実施した「諸外国における対日メディア世論調査」によると、日本についての知識や情報の入手先としてタイ人の延べ90.8%が「自国のテレビ・新聞・雑誌」と回答しました。次に多かった選択肢が「インターネット(54.7%)」。その後は「自分の家族や親戚・知人(37.5%)」、「日本人の友人・知人(6.1%)」、「学校教育(4.9%)」、「訪日経験(2.6%)」、と続きます。
他の調査対象国(アメリカ・イギリス・フランス・韓国・タイ)と同様に、1位となった選択肢が、自国のテレビ・新聞・雑誌などマスメディアを経由したものでした。
年代別に見てみても、ほぼすべての年代層でタイ人は自国のマスメディアを通じて日本に関する情報を入手する場合が、他の選択肢に比べて大幅に多い 結果になりました。
自国のマスメディアを日本に関する情報を入手する際に使っている人の割合は、どの年代でも約90%を占めています。他国では、若い世代はインターネットを使う傾向にありますが、10代、20代のタイ人の間では、日本に関する情報の入手源として、やはり自国のマスメディアが多く利用されています。年代にかかわらず、日本に関する情報を得る場合には、比較的ドメスティックな傾向にあることが浮き彫りになりました。
タイ人の間では、一般的に日本に関する情報を仕入れる場合、上記で紹介したような傾向が見られました。この傾向が観光情報を得る際にはどう変わっていくのでしょうか?
旅マエの訪日観光に関する情報収集に役立ったもの「観光サイト」「自国の知人」が中心:紙媒体も利用か
観光庁の「平成28年消費動向調査」によると、訪日タイ人観光客が訪日旅行をする前の観光情報収集手段としてもっとも役に立ったと答えたものは「日本政府観光局ホームページ」でした。回答率は延べ29.2%にあたります。 次いで回答率が高かったものが自国の親族・知人(23.3%)。その後は、旅行会社ホームページ(20.8%)、旅行ガイドブック(19.0%)と続きます。
他の訪日主要国では、SNSや口コミによって訪日観光時の情報を入手する場合が多いですが、タイでは先述の通り、日本政府観光局や旅行会社のウェブサイト、友人・知人からの口コミなどが訪日旅行時の意思決定に大きな影響を与えています。
また、旅行ガイドブックや旅行専門誌など紙媒体のメディア、テレビなどマスメディアもランクインしており、多岐にわたる情報源から訪日旅行に関する情報を仕入れている模様です。
タイ人に情報を発信する際はどのような方法が有効なのでしょうか?上記2つのデータをもとに、考察していきます。
旅マエの訪日タイ人への情報発信:幅広いメディアの活用が必要か:なかでもマスメディアには一定の効果あり
旅マエの訪日タイ人観光客にアプローチする場合、幅広い情報源を活用して情報発信することが重要です。
タイ人は訪日旅行に関する情報を入手する際、Webサイトや雑誌・ガイドブックなど紙媒体のメディアなど、さまざまな情報源を活用しています。そのため、一つに絞るのではなく、多メディアを複合的に活用した情報発信が必須です。
ただ、他の国とは違い、どの年代層をみてもタイ国内のマスメディアを利用して日本に関する情報を仕入れていることや、訪日旅行に関する情報の入手先としてテレビ番組がランクインしていることから、マスメディアを利用した情報発信には一定の効果がある といえそうです。
実際に台東区・浅草に店鋪を構える花月堂 雷門店の「ジャンボめろんぱん」では、タイ国内の人気番組「Majide Japan(現在は「Japan X」という番組名にリニューアル)」で取り上げられたことをきっかけに訪日タイ人観光客から絶大な人気を得ています。
このように、タイ国内のマスメディアに取り上げてもらうことは、訪日タイ人外国人観光客を集客・誘致するうえで有効な手段になります。下記の記事でご紹介しているロケツーリズム等もひょっとしたら裕子な手段になるかもしれません。
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ロケツーリズムとは?
映画やドラマのロケ地を巡る「
まとめ:インバウンドに情報発信する際はターゲットにあった手法で
今回は、タイ人の日本に関する情報における情報の取得方法、旅マエの訪日タイ人観光客に情報をとどけるための施策についてご紹介しました。
タイ人は、どの年齢層でもマスメディアを通じて日本に関する情報に触れるのが一般的ですが、訪日旅行に関する情報となるとマスメディアに限らず、インターネット、紙媒体のメディア、知人からの口コミなど、さまざまな情報源から観光情報を入手しています。
そのため、訪日タイ人観光客の集客・誘致を目的に情報を発信したい場合、さまざまなメディアを活用することが求められますが、先述の花月堂 雷門店の「ジャンボめろんぱん」の事例を見る限り、やはりマスメディアを通じた情報発信には一定の効果がありそうです。
インバウンドに情報を配信する際は、ターゲットとする外国人が日本に関する情報をどのように仕入れているのかを頭に入れ、それに沿った媒体・ツールを活用していく必要があります。
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<参照> - 観光庁:平成28年における訪日外国人の消費動向【国籍・地域別】 - 公益財団法人新聞通信調査会:第3回 諸外国における対日メディア世論調査 調査結果
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→集客の両輪を加速させる!新規とリピーターで“人が集まる”仕組みづくり【6/24開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
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