「陽性者数」と「旅行意欲」の相関関係見つかる:豪、直近で訪日旅行へ高い関心

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新型コロナウイルスの感染状況は未だ収束の目処は立っていませんが、欧米諸国の一部では新規感染者数の増加ペースが鈍化していることも事実です。

世界の旅行好きな人々は満足に旅行に行けない今、連日の新型コロナウイルスに関する情報をどのように感じ、そしてそれが旅行への関心度合いにどのように影響しているのでしょうか?

今回、訪日ラボは海外トレンドデータの分析を手がけるAmobee Japanの協力を得て、新規陽性者数の増減と海外旅行への関心度の増減の推移を調査したデータを提供していただき、その調査結果から考察を行いました。今回はオーストラリアのデータを紹介します。

2019年の訪日オーストラリア人は62万人を超え、過去最高を記録しました。加えて、一人あたりの旅行支出は247,868円と高く、インバウンド業界にとって今後最も重要な市場の一つです。そんなオーストラリアの、旅行への関心度合いの今を紐解いていきましょう。

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オーストラリアにおける新型コロナ陽性者数と海外旅行への関心度の推移

オーストラリアにおける新型コロナ陽性者数と旅行への関心度の推移 Amobee Japan 提供
▲[オーストラリアにおける新型コロナ陽性者数と旅行への関心度の推移]:Amobee Japan 提供

こちらのグラフはオーストラリアにおける、新型コロナウイルスの新規陽性者数と各国への旅行に対する関心度の推移を示したものです。

  • 横軸:2020年1月5日から8月22日までの分析期間。
  • 左の縦軸:オーストラリア人の各国への旅行に対する関心度インデックス。関心度インデックスとは、海外消費者5,000万人を対象に、彼らが旅行系Webサイト上で、海外の国名が含まれる記事やニュースにアクセスした数から計測されたもの。
  • 右の縦軸:オーストラリアにおける新型コロナウイルスの新規陽性者数。Tableauが提供するCOVID-19 Data Hubによるもの。
  • 折れ線:黒はオーストラリアにおける新型コロナウイルスの新規陽性者数を示し、それ以外は日本、カナダ、中国、フランス、シンガポールへの旅行関心度を表す。

陽性者数と海外への旅行関心度が反比列

全体をみてみると、オーストラリアでは海外への旅行関心度は新型コロナウイルスの陽性者数に反比例するような兆候を示しています。

新型コロナウイルスの感染拡大が本格化する前である1月と2月は各国への旅行関心度は高い水準を維持していました。

しかし、3月以降オーストラリア本土の陽性者数が急増し、渡航制限が発令され、それに伴ってオーストラリア人の海外旅行に対する関心もこのタイミングで激減しています。

第1波のピーク時に、旅行関心度は第1波前の半分以下の水準まで落ち込みました。

その後、オーストラリアの政府は外国人の入国制限や住民の外出規制といった早期措置をとったため、3月下旬から今度は陽性者数が急激に減少します。

そして、陽性者数の減少と連動するかのように、海外に対する旅行関心度は上昇しています。

続いて6月になると、外出規制の緩和とアメリカ発端の人種差別抗議デモの広がりによってか、陽性者数が再び急増し、感染第2波と呼べるような現象が観測されました。

それと呼応するかのように、海外への旅行関心度は再び低下し、7月は低迷状態にありました。

そして、8月に入り第2波が収束しはじめ、オーストラリア人が再度海外旅行に対し関心を持ちはじめたように見えます。

こうした傾向を踏まえると、オーストラリアでは陽性者数が増加トレンドにあると海外への旅行関心度は下がり、陽性者数が減少トレンドにあると海外への旅行関心度が高まっていたと推測できます。

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感染拡大前は日本が1位、第1波収束後はフランスが急上昇

1月から3月の感染拡大前に、オーストラリア人は日本、カナダ、中国、フランス、シンガポール、タイといった目的地のなかで、日本への旅行関心度がもっとも高いことがデータからわかります。

ただし、その後日本への旅行関心度が落ち続け、第1波のなかフランスに逆転され、第1波収束後フランスへの旅行関心度が急上昇しました。

その理由を正確に突き止めることは難しいものの、フランスでは5月当時、段階的に規制緩和が行われており、オーストラリア人がそれを見据えてフランス旅行への期待が高まり、旅行サイト上でフランス関連の情報に多くアクセスしたのではないかと推察されます。

旅行は近隣エリアから再開する傾向、足元は日本への関心がもっとも高い

8月に入ると、オーストラリア国内の感染状況が落ち着きを見せはじめ、海外への旅行関心度も回復しつつあります。

8月16日の週時点での推移を見ると、旅行関心度が最も高い国が日本であり、次いでフランス、タイ、シンガポールといった順となっています。

上位国に東アジアと東南アジアといった国が多いのは、新型コロナウイルスの感染状況が比較的落ち着いていることが可能性として考えられます。

また、8月に入ったタイミングで日本への旅行関心度が再び1位となった理由は、冬の訪日旅行を検討するオーストラリア人が動き出したのではないかと考えられます。

日本とは季節が逆となるオーストラリアは12月〜1月の年越しや夏休みを使って日本でウィンタースポーツや温泉などの冬の風物詩を楽しむ人が多くいます。

実際に2019年のオーストラリア人の月別訪日外客数では、訪日オーストラリア人の約25%が1月と12月に集中していることが分かります。

8月は、今年12月〜来年1月の日本旅行に向けてまさにおおまかな訪問地を選んだり、航空会社や宿泊先を探したり、観光名所やアクティビティなどを検索したりしている旅マエ」段階に当てはまります。オーストラリア人の日本旅行への関心が高まっている今、旅マエへのプロモーションのチャンスといえそうです。

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訪日旅行意欲が高まるオーストラリア人

今回のグラフから、オーストラリアにおいて陽性者数の増減につれ旅行関心度が変化し、両者が相関関係にあるようにみえます。

また直近の傾向では、オーストラリア人は日本への旅行関心度がもっとも高く推移しており、今年12月〜来年1月の訪日旅行を検討しているようにもうかがえます。

今後、引き続き新型コロナウイルスの感染状況を鑑みつつ、訪日オーストラリア人のインバウンド回復に備え、今のうちに彼らのニーズを踏まえた旅行商品の造成とプロモーションの準備を進めることが求められるでしょう。(データ提供協力:Amobee Japan

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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