韓国国内で苦しむ親日派と韓国人同士の溝|歴史的背景や政治問題、インバウンドへの影響

公開日:2019年12月27日

韓国と日本は古くから交流を持ち、互いに文化的にも政治的にも強く影響し合ってきました。

近年ではLCCの台頭により、航空券が安価で購入できるようになったことも追い風となり、身近な海外旅行先として認識されていると言えます。

しかし歴史的・政治的な原因により日韓関係は不安定な要素をはらんでいます。

今後、韓国人向けインバウンド対策どのような対策をすれば良いのか、韓国には本当に親日家がいるのかについて解説します。

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韓国人に親日家はいるのか?

ニュースでは日本国内での嫌韓の風潮や、韓国での反日デモの様子などがよく映し出されています。

そのため日韓関係は悪化の一途をたどっているように感じますが、実際に韓国からの観光客数にこれらの政治情勢が影響しているのも事実です。

不買運動にくるしむ親日派

一部メディアで報道されているように、現在韓国では日本製品の不買運動が行われています。

不買運動の発端は、日本政府が韓国に対して化学製品3品目などの輸出管理を強化する政策を打ち出したことにあります。

もちろん中には日本好きの韓国人もおり、不買運動に反対している人たちにいます。

この風潮に抗議しようと日本製品を取り扱っているお店もありますが、それらの店舗で売上に影響がでるなどの問題も起こっています。

日韓関係の溝は歴史解釈や教育が根底にある

日韓関係がこれほどまでに複雑になっている原因の一つに、韓国での歴史教育の在り方が挙げられます。

幼少期から偏った見方をした歴史教育を受けることで、日本に対する敵対心や反感を持つことにつながっています。

これは韓国に限らずどこの国でも起こり得ることで、それぞれの立場から見た都合の良い解釈のみを歴史として認識してしまうことに問題があります。

ただし韓国の特に若い層の中では、文化的交流を通して過去ではなく現在の互いの友好関係を目指すことにフォーカスしている人が増えているようです。

訪日韓国人インバウンド状況

このような政治情勢の中にあっても、訪日外国人インバウンド市場の中で、韓国人の占める割合は大きいのが実情です。

移動時間が身近くて済むことや移動費が比較的安いことなどもあり、韓国からの観光客数は中国に次いで全体の2位となっています。

韓国人の訪日目的やどのような形態の滞在が好まれているかなど、詳細について触れていきます。

訪日韓国人は毎年増加!

韓国からの訪日観光客数は、2015年頃から急激に伸長しました。

2018年の訪日韓国人の総数は7,538,952人であり、2014年から比較すると2倍以上にまで伸びているのがわかります。

訪日韓国人の特徴は、複数回にわたって日本を訪れる傾向にある中国人、香港人観光客に比べてリピーターが少ない点にあります。

また、平均的な宿泊日数は2.8泊であり、他の訪日外国人観光客に比べると短い傾向です。

距離が近く気軽に来られる反面、週末などの短い休みで訪れる傾向が強いとも考えられます。

訪日韓国人の消費額は5,881 億円

全体の消費額は5,881 億円にのぼりますが、訪日外国人で最も大きな割合を占める中国人、台湾人、香港人に比べると、全体としての消費金額は多くはありません。

その合計金額のうち宿泊費が最も大きな割合を占めており、支出全体の約32%に当たる1,880億円でした。

その次に大きな割合を占めたのは買い物代で、1,626億円であり、全体の約28%でした。

また、訪日韓国人観光客のひとりあたりの支出は78,084円となりました。これは平均滞在日数が短いことも一つの要因に挙げられます。

韓国人に人気のモノや日本文化

日本を訪れた観光人は、様々なお土産を買っていきます。特に、お菓子や化粧品、医療品などの、日常生活に密着したものがよく購入される傾向にあります。

お菓子の中では、抹茶味のものが人気でお土産で配布しやいような個包装のものが特に人気です。

また、J-POP関連のグッズを購入する人だけでなく、日本のアニメやドラマに関するグッズもお土産として購入されています。

中には、ロケ地を巡るという目的で日本を訪れる人もいるほど、韓国人観光客にとってはアニメやドラマは訪日の大きな動機になっているようです。

特に若者を中心に観光に関する情報はSNSやポータルサイトを経由して入手する傾向が強く、訪日韓国人インバウンド対策には、SNS戦略は重要であると言えます。

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政治対立が観光に影響している日韓関係

年々観光客数は増加傾向にあるとはいえ、日韓関係における政治対立が観光客数に大きな影響を与えているのも否定できません。

不買運動の中には日本への旅行をキャンセルするという運動もあり、インバウンド誘致を行うには複雑な状況に置かれています。

7月の訪日韓国人は前年同月比7.6%減

7月における訪日韓国人の数は56万人でしたが、前年同月比で7.6%減でした。

また、大韓航空が8月に日本便6路線の追加運休を発表しました。

これは両国間の関係悪化にともなう需要の減少に対応したもので、代わりに他のアジア諸国への便を拡大する決定がなされました。

同様に不買運動が影響し、JTBの予約サイトを通じた日本における韓国人の宿泊数は7月に前年同月の半分まで落ち込みました。

日韓関係の悪化が旅行者にも影響

韓国を訪れる日本人観光客にも、これらの政治対立の激化の影響が出ています。

具体的にはソウル市内の繁華街・弘大前で日本人女性が韓国人の男に罵声を浴びせられ、髪をつかまれるなどの暴力を受ける事件が発生しその事件の一部始終がSNSで拡散され大きく話題となりました。

日本と韓国の軍事的な機密をお互いに守ることを取り決めた日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄が、韓国政府によって宣言されたことも、世界に大きな衝撃を与えました。

政治上の対立は深まっているように見える両国ですが、個人間においての交流はもちろん盛んにおこなわれており、文化交流が懸け橋となり密接な関係性は依然として続いていると言えます。

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劇場版「ドラえもん」の公開が事実上無期限延期

文化的な交流にも、政府による統制が開始されようとしています。

日韓関係の悪化に伴い、日本映画を韓国国内で放映することはふさわしくないという判断が下されました。

その影響で劇場版「ドラえもん」の公開が事実上無期限延期が決定されました。

韓国では、「ドラえもん」は「トンチャモン(동짜몽)」と名前を変更して公開されており、韓国人の女優が日本に来て初めて「ドラえもん」が日本のアニメだということを知ったと発言したことも話題になりました。

このような「日本隠し」が韓国では日常的に行われてきたために、オリジナルは韓国にあると思っている人も多く反日感情を煽る原因の一つになることもあるようです。

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韓国とのつながりはインバウンド市場に大きな影響を与える

韓国は船舶でのアクセスが可能なことや格安航空券が充実したこともあり、比較的手軽に呼び込みができる国です。

しかし隣接した国であるがゆえに日本と韓国には歴史上複雑な関係性があり、それらに端を発した政治的対立が訪日観光客の需要を考える上で大きな不安要素になっています。

一方で、K-POPやアニメ、ドラマなどの若者文化を中心に政治情勢に左右されない強固な結びつきを持ちつつあるというのも、昨今の両国の文化交流の中で見て取れます。

趣味やポップカルチャーと言った政治とは離れた場所での韓国からの日本への関心を促進していくことが、インバウンド需要を持続させるためにひとつの鍵になると考えられます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!