ディスカウントストアはどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、ディスカウントストアが地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、ディスカウントストアの地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- ディスカウントストア×地方誘致・地方創生事例その①:幅広い訪日外国人対応が目立つ「ドン・キホーテ」
- ディスカウントストア×地方誘致・地方創生事例その②:早い段階から訪日外国人向け対応を始めた「多慶屋(たけや)」
- ディスカウントストア×地方誘致・地方創生事例その③:海外からの輸入ビジネスである点が自然と話題になっている「コストコ」
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、ディスカウントストアという業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「展示会出展サポート」の資料を無料でダウンロードする幅広い訪日外国人対応が目立つ「ドン・キホーテ」
総合ディスカウントストアとして、日本で最も有名なのは「ドン・キホーテ」だと言えるでしょう。1号店が誕生したのは東京都府中市で、その名も「ドン・キホーテ府中店」。当時は本社も府中市にあり、その後総合ディスカウントストアとして発展していきます。2013年に商号を株式会社ドンキホーテホールディングスへ変更、持株会社体制に移行。同年8月に設立した新会社に会社分割で事業を承継し、新会社が株式会社ドン・キホーテの商号を継承しています。店舗の営業時間は24時間または深夜までとなっている店舗が多く、幹線道路沿い、都心、駅前、地方など様々な場所に出店しており、2017年時点でグループ全体で368店舗という店舗数となっています。
充実した訪日外国人対応
訪日外国人にも大きな人気を誇る「ドン・キホーテ」ですが、その人気の理由が、お土産などに最適な様々な商品、市販薬、パーティーグッズなど色んな商品が大量にあること、そして価格が安く免税対応していること、24時間営業、年中無休でいつ行っても開いていること、都心はもちろんのこと、地方でも主要都市部にあるため、行きやすいことなどが挙げられます。インバウンド対策としてはしっかりとした多言語対応として店内POP、アナウンス、スタッフ、WEBサイトも英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語などに対応、免税対応、外国人専用カウンターを設け、様々な支払い形態への対応、フリーWi-Fiの導入など、訪日外国人向けの鉄板とも言える対応をしっかりと行っています。こういったサービスを全国津々浦々まで行っているからこそ、多くの訪日外国人に支持されているのだと言えるでしょう。
早い段階から訪日外国人向け対応を始めた「多慶屋(たけや)」
戦後に質屋として開業した「多慶屋(たけや)」は、東京都台東区台東四丁目にある総合ディスカウントストアで、春日通りと昭和通りが交差する仲御徒町交差点の一角にのみ、8つの店舗を構えています。厳密には地方の事例とは言えませんが、その取組は地方でも取り入れることができるものであるため、事例としてご紹介しましょう。現在「多慶屋(たけや)」が取り扱うのは家電製品、パソコン、衣料品、時計宝飾、食品、酒、日用雑貨、スポーツ用品、医薬品、家具、化粧品、文房具などあらゆる商品で、その数は合計で19万点以上。そして取り合う商品はそれぞれ商品別ごとに扱う店舗が異なるなどの特徴があります。これにより接客、販売戦略、売場レイアウトづくり、在庫管理などの効率化に役立っているというわけです。また、「多慶屋(たけや)」の特徴としては、店舗がコーポレートからーの紫色であることで、遠くからでもひときわ目立つ店舗となっています。
早い段階から訪日外国人向け対応を始めた
「多慶屋(たけや)」のインバウンドの取り組みとしては、2008年に訪日中国人が多く利用する銀聯カードの取り扱いを開始、2015年12月には中国のアリババグループが提供する決済サービス「アリペイ」を早い段階から導入。また免税対応も進めるなど、訪日外国人の利便性を追求してきました。わかりやすい売り場づくりとこうした時代を見据えた訪日外国人対応が功を奏し、国内はもとより、海外からも多くの訪日外国人が訪れています。
海外からの輸入ビジネスである点が自然と話題になっている「コストコ」
「コストコ」はアメリカ合衆国に本社を置くウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型卸売小売)チェーンで、本社はワシントン州シアトルにあります。今ではこうした店舗形態に対する驚きは国内でもなくなってきましたが、「コストコ」は入荷したままのパレットに乗っている商品を大型の倉庫に並べて販売することで、管理コスト、陳列コスト、人件費などを抑え、そこで浮いた部分を価格に還元するというコンセプトで始まりました。
特徴的なのは年会費形式の会員制であることで、日本ではビジネスメンバー(法人会員)、ゴールドスターメンバー(個人会員)が存在し、こうした会員カードが無いとそもそも店舗で買い物ができないというビジネスモデルです。また、日本国内では新規顧客獲得のために、雑誌などに一日体験入場券がついていることもあります。
海外からの輸入ビジネスである点が自然と話題に
「コストコ」の場合は元々海外から日本市場で展開しているサービスということで、訪日外国人対策をさほどせずとも、「日本のコストコでは何が売っているんだろう?」という物珍しさから集客が上手く行っています。実際にこうした「何が売っているんだろう?」という疑問に答えるために、多くのYouTuberが「海外のコストコと日本のコストコを比較してみた」という趣向の動画を多数アップロードしており、業務用商品があること、巨大サイズのマヨネーズ、また寿司などが話題となっています。こうしたコンテンツの力で自然と拡散されるという域まで来れば、インバウンドの地方誘致に関しても対応もさほど苦労しないであろうと言えるでしょう。