温泉・スパリゾートはどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、温泉・スパリゾートが地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、温泉・スパリゾートの地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 温泉・スパリゾート×地方誘致・地方創生事例その①:山形県米沢市の「小野川温泉登府屋旅館」のSNS・ソーシャルの活用
- 温泉・スパリゾート×地方誘致・地方創生事例その②:長野県軽井沢に本社を置く「星野リゾート」のSNS・ソーシャルの活用事例
- 温泉・スパリゾート×地方誘致・地方創生事例その③:インスタ映えする写真を投稿する石川県七尾市和倉温泉に本社を置く和倉温泉「加賀屋」
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、温泉・スパリゾートという業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「展示会出展サポート」の資料を無料でダウンロードする山形県米沢市の「小野川温泉登府屋旅館」のSNS・ソーシャルの活用
山形県米沢市の「小野川温泉登府屋旅館」では、Twitter、Instagram、Facebook、ブログの4つのSNSを使い分けたユニークなマーケティング方法が話題を呼んでいます。実際にブログを覗いてみると、目的によってきちんとSNSを使い分けながら、地方誘致に活用しています。
- ブログ
- 旅館、観光、車いす旅、経営、マーケティングなど情報をまとめて、蓄積する場
- Facebook
- 旬のネタ、すぐにお知らせしたいことを伝える場 親しいお友達と交流する場
- ツイッター
- 格言のような気づきのひとことをつぶやく場 有名人と交流する場
- インスタグラム - 風景や食事など、きれい系の写真を見せる場 海外の方と交流する場
- はてなブックマーク
- 気になる記事をブックマークし、ツイートする場
これらのSNSを運営しているのは、小野川温泉の若ダンナこと遠藤さん。登府屋旅館に関するあらゆる情報をブログから発信、さらにブログを軸にしてFacebook、Twitter、InstagramといったSNSはもちろんのこと、さらにYouTube動画なども活用しています。
小野川温泉登府屋旅館を会場として開催しているSNSや動画の活用方法を教えるセミナー、そしてこうしたセミナーに関する記事、さらにはクラウドファウンディングの立ち上げ、その実施報告など。さらには、小野川温泉登府屋旅館を運営する上で、どのようなことを考え、悩み、またSNSなどの新しいPR方法を取り込んで活用しているのか?といったコンテンツを更新し続けています。
すべての業界においてSNSは一番効果的なプロモーション活動だと言われている昨今。しかし、SNSをうまく活用できずに地方誘致に頭を抱えるマーケティング担当者や店舗にとって、「小野川温泉登府屋旅館」のSNS活用法はロールモデルになっています。
長野県軽井沢に本社を置く「星野リゾート」のSNS・ソーシャルの活用事例
全国に旅館やリゾートホテルを展開する株式会社星野リゾートでは、FacebookやInstagramを活用した集客に成功しています。運営するオウンドメディアです。
星野リゾート全体でFacebookを持っており、Twitterアカウントは一部施設ごとに持っています。Facebookページでの発信内容は、宿周辺のイベント情報、新施設のオープンやリニューアル情報の案内などです。
2017年5月からアカウントを開設したInstagramでは、星野リゾートに宿泊した際の写真を掲載しているフォロワーの方の写真のリポストもしつつ、宿や宿周辺の美しい光景を発信しています。
さらに、「大人の自由な一人旅というオウンドメディアも運営しています。「一人旅」というキーワードで検索すると上位に表示されるこちらのコンテンツでは、エリアやジャンル別におすすめの一人旅プランが紹介されています。
「旅の効能」というオウンドメディアも運営。旅の効能は、星野リゾート代表の星野佳路氏が、各界の著名人と対談するコンテンツです。対談相手は三ツ星シェフ、歌手、Airbnb Japanの代表取締役などさまざまで異業種の方がほとんどですが、どの対談も観光・旅などのテーマをもとに実施されています。
書籍も出版しており経営者として露出の多い、星野氏が代表だからこそ制作できるコンテンツであり、対談を通して読者に新たな知見や発見を与えつつ、タイトルどおり旅の効能を伝えるメディアです。
各記事の下部には、サムネイル付きでバックナンバーが並べられています。さらにその 下部のリンクからは、「場所」「目的」「旅のスタイル」などから、星野リゾートの施設を検索できるページへのリンクが掲載されています。
インスタ映えする写真を投稿する石川県七尾市和倉温泉に本社を置く和倉温泉「加賀屋」
石川県七尾市和倉温泉に本社を置く加賀屋は、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で30年以上日本一に輝き、客室は20階建ての雪月花、12階建ての能登渚亭、9階建ての能登客殿、8階建ての能登本陣の4棟で構成された全232室を誇る大規模な温泉宿です。
創業は1906年と100年を超える歴史があり、こうした背景もあって館内の至るところに石川の伝統工芸品が飾られています。また施設内の広大なスペースでは琴の生演奏が楽しめるラウンジ、能舞台、シアター、朝市など館内にいながら様々な楽しみかたが可能です。また「加賀屋」では、開湯1200年の歴史ある和倉温泉の名湯を堪能できることも特徴です。高温で豊富な湯量を誇り、リューマチ、神経痛、痛風、婦人病、アトピーなどに効能があります。
空中露天風呂、巨大な大浴場など様々なお風呂を堪能できます。また海の幸が有名な石川県の能登半島にあるだけあって、食事の美味しさには定評があり、伝統的な日本の旅館ならではのきめ細やかな接客も、「また来たい」と思わせるものです。この加賀屋では、現時点でFacebook、Twitter、InstagramといったSNS・ソーシャルを運用。
プランの紹介、異なるスタッフによる周辺の観光情報や施設の紹介、加賀屋オリジナル商品の紹介、避難訓練など日々の業務紹介、宿泊施設内にある豪華な調度品などの紹介となっています。いずれの投稿も綺麗な写真、わかりやすい説明文などによって、平均的に100件以上の「いいね!」がついており、シェアやコメントもしっかりとついています。SNS・ソーシャルを運営する上で重要になる定期的な更新に関しても、ほぼ毎日更新されており、日々の積み重ねによってファンを離脱させない試みとなっています。
このほか、InstagramやTwitterも活用し、館内トピックスや地域イベントなどを写真付きで紹介し、外部への積極的なアプローチをおこなっています。