地方自治体はどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、地方自治体が地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、地方自治体の地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 地方自治体×地方誘致・地方創生事例その①:西日本鉄道の訪日外国人専用の乗車券「MARUTTO FUKUOKA(まるっと福岡)」
- 地方自治体×地方誘致・地方創生事例その②:静岡総合観光案内所で無料高速通信が可能なWi-Fi貸し出しサービスを開始
- 地方自治体×地方誘致・地方創生事例その③:Wi-Fiと翻訳の両方を実現!城崎温泉のインバウンド獲得IT活用
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、地方自治体という業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「展示会出展サポート」の資料を無料でダウンロードする西日本鉄道の訪日外国人専用の乗車券「MARUTTO FUKUOKA(まるっと福岡)」
西日本鉄道が訪日外国人専用の乗車券「MARUTTO FUKUOKA(まるっと福岡)」を2017年1月から発売しています。福岡市内を走る路線バスに何度でも乗り降りできる「福岡市内1日フリー乗車券」に、人気の観光地太 宰府・柳川にもアクセスできる「西鉄天神大牟田線(太宰府線・甘木線含む)全線1日フリー乗車券」をセットにしているそう。
訪日外国人専用の乗車券ということもあり、英語、韓国語、簡体字、繁体字に対応。訪日外国人の不満第3位の言語バリアをうまく取っ払っています。価格も大人2,00円、小児1,000円とリーズナブルなので、福岡に訪れる外国人はこれ一つで福岡エリアをまるっと楽しめます。
電車の乗り継ぎや駅の構内案内図は、日本人でもわからないことがあるもの。路線図が複雑な上、降りる場所によって料金も変わってくるため、日本語がわからない訪日外国人にとって嬉しいサービスです。
静岡総合観光案内所で無料高速通信が可能なWi-Fi貸し出しサービスを開始
首都圏ではWi-Fi環境が整備されてきたものの、面倒な登録が必要な場合もあったり、地方ではそもそもWi-Fi環境が整備されていなかったりするため、インバウンド対策がまだまだ行き届いていないのが現状。
訪日外国人にとって、わからないことをその場で調べられるインターネットへのアクセスはとても重要です。
こうした訪日外国人の「困った」を解消するべく、静岡市では、ビジョンと業務提携し、訪日外国人へWi-Fiルーターを貸し出す取り組みが行われています。
訪日外国人は、静岡総合観光案内所で申し込み、ルーターの受け取りができ、移動しながら高速通信を利用することができます。
また、一度借りれば静岡県内だけでなく全国で使用可能で、かつビジョンが運営している空港カウンターで返却できます。静岡を訪れるついでにWi-Fiを借りて、静岡以外の土地を訪れ、帰国時にご利用の空港カウンターで返却する、といった返却方法が可能です。
同様の取り組みは高知県でも行われており、現在、23箇所の観光案内所や施設などで展開していて、さらに追加展開をしていく予定のようです。
Wi-Fiと翻訳の両方を実現!城崎温泉のインバウンド獲得IT活用
風情のある温泉街でも、外湯の場所を調べるときや近くの飲食店を探すとき、気軽にインターネットに接続できたら非常に便利です。
城崎温泉のある兵庫県豊岡市では、訪日外国人限定でWi-Fiのアクセスポイントを市内40箇所に設置しており、外湯やメインストリートなどで使用できます。外湯めぐりの際に位置確認のためグーグルマップを使ったり、外湯の料金を確認したりできるので、訪日外国人からの需要は高いと言って間違いありません。
さらに、アクセスポイントの接続状況のデータを旅行者の導線分析に使用しているとのこと。この分析によって旅館などの店舗では営業時間を見直すといった対策が取れるので、より訪日外国人への柔軟な対応が可能になります。 また、城崎温泉では2016年4月、クラウドソーシングでの在宅ワーカーを活用した動画チャットでの翻訳サービスの実証実験が行われるなど、インバウンド対策で先進的な取り組みを多くおこなっています。
訪日外国人の母国語すべてに対応した通訳人材を雇うのはコストの面でも難しいので、クラウドソーシングを活用した取り組みはコストを抑えるという意味でも大奥のインバウンドマーケティングでも取り入れたいサービスです。日本全体のインバウンド向け施策に活かせる事例となるのではないでしょうか。