電車・鉄道はどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、電車・鉄道が地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、電車・鉄道の地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 電車・鉄道×地方誘致・地方創生事例その①:東武鉄道は多言語に対応したWebサイトを開設
- 電車・鉄道×地方誘致・地方創生事例その②:南海電鉄が関空から大阪のホテルまで手荷物配送サービスを開始
- 電車・鉄道×地方誘致・地方創生事例その③:訪日外国人向けのパスを発売!「小田急電鉄株式会社」
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、電車・鉄道という業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「展示会出展サポート」の資料を無料でダウンロードする東武鉄道は多言語に対応したWebサイトを開設
東武鉄道では、東武沿線における東武グループ施設や観光情報を集約し、多言語で紹介するインバウンド向けのウェブサイト「TOBU JAPAN TRIP」を開設しています。
東武グループでは、これまでもグループ各社でウェブサイトの多言語化を進めてきたほか、FacebookやInstagramなどのSNSを活用した情報発信を訪日外国人に向けたプロモーション活動に力を入れてきました。
東武沿線を中心としたグループ施設41施設を集約し、6言語(英語、中国語、タイ語、韓国語、日本語)で紹介するウェブサイトを開設。開設するサイトでは、東武グループの各施設やおすすめの観光情報を、観光や食事といったカテゴリー やモデルコースから検索できるほか、東武グループの各種SNSとも連携した季節感のある情報も併せて発信しています。
また、関連自治体の多言語ウェブサイトなどとも積極的に連携を図るほか、パソコンやスマートフォンといった様々な端末に対応することで、訪日外国人をはじめとする旅行者が関東を中心に広がる東武グループ事業エリアを観光する際に便利で役立つウェブサイトを目指しています。
東武グループでは、今後も訪日外国人をはじめとするお客さまへの情報発信基盤の強化を進め、東武グループ事業エリアの知名度向上や魅力の周知による地域活性化を目指す取り組みです。
南海電鉄が関空から大阪のホテルまで手荷物配送サービスを開始
大阪から和歌山・高野山方面をつなぐ鉄道会社である南海鉄道株式会社は、訪日外国人向けに手荷物配送サービスを開始しました。訪日外国人の利用が多い関西空港から大阪市内のホテルまで訪日外国人の手荷物を配送。 決済手段としてWeChat PaymentやAlipayなど中国で広く普及しているサービスを導入し、中華圏出身の訪日外国人の利用も促します。
同様の手荷物配送サービスは。関西空港で複数社が実施していますが、南海電鉄が自社のサービスを導入することで、訪日外国人に南海電鉄を利用してもらい、関西空港周辺のみならず広い範囲を周遊してもらう ことが狙いの一つとなっています。
手荷物配送サービスを開始することで訪日外国人は関西国際空港に到着後、手ぶらで観光できるようになります。こうした手荷物なしの観光形態は 「手ぶら観光」 と呼ばれ、近年のインバウンド業界で注目を集めています。
空港や駅など主要な交通拠点に訪日外国人の手荷物を預けるカウンターを設置し、預かった手荷物をホテルや旅館など訪日外国人が宿泊する場所に配送することによって、訪日外国人は手ぶらで観光できるというもの。
重たい手荷物を持ちながらの旅行は苦痛であるため、手ぶら観光を整備することは、訪日旅行の満足度の向上 にも間接的に貢献が期待されています。また、訪日外国人に都会から離れた地域なども周遊してもらえるため、地方誘致にもつながります。
訪日外国人向けのパスを発売!「小田急電鉄株式会社」
訪日外国人に人気の 訪日外国人専用の割引周遊券 を複数発売しています。2017年12月から発売を開始した「箱根鎌倉パス HAKONE KAMAKURA PASS」は、新宿、下北沢、町田など多彩な東京の町を楽しめる他、箱根、江の島・鎌倉など関東を代表する観光地を満喫できます。
「箱根鎌倉パス HAKONE KAMAKURA PASS」は、小田急線全線のほか、箱根登山電車、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイ、箱根海賊船、小田急箱根高速バス(指定区間)、箱根登山バス(指定区間)、観光施設めぐりバス(箱根登山バス)、東海バスオレンジシャトル(指定区間)の8つの乗り物、江ノ島線全線が乗り放題に。
また、2017年8月から発売している箱根からも見える富士山の観光を楽しむための「富士箱根パス」は、訪日外国人に非常に人気の高い富士山、そして箱根エリアを周遊できます。
特に箱根、富士山を一度に周遊できることから東アジア、東南アジアからの訪日外国人から人気を集めています。
箱根登山電車、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイ、箱根海賊船、小田急箱根高速バス(指定区間)、箱根登山バス(指定区間)、観光施設めぐりバス(箱根登山バス)、東海バスオレンジシャトル(指定区間)の8つの乗り物の他、富士急行線と富士急バスの一部エリアで乗り降り自由となる他、富士箱根パスの提示により、箱根エリア50施設以上、富士山エリア40施設以上の、合計90施設以上での優待特典付きです。