テーマパーク・観光施設はどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、テーマパーク・観光施設が地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、テーマパーク・観光施設の地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- テーマパーク・観光施設×地方誘致・地方創生事例その①:チャンバラで地方創生!岐阜県可児市の「戦国城跡巡り事業–可児市の乱–」
- テーマパーク・観光施設×地方誘致・地方創生事例その②:地方活性化に成功:長崎オランダ村
- テーマパーク・観光施設×地方誘致・地方創生事例その③:東京ディズニーリゾート:インバウンド獲得を視野に敷地を大幅拡張
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、テーマパーク・観光施設という業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
テーマパーク・観光施設の地方誘致・地方創生に関連するインバウンド対策資料を無料で詳しく見てみる
「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「展示会出展サポート」の資料を無料でダウンロードするチャンバラで地方創生!岐阜県可児市の「戦国城跡巡り事業–可児市の乱–」
数ある地方創生のなかでも、ユニークな取り組みを見せるのが、岐阜県可児市の「戦国城跡巡り事業–可児市の乱–」。斬られても痛くないスポンジ刀を使った「チャンバラ合戦–戦 IKUSA-」を目玉とし、遊びのなかで市内10カ所の城跡を覚えてもらう取り組みを行っています。
もともと史跡や歴史に興味のある人を誘致するだけでなく、老若男女が楽しめる「チャンバラ合戦–戦 IKUSA-」を通して、これまで歴史に興味がなかった人に対しても興味や愛着を喚起させます。
可児市とNPO法人ゼロワンと株式会社Tears Switchとの協働実施。「チャンバラ合戦–戦 IKUSA-」は、NPO法人ゼロワンが開発したアクティビティで、「世界一平和な戦」として簡単なルールで老若男女や国籍を問わずに遊ことができます。 「チャンバラ合戦–戦 IKUSA-」はただの遊びでなく、チームワークを生かして戦略的に楽しむこともできるため、企業の社内研修にも導入されています。大手企業での開催実績もあり、大人から子どもまで幅広い層が夢中になれるアクティビティです。
「戦国城跡巡り事業–可児市の乱–」では、可児市の城跡を活用し、より本格的な合戦を実現。体験型の遊びやワークショップに特化し、市内1万人以上の参加を目標としています。
地方活性化に成功:長崎オランダ村
長崎オランダ村は1983年、長崎県西彼町(現西海市)に開園。しかし2001年に閉園し、その後は西彼町(現西海市)が跡地を購入し、以下のように跡地利用プロジェクトが進められてきました。 2004年には、内閣府地方創生推進室の地域再生計画を用いて、行政と民間事業者が連携した再生計画がスタートしました。
「地場産業の活性化」「地域雇用の拡大」「文化創造」「福祉教育などの先進的まちづくり」の実現を目指し、地域活性化につなげることを目標に掲げ、2009年には跡地を「商業ゾーン」「福祉ゾーン」「公共ゾーン」の3つに分割し活用する計画を西海市が発表。そして2010年に西海市役所西彼総合支所と長崎県央振興局農林部西海事務所を跡地に移転し、2012年には西海市が公園として跡地を公開しています。
さらに2014年に、長崎バイオパークなどの地元企業で構成される新法人が一部跡地を管理・運営することを西海市は決定し、2016年春に新施設がオープンする予定です。また、ハウステンボスによる跡地利用の構想も進んでいます。
西海市の観光客数はピーク時に比べ半減しており、長崎オランダ村跡地の再活性化を課題としています。そして長崎オランダ村の知名度を利用した観光振興を図り、観光・物産情報を発信する拠点とするなどの新たな活用を目指しています。
東京ディズニーリゾート:インバウンド獲得を視野に敷地を大幅拡張
2017年に、テーマパークを運営する株式会社オリエンタルランドが、東京ディズニーリゾート(TDR)を大幅に拡張する方針を固めたことを発表。
現在の敷地は約100ヘクタール。用地確保のために、既存の駐車場を立体化して空いた敷地を新たなエリアとして活用するほか、隣接地を買収して2020年代前半に約3割広げる計画です。投資額は3千億円規模に上るとみられています。
事実上の第三のテーマパークと位置付けて新たなキャラクターや大型アトラクション施設を導入し、インバウンドを意識して日本的なテーマを取り入れることも検討しているそう。
TDRの2016年度の入園者数は約3千万人と2年連続で減少。一方、株式会社ユー・エス・ジェイが大阪市内で運営するユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、2016年度までに3年連続で過去最高を更新しています。上海や香港でもディズニーランドが開業し、テーマパーク間の競争が激化する中、TDRは独自色を強め、今後も増加が見込まれる訪日外国人の取り込みを狙う見込みです。