ディスカウントストアはどうやってデータをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、ディスカウントストアがデータをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。データ活用におけるディスカウントストアのプロモーションの成功事例では、インバウンドに関連するデータを、収集し解析することで効果的なインバウンド対策を実施できているようです。
このページでは、ディスカウントストアのデータのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- ディスカウントストア×データ活用事例その①:ディスカウントストアの多慶屋、経営管理基盤にクラウド版Hyperionを採用
- ディスカウントストア×データ活用事例その②:ドンキホーテHD、既存店舗を活用した「宅配ロッカー」と「フリースペース」を提供する新サービスの試験運用開始
- ディスカウントストア×データ活用事例その③:ビッグデータを活用したアマゾンの戦略
ディスカウントストアのインバウンド対策やインバウンド集客では、データ活用をすることで効率的かつ効果的に施策を行えます。どこの国からのインバウンドが多いのか、消費額が多いのは国籍・年代含めどんな人なのかということは、対策を講じたりターゲットをしぼったりする上で非常に重要です。そして、それはイメージや体感ではわかりません。なんとなく中国人が多いかな、と思っていたら実は最も多いのは韓国人だった、ということもあるでしょう。正しいデータ活用をすることで、最も注力すべきはどこなのかということがわかってきます。体感ではかるよりも正確に、そして効率的に施策を行えます。
ここでは、ディスカウントストアという業界・業種におけるデータ活用のプロモーション事例を紹介していきます。
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多慶屋は、東京都内の御徒町を中心に10店舗を構える老舗の総合ディスカウントストア。薄利多売が一般的な業界において収益性を確保するには、アイテムごとの仕入れ・販売管理などを徹底し、値引きの目玉商品をタイミング良く展開したり、動きが鈍い商品が出ないように陳列を随時見直したりといったキメ細かい施策が欠かせない。こうした活動を支えるために、予実管理や管理会計指標の把握などに努めてきた同社ですが、その実態は表計算ソフトに頼ったもので、いくつかの課題を抱えていました。具体的には、管理業務が属人化してしまっていること、度重なる組織変さらに追随しきれないこと、実績管理サイクルをこれ以上短期化するのが困難なこと、など。
同業他社との市場競争が激しくなっていることもあり、新たな経営管理基盤を整えることが不可欠と判断、新システムの導入へといたりました。導入したのは、「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」。これは、経営管理ソリューション「Oracle Hyperion」に含まれる予算管理モジュール「Oracle Hyperion Planning」をSaaSとして提供するも。多慶屋は、初期コストを抑えて月額課金で利用できること、導入~本稼働までに時間がかからないこと、日々の運用管理の手間がかからないこと、などを評価して採用を決めた。経営管理システムのコンサルティング事業を手がけるジールがプロジェクトを支援しています。
ドンキホーテHD、既存店舗を活用した「宅配ロッカー」と「フリースペース」を提供する新サービスの試験運用開始
株式会社ドンキホーテホールディングスは、既存店舗を活用した「宅配ロッカー」と「フリースペース」を提供する新サービスの試験運用を開始しました。ネット通販の拡大を主因として、国内の荷物取扱量が急増するとともに、近年の核家族化や単身世帯の増加による再配達の需要が高まり、物流における“ラストワンマイル”が社会問題となっています。ドン・キホーテは店舗運営と商品施策に基づく独自のスペース創造により、「必要な物を、必要な時に買う」だけではなく、お買い物自体を楽しむ「時間消費型店舗」というビジネスモデルを確立しています。この度、お買い物の時間消費に加え、新たなスペース創造による「宅配ロッカー」を兼ね備えたシンプルな「フリースペース」の提供を開始し、社会問題への対応とお客さま個人の有効な時間消費をサポートします。
2018年7月9日(月)からの「MEGAドン・キホーテ ラパーク成東店(千葉県山武市)」での試験運用を皮切りに、多店舗展開に向けた検討を開始します。今後もドン・キホーテグループは「顧客最優先主義」の企業理念のもと、お客さまにお買いものの『ワクワク・ドキドキ』を提供する店舗空間の創造に努めるとともに、企業の社会的責任の実践に努めていくとのこと。
ビッグデータを活用したアマゾンの戦略
「ビッグデータ×AI」は、アマゾンの売上増を直接的にプッシュするものでもあります。アマゾン本体の売上方程式を整理してみると、やはり売上向上のためにビッグデータが活用されていることがわかります。売上を因数分解すると、「客数×客単価」です。これをさらに分解すると、客数は一般顧客とプライム会員に分けることができます。また、セット率を高める、購買頻度を高めるというのが、客単価を上げるための代表的な施策です。 アマゾンの価格はダイナミックプライシングが特徴です。全商品が低価格というわけではなく、「ビッグデータ×AI」を使いこなし、検索上位の商品や人気商品を中心に低価格にしています。競合と比べれば安価かもしれませんが、ロングテールやあまり数が出ない商品は価格を大きく下げずに、きちんとマージンを取っています。セット率(購買点数)を高める、購買頻度を高める、プライム会員を増やすという点に関しては、プライム会員の増加が直接的に寄与します。
一般の顧客を増やすため、最近アマゾン・キャッシュというサービスが始まっています。アマゾン・キャッシュは米国で最近始まったサービスで、銀行口座やクレジットカードを持っていなくてもネットで買い物ができる、というもの。これまでネット通販を利用してこなかった低所得者層がターゲットだとされています。「客数×客単価」によって売上を伸ばすというプロセスの至るところに「ビッグデータ×AI」が活用されていることがわかります。従来のマーケティングにおいては、属性のデータは比較的収集しやすいものであり、一方で、消費者の行動パターンと、心理パターンは、わざわざアンケートを行わなければ集められないものとされてきました。マーケティング上の有用性としては行動パターンや心理パターンのほうが高いのに、獲得するのが難しいというジレンマがありました。ところが、アマゾンはここにもイノベーションをもたらしました。アマゾンが蓄積しているビッグデータは行動パターン、心理パターン、属性まですべてを含んでいます。その結果、アマゾンは通常のセグメンテーションよりもはるかに細密な「1人のセグメンテーション」「0.1人のセグメンテーション」を可能にし、売上向上につなげています。