地方自治体はどうやってデータをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、地方自治体がデータをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。データ活用における地方自治体のプロモーションの成功事例では、インバウンドに関連するデータを、収集し解析することで効果的なインバウンド対策を実施できているようです。
このページでは、地方自治体のデータのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 地方自治体×データ活用事例その①:東京海上日動はソーシャルビッグデータを活用した全国インバウンド観光調査を実施
- 地方自治体×データ活用事例その②:福岡市、「福岡市地域包括ケア情報プラットフォーム」の構築を開始
- 地方自治体×データ活用事例その③:神戸市、ビッグデータを活用する構え
地方自治体のインバウンド対策やインバウンド集客では、データ活用をすることで効率的かつ効果的に施策を行えます。どこの国からのインバウンドが多いのか、消費額が多いのは国籍・年代含めどんな人なのかということは、対策を講じたりターゲットをしぼったりする上で非常に重要です。そして、それはイメージや体感ではわかりません。なんとなく中国人が多いかな、と思っていたら実は最も多いのは韓国人だった、ということもあるでしょう。正しいデータ活用をすることで、最も注力すべきはどこなのかということがわかってきます。体感ではかるよりも正確に、そして効率的に施策を行えます。
ここでは、地方自治体という業界・業種におけるデータ活用のプロモーション事例を紹介していきます。
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「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料でダウンロードする「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする東京海上日動はソーシャルビッグデータを活用した全国インバウンド観光調査を実施
東京海上日動火災保険株式会社は、ソーシャルビッグデータ解析をもとに地方創生に寄与するインバウンド観光促進のための全国調査を実施いたしました。なお、調査結果の概要については、地方自治体の観光政策や、事業者の方々のインバウンド施策の立案に活用いただくことを目的に、地方自治体やインバウンド事業者などに提供。2016年7月に地方創生室を設置し、地域企業のインバウンド対応力向上を支援する取組みを柱の一つとして掲げ、これまでに、インバウンド事業に取り組む事業者を支援する商品・サービスを日本商工会議所と創設するなど、当社、代理店のネットワークを活かし、全国のインバウンド事業者を支援する各種取組みを進めてきました。
株式会社電通と株式会社NTTデータとの協業組織である「ソーシャル・インサイト・ラボ」の協力のもと、日本全国11エリアにわたるTwitterの全量データやWeiboなどのSNSデータを活用した、訪日外国人の観光動態・嗜好調査を実施。インバウンド観光が拡大するなか、これまで様々な訪日外国人の調査が行われてきましたが、今回の調査は、Twitterの全量データやWeiboなどのSNSデータを活用し、かつ観光庁の認定広域観光ルートの全域をカバーした民間では初となります。本調査は国内全域をカバーした調査となっており、他エリアの調査結果を参考にすることが可能です。また、実際の外国人の生の声を分析に使うことによって、外国人にとって魅力ある穴場スポットや外国人がどのような施設に魅力を感じているかなど、よりリアルな訪日外国人のニーズを明らかにしているため、地方自治体の観光政策や、事業者の方々のインバウンド施策の立案に活用いただくことを目的としています。
福岡市、「福岡市地域包括ケア情報プラットフォーム」の構築を開始
福岡県福岡市では、医療や介護、予防(健診)などに関するデータの分析や、地域に向けた情報提供などを行う情報通信基盤「福岡市地域包括ケア情報プラットフォーム」の構築を開始しました。2040年に高齢者数が49万7千人に達し、2010年度と比較して約2倍となり、高齢化率は31%にのぼる見込みです。こうした状況を受けて、福岡市は客観的なエビデンスに基づく最適な施策の企画・立案に向け、上記のとおり、ビッグデータを活用した分析システムを導入することを決定。
これにより少子高齢社会に備えた地域ニーズや課題の見える化に取り組むこととしています。この中で、これまで各業務部門で断片的に管理していた各種データを集約・整理するデータベースシステムを構築し、そこに蓄積した各種情報を、グラフや表、地図情報などを活用したいわゆる「ビッグデータ分析」をする予定です。これにより福岡市内の地域ごとの要介護者数の推移など医療・介護の現状把握や地域課題の見える化、各種指標のシミュレーションなどを実施し、福岡市における最適な施策の企画・立案に活用できます。将来的にはビッグデータ分析で得られた地域特性などを「オープンデータ」としてWebサイト上に公開する予定で、市民向けサービスの創出や企業誘致など産業の活性化も期待されます。
神戸市、ビッグデータを活用する構え
2013年に神戸市長に就任した久元喜造氏はテクノロジー活用に積極的に取り組みます。久元市長は、Code for Japan の関も同行した2015年のアメリカ視察でサンフランシスコ市やCode for Americaを訪れました。サンフランシスコではCDOのBonaguroさんと会い、データアカデミーの取り組みについても直接説明を受けました。そこでシビックテックやデータ活用の重要性を実感した神戸市長は、2016年にCode for Japan代表の関治之氏を神戸市のチーフ・イノベーション・オフィサーとして招聘します。
職員のデータ利活用スキルの向上を目指した神戸市版データアカデミーを2016年度から導入することが決まりました。しかし、日本の他の自治体と同様に神戸市にはデータサイエンティストなどの職員に教える人材がいません。また、職員にデータ利活用の重要性も浸透していません。そのため、2016年度は外部から講師を招き、課長級向けの講座や現場職員向けのワークショップを実施しました。また、事例を用いてデータの効果的な活用方法やデータを利活用してもらうための工夫など、講座の内容を具体的にすることでデータを正しく政策立案に使う方法の習得を目指しています。