ビジネスホテル・リゾートホテルはどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、ビジネスホテル・リゾートホテルが地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、ビジネスホテル・リゾートホテルの地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- ビジネスホテル・リゾートホテル×地方誘致・地方創生事例その①:北海道から沖縄までのホテルで和洋バイキングを無料で提供「ホテルルートイン」
- ビジネスホテル・リゾートホテル×地方誘致・地方創生事例その②:ランオペ業が本業だからこそ見えた訪日外国人が求めるサービス「FP HOTELS」
- ビジネスホテル・リゾートホテル×地方誘致・地方創生事例その③:訪日外国人の利便性を高める立地に出店「アパホテル」
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、ビジネスホテル・リゾートホテルという業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
ビジネスホテル・リゾートホテルの地方誘致・地方創生に関連するインバウンド対策資料を無料で詳しく見てみる
「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「展示会出展サポート」の資料を無料でダウンロードする北海道から沖縄までのホテルで和洋バイキングを無料で提供「ホテルルートイン」
日本のビジネスホテル御三家と言われる「ホテルルートイン」はルートインジャパン株式会社が運営し、全国展開しているビジネスホテルチェーンです。ホテルは北海道から沖縄まで、2018年3月時点で異なるブランドの店舗を合計すると291店舗となっています。なお、大半の店舗が、ビジネスホテルとしては珍しい人工温泉のある大浴場、無料駐車場などを完備しています。
北海道から沖縄までのホテルで和洋バイキングを無料で提供
現在では多くのホテルが朝食無料という形でサービスを提供していますが、「ホテルルートイン」はこういった形のサービスの中でも非常に評価が高くなっています。ルートインジャパン株式会社によると「ホテルルートイン」の朝食は「健康的で栄養バランスのいい家庭の朝ごはんをイメージし、約35品目の和洋バイキングを用意。保存料不使用・現地から直輸入のヨーロピアンブレッドや、体に優しいおかゆなど、様々なスタイルに対応する充実のメニュー」であるとのこと。
また料理のカテゴリーごとに2種類以上の料理を用意するなど、ゲストを飽きさせない工夫も行われており、こうした様々な朝食が無料で楽しめることなどもあって訪日外国人にも人気となっているわけです。多くの訪日外国人にとって日本で日本食を食べることは大きな楽しみとなっており、そういった意味においてもこういった形で様々な朝食を、北海道から沖縄までのホテルで無料で楽しめるというのは大きな魅力だと言えるでしょう。
ランオペ業が本業だからこそ見えた訪日外国人が求めるサービス「FP HOTELS」
株式会社フリープラス(FREEPLUS Inc.)はインバウンド特化型ホテル「FP HOTELS」を展開していますが、もともと株式会社フリープラス(FREEPLUS Inc.)はランドオペレーターを本業とする企業です。ではなぜ、ランドオペレーターを本業とする企業がビジネスホテル運営に参入したのでしょうか?
ランオペ業が本業だからこそ見えた訪日外国人が求めるサービス
株式会社フリープラス(FREEPLUS Inc.)は海外の旅行代理店に日本の旅行パッケージを販売するランドオペレーター事業を本業としており、これまで、世界29カ国、610社以上の旅行会社との取引実績があり、累積50万泊以上の訪日外国人を取り扱ってきたノウハウがあります。そしてこうしたノウハウをすべて注ぎ込み、訪日外国人の満足度を高めることを目的としたホテルとして「FP HOTELS」をスタートしたというわけです。
特に訪日外国人が増え続ける中で、特に人気の観光エリアの大阪などでは客室稼働率が高く、繁忙期ではホテルの予約がなかなか取れなかった、また訪日外国人からホテルに対する不満の声などがあったことから、株式会社フリープラス(FREEPLUS Inc.)自社でビジネスホテル運営に参入。
またこうした訪日外国人の場合、土地勘もなく言葉が通じないことも多いため、ホテルスタッフへの質問が日本人宿泊客に比べて増える傾向があります。そういった際に対応できるよう「FP HOTELS」では様々な言語を話すスタッフを積極的に採用、英語、中国語、インドネシア語 など、多言語でのきめ細かい接客対応が可能となっています。
訪日外国人の利便性を高める立地に出店「アパホテル」
都内でも多くの訪日外国人が利用する「アパホテル」はアパホテル株式会社が運営しています。商号のアパ(APA)は「Always Pleasant Amenity」の意味で、その名の通り充実したサービス、アメニティーを誇ります。「アパホテル」は1980年11月に設立。1984年12月には最初のアパホテルが金沢市内にオープンしています。都内では各社の宿泊に特化したチェーン型ホテルの建設が増え、業績も好調なようですが、「アパホテル」は数年前から都内を中心に積極的な出店を続けてきました。
訪日外国人の利便性を高める立地に出店
特に訪日外国人に大人気のエリアである新宿地区には、「アパホテル新宿御苑前」、「アパホテル東新宿歌舞伎町」、「アパホテル東新宿駅前」などが営業しており、月間の稼働率はほぼ100%超えの状態とのこと。お洒落なカフェなどが多く、新宿御苑で美しい公園散策なども楽しめる「アパホテル新宿御苑前」に加えて、日本最大の繁華街「歌舞伎町」の中心部かつ旧コマ劇場の目の前に位置している「アパホテル東新宿歌舞伎町」、新宿を始めとして近隣エリアへのアクセスが良い「アパホテル東新宿駅前」など、駅前の利便性の高い場所に大型の店舗の建設を続けてきました。
訪日外国人向けの取り組みとしては全客室およびロビーに通信速度やセキュリティ面で優れたWi-Fi無線接続を全店で導入するほか、快眠を追求したアパホテルオリジナルベッドを設置。宿泊客は大都市圏では欧米のFIT客が多く、中国や韓国、台湾といった近隣アジア圏からのインバウンドも少なくありません。また地方部でもインバウンドの客足は順調で、こうした利便性の高いホテルがあることによる地方活性化、地方誘客につながっていると言えるでしょう。