アニメ・マンガはどうやってSNS・ソーシャルをインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、アニメ・マンガがSNS・ソーシャルをインバウンド集客で活用する事例が増加しています。インフラなど受け入れ体制の整備といったインバウンド対策と比較すると、イニシャルコストを抑えてスタートできることがSNS・ソーシャル活用のメリットです。
このページでは、アニメ・マンガのSNS・ソーシャルのインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- アニメ・マンガ×SNS・ソーシャル事例その①:ファン数2000万人超え ジャパニーズオタク文化の発信の先駆け「Tokyo Otaku Mode」
- アニメ・マンガ×SNS・ソーシャル事例その②:「インスタ映え」…SNS・ソーシャルの投稿と相性のよいアニメ・マンガコンテンツ
SNS・ソーシャルを活用したインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなり様変わりします。例えば、中国では日本と比べ物にならないほどSNS・ソーシャルが日常に浸透しています。また、業界・業種によってはSNS・ソーシャルを活用するにあたって、クーポンなどを活用し、集客施策に活用したほうがいい場合、ファン数を増やしてリピーター獲得や拡散させたり、認知を広めたりしたほうが良い場合などあるでしょう。
ここでは、アニメ・マンガという業界・業種におけるSNS・ソーシャルの各社の事例を元にして、効果的なSNS・ソーシャルを活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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凄まじいファン数を抱える、日本のオタクカルチャーの発信ページが「Tokyo Otaku Mode」です。インバウンドの盛り上がりもあり、今となっては2000万人を超えるファンを抱える超人気ページになりましたが、発足当時から「日本のオタク文化を発信」することに徹しています。発足当初はFacebookページのみで情報発信をしていましたが、現在ではや自社ECサイト「Tokyo Otaku Mode Shop」なども通じて、海外向けに日本のアニメ/漫画/ゲーム/音楽/ファッションなどの商品を販売したり、最新情報を発信したりしています。
2000万人のファン中、なんと99%以上が海外ユーザー
世界中のオタクを集める「Tokyo Otaku Mode」のFacebookページのいいね!は約2000万人。そのFacebookファンの99%以上が日本以外に住む外国人ユーザーで、100カ国以上のファンがいます。男女比は男性が57%、女性が43%、年齢は18歳〜34歳が中心で、主な興味・関心は日本のアニメ、漫画、ゲームはもちろんのこと、日本文化に関心のあるユーザーで訪日意欲も高い層です。
投稿頻度は日におよそ2〜3件で、メインとなるのがアニメ・マンガといったオタクコンテンツです。その他、イベントの告知やネットユーザーに刺さりそうな日本の面白いニュースなども配信しています。また、他のFacebookページのコンテンツを「Tokyo Otaku Mode」でシェアする取り組みもしており、「Tokyo Otaku Mode」のFacebookページを、オタクカルチャーを中心とした交流の場として活用していることがうかがえます。
Facebookだけでなく、Twitter、Tumblr、Weibo(微博/ウェイボー)、Instagramなども運用
Facebookページをその起源とする「Tokyo Otaku Mode」ですが、Twitter、Tumblr、Weibo(微博/ウェイボー)、Instagramなどの他の主要SNS・ソーシャルアカウントも活用しています。特に重要視しているのはInstagramだといいます。なぜならば、テキスト(文字情報)をメインコンテンツとするFacebookの性格とちがい、Instagramは写真などの画像、つまり非言語コミュニケーションがそのメインコンテンツとなるためです。
今後のインバウンドや越境ECなど含めたアウトバウンドにおいて、多言語での情報展開はもちろん重要です。しかしながら、写真や動画のような非言語コミュニケーションは、情報の受け手、つまりユーザーとなる訪日外国人などが「情報を理解する」という障壁をクリアにするためです。まさしく「百聞は一見にしかず」のとおりで、非言語コミュニケーションの情報伝達力、ひいては拡散力は、特にSNS・ソーシャルにおいては非常に重要な特徴となります。また、多言語展開するためのコストも最小限に抑えられることも、メリットの一つとして挙げられるでしょう。
「インスタ映え」…SNS・ソーシャルの投稿と相性のよいアニメ・マンガコンテンツ
近年、江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅で下車する訪日外国人が急増しています。その言語からうかがうに、台湾や中国からの訪日外国人のようです。彼らのお目当ては、鎌倉高校前駅降りてすぐの「鎌倉高校前1号踏切」です。実はこの踏切、90年代の大人気バスケットボールアニメ「スラムダンク」のオープニングに登場し「聖地巡礼」の場としてにわかにインバウンドでの人気を集めています。
聖地巡礼と「SNS・ソーシャル映え」の相性の良さ
この江ノ電の「鎌倉高校前1号踏切」の人気は、もちろん各国(特に台湾)での、アニメ「スラムダンク」人気がその要因にあります。インバウンドでも度々話題となるミレニアル世代(※1)の青春自体に流行したアニメなだけあり、せっかく訪日旅行するならあの舞台に行ってみたい(聖地巡礼してみたい)、となるわけです。またさらに、踏切と江ノ電車両、そのバックに広がる湘南の海とビーチという、いかにも「SNS・ソーシャル映え」する美しいロケーションであることが、「鎌倉高校前1号踏切」がSNS・ソーシャル上で拡散される背景にあります。
※1:ミレニアル世代:2000年代に成人あるいは社会人になる世代を指す。おおよそ1980年代から2000年代初頭までに生まれた人を指すことが多く、2018年現在では20歳〜35歳程度。SNSなど新しい価値観に触れて育ってきたことから、様々なプロモーションを柔軟に受け止めてくれること、また経済力とフットワークの軽さがあることから、インバウンド誘致でもこの世代に注目が集まります。
日本のアニメ・マンガコンテンツのスポットや体験は訪日需要の強力なフックになりうる
日本のアニメ・マンガ・キャラクター(KAWAII)コンテンツは、おしなべて知名度があり、またインバウンド誘客のフックとなりうるコンテンツ力があります。国によって人気のアニメ・マンガ・キャラクターは異なっており、日本で有名だからといって、必ずしも海外でも有名というわけではない点は注意です。
前述の江ノ電の例のように、人気のアニメ・マンガに関連するスポットや体験は、訪日外国人のインバウンド需要を喚起する重要な観光資源です。特に、日本でしか見られない、日本でしか写真が取れない、日本でしか体験できない限定感のあるものは、より魅力的に感じます。これらのコンテンツは、SNS・ソーシャルでの投稿・拡散されやすいものであり、口コミとしてバイラルしやすいため、効果的なインバウンド誘致への活用が期待されます。