電車・鉄道はどうやってSNS・ソーシャルをインバウンドに活用すべきなのか?
2017年の訪日外国人数は史上最多となる2,870万人を突破し、インバウンド市場は国内で成長市場として注目を集めています。近年は訪日外国人の地方誘致が本格化し、都会では楽しめない体験を求めてリピーターを中心とした訪日外国人は地方部へ向かっています。
その際、「電車」「鉄道」は訪日外国人にもっともよく使われている交通手段です。こういった背景から鉄道会社ではインバウンド対策を進めており、訪日外国人が地方部を周遊しやすい環境を整備しています。このようなことから比較的に早い時期からインバウンド対策を行っている「電車」「鉄道」の業界であり、SNS・ソーシャルを活用したインバウンド対策も盛んに行っています。
それでは「電車」「鉄道」業界のSNS・ソーシャルを活用した3つのインバウンド対策事例をお伝えいたします。まず1つ目は東京メトロで行っているSNS・ソーシャルを活用した事例です。東京メトロはとても丁寧にSNS・ソーシャルを運用しており、ターゲット国ごとにFacebookページを作っていたり、Facebook以外にも中国語版TwitterといわれるWeibo(微博)を運用しています。
2つ目が小田急電鉄によるSNS・ソーシャルの活用事例。小田急電鉄はタイ・バンコクに新事務所開設を2016年頃に開設しています。きっかけは、タイ語で発信しているFacebookページにかなりの反響があったことでした。そちらの事例をお伝えします。3つ目はJapan Rail PassのSNS・ソーシャル活用事例です。Facebookを積極的に活用しており、運用方法などをお伝えいたします。
本コンテンツの事例を、自社のSNS・ソーシャルを活用したインバウンド対策にお役立てください。それでは、「電車」「鉄道」のSNS・ソーシャルを使ったインバウンド対策についての事例を紹介していきます。
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公式アカウントの運用など「SNSプロモーション」の資料を無料でダウンロードするSNSを含むインバウンド向け「広告運用」の資料を無料でダウンロードするSNS拡散を狙う「インフルエンサー」の資料を無料でダウンロードする東京メトロの対象国に合わせたSNS・ソーシャル運用事例
近年、訪日外国人全体における個人旅行者(個人旅行向けパッケージ商品または個人手配)の割合はASEAN、東アジアにおけるすべての国・地域で半数を超えています。団体旅行から個人旅行へのトレンドシフトにより、従来以上に鉄道は日本を観光する訪日外国人にとって重要な移動手段となっています。
特に訪日外国人が一番多い東京都では、地下鉄でよく訪日外国人を見るようになりました。そのため、銀座線から副都心線など9路線を運営している東京メトロでは積極的にインバウンド対策を行っています。東京メトロの公式WEBサイトを見てみると中国語(繁体字・簡体字)英語・中国語・タイ語・フランス語・スペイン語・日本語の8言語に対応しています。
ここまで多言語対応をしているところは多くありません。インバウンド対策に力を入れていると見て取れます。そんな東京メトロですが、SNS・ソーシャルを活用したインバウンド対策は一体、どのようなことを行っているのでしょうか?
5言語に対応しSNS・ソーシャルを運用している東京メトロ
東京メトロは5言語に対応しSNS・ソーシャルを運用しています。具体的に見ていくと、英語版、韓国語版、繁体字版、タイ語版の公式Facebookページを作成し、運営しており、さらに、中国人中国人対策として、WeChat公式アカウントを開設しています。国ごとの公式Facebookページを見てみると多少コンテンツを変えている模様。
シンガポール、香港、台湾、韓国、タイからの訪日リピーターが増えている現在、訪日リピーターにとっては既に行った観光地よりも、日本人が普段利用するようなローカルなスポットに行きたいと思う人も少なくないです。このようにターゲットに合わせてコンテンツSNS・ソーシャルに投稿するコンテンツの出し入れを変えることはとても重要になります。
また、東京メトロの宣伝にとどまらず、駅周辺の人気スポットやおすすめの飲食店など、幅広く網羅していることも特徴の一つです。東京メトロのアカウントでは、アジア系の男女5人が毎回順番に記事を投稿しています。中文繁体字のページでは毎記事100以上「いいね」がついています。アジア系の若者が食レポをしたり、身近な神社を観光したりと若者目線での記事が支持につながっています。
このように、ターゲットに合わせた役に立つコンテンツを提供することがSNS・ソーシャルを活用したインバウンド対策では重要でしょう。
小田急電鉄:ターゲット国を絞り成功したFacebookページ運用事例
訪日外国人の増加を背景に、鉄道業界では様々なインバウンド対策に乗り出しています。小田急電鉄株式会社では訪日タイ人観光客誘致へ、タイ・バンコクに2016年9月27日から新事務所を開設しています。
主な目的活動内容とは、
- 現地旅行会社やメディアに向けた小田急電鉄の商品の売り込み。
- 現地旅行博覧会などを通じて、タイ人へ小田急電鉄に関する情報提供の実施
- タイ、または近隣東南アジア諸国での情報収集
のこの3つです。
小田急電鉄は、「東南アジアのハブ」と呼ばれるタイ王国の首都 バンコクに新事務所を開設することで、タイの旅行会社との関係性強化、タイや近隣東南アジア諸国に関するリサーチを進め、新宿、箱根、江の島・鎌倉をはじめとする小田急電鉄沿線への一層の誘致を進めていきました。
では小田急電鉄はなぜ、タイへ力を入れているのでしょうか?それはタイ語版Facebookページ運営が上手く行き、訪日タイ人が増えているという背景があります。。それではまず、小田急電鉄はタイ語版Facebookをどのように運用しているのでしょうか?
111,760イイネを獲得しているタイ語版Facebookの運用事例とは?
小田急電鉄タイ語版Facebookでは111,760件のいいねを獲得しています。小田急線沿線の箱根などの観光スポットの写真や、小田急電鉄が展開している訪日タイ人観光客向けサービスの告知などが投稿されており、多数のリアクションも見受けられます。
その他にもタイ語版の観光地案内動画を作成しており、Facebook内で配信しており、かなりの数の再生回数でした。また、タイ人は日本の桜を好む傾向にあります。タイの旧正月であり、4月の前半にあるソンクラーンの時期には、日本の桜を見に来るタイ人が増加します。小田急電鉄のタイ語版Facebookページを見てみると、タイ人が好む桜の投稿が他の言語のFacebookページより多く見られます。
このようにターゲット国の好みに合わせて配信する情報を変えることが大切です。さらに、タイそのものの訪日外客数が前年の20.1%増で伸びています。訪日外客数が伸びている市場に向けてFacebookなどのSNS・ソーシャルを活用することで効果的にフォロワー数を増やすことができるでしょう。
「Japan Rail Pass」:お役立ち情報を発信しフォロワーを増やした事例
JRグループであるJR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州の6社は、訪日外国人向けの周遊パス「Japan Rail Pass」の国内で販売をしています。「Japan Rail Pass」とは、訪日外国人が一定の料金を支払うことにより、JRグループの運営する鉄道やバスなどを乗り降り自由で利用できるというもの。
以前は同パスの利用時において、訪日外国人は旅行前に国外から「Japan Rail Pass」の引換券を購入し、日本国内で引き換える必要がありました。しかし、リニューアルされたことにより、訪日外国人は「Japan Rail Pass」を日本国内でも購入できるようになります。このように「Japan Rail Pass」は以前よりも訪日外国人が手に入れやすくなり、訪日外国人への認知度も増えてきました。
購入しやすくなる工夫以外にも「Japan Rail Pass」はSNS・ソーシャル活用を行い、多くの外国人に知ってもらう活動も行っています。「Japan Rail Pass」のFacebookを活用した事例をお伝えします。
訪日旅行に役立つ情報を配信する「Japan Rail Pass」公式Facebookページ
「Japan Rail Pass」の公式Facebookページでは「Japan Rail Pass」の宣伝だけではなく、日本旅行の際に役立つ情報を発信しています。例えば、「Here’s 15 points to take note of when traveling in Japan!」というタイトルでFacebookページ内にコンテンツを投稿しています。
日本語に訳すと「日本で旅行する時の注意を取る15ポイント!」という意味で、具体的なコンテンツの中身は、SuicaのようなICカードを使うとキップを買わなくてすむ、東京駅や新宿駅はとても人がいてつかれてしまうので注意、その他、準備しておいたほうが良いものをアナウンスするなど。
このようなお役立ちコンテンツを配信しているため、2018年6月現在ではフォロワー数も65,085人もいます。他にも日本の観光名所を紹介している動画をシェアしてFacebookページ内に流したり、投稿にコメントしている外国人に対して返信するなど丁寧にFacebookページを運営しています。