タクシーはどうやってSNS・ソーシャルをインバウンドに活用すべきなのか?
日常の移動手段としてもよく活用されているタクシーですが、古くから国内に限らず海外からの訪日外国人の観光にも利用されてきた交通手段で、その種類として、時間制の料金で観光スポットをめぐる「観光タクシー」といった形態から、観光地で主要駅からの2次交通として利用されるケースも、完全に貸し切りで利用するケースなど含め、様々な方式で利用れています。
実はこうした観光タクシーには小型、中型、ハイヤーという形でスタイルが別れており、それぞれにそれぞれの特徴があります。町中で普段見かけることが多い小型タクシーは観光タクシーの中でもリーズナブルな費用で利用することが可能で、車体のコンパクト差を活用して、お土産屋さんにちょっと立ち寄りたい時、近場の観光スポットを巡るなどの際におすすめです。少し大きめの車両を利用した中型観光タクシーは 小型観光タクシーより割高となりますが、車内が広くゆったりと寛ぐことが可能です。こうしたタクシーは空港からの移動など長時間の移動に最適で、特に足腰が弱いご年配の方などに人気となっています。またVIPの送迎、リッチな旅で利用したいのがハイヤータイプの観光タクシーです。黒塗りの車体でタクシー特有の屋根上にある表示サインがなく、高級車両を利用していることが多いものです。こうしたハイヤータイプの車両は、特別な日を過ごしたい時など、海外からのVIP送迎などに活用されています。
日本にはいくつものタクシー会社が存在していますが、その中でも、タクシー・ハイヤー・バスをはじめ、リース、自動車保険、自動車整備、自動車運行管理サービス、駐車場事業に至るまで、 自動車運行に関わるあらゆるサービス部門を有する旅客運送事業の総合企業であり、独自の経営方針でファンも多い「国際自動車」(KMタクシー)のSNS・ソーシャル活用の事例、創業90年、東京を拠点にハイヤー・タクシーを運行、タクシー業界最大手であり、グループ内で4000台以上の車両を保有する「日本交通」のSNS・ソーシャル活用の事例、創業67年、地元に根ざし、地域の方々や観光・ビジネスで来られる方々に、「親切と安心」がモットーの「函館タクシー・函館帝産バス」のFacebook、Twitter、Instagram、Pinterest、ニコニコ動画、YouTube動画という、同業他社のどこよりも幅広いSNS・ソーシャル活用の事例をご紹介していきます。
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国際自動車は東京を拠点にタクシー、ハイヤー、バスなどの運営するkmグループが運行しているタクシーで、タクシー2,448台、ハイヤー680台、バス102台など、kmホールディングスとして約3,050台の車両を有しています。これは業界最大手の日本交通と並ぶ規模で、東京地区においては最大手のうちの1つと言える企業です。その歴史は1920年にまでさかのぼり、最初はハイヤー業、そして後にタクシー業を開始しています。車両は黄色の東京4社色と黒色と濃紺色があり、直系会社の車両にはハイヤーと同じ角型のKmマークがフロントとリアのバンパーに貼ってあります。
古くからInstagramを活用
「国際自動車」(KMタクシー)は2014年より東京の魅力をInstagramを通じて発信しており、TokyoTravelGuide@tokyodrive.jpというアカウント名のインスタグラムで、都内の様々な美しい観光名所の写真を掲載しています。「国際自動車」(KMタクシー)ではInstagramアカウントで情報を発信する理由として次の4点「ユーザー数が世界に4億人おり、Facebookの10倍の広告効果を持つのメディアで認知度をあげるため」、「東京に精通した企業が「東京観光タクシー」というサービスを提供していることを周知させるため」、「写真のひとつひとつがドライバーとお客さまとのコミュニケーションツールとなるため」、「写真の場所に行きたい時は「KMタクシーがお手伝いを致します」というメッセージを伝えるため」を挙げています。
「国際自動車」(KMタクシー)のアカウントでは撮影地情報をしっかりと表示しており、Instagramにアクセスした方が撮影地情報にアクセス、その周辺の写真をさらに確認し、そこに行きたい場合にはタクシードライバーに伝えることで、言葉が伝わらなくとも観光ができるという未来を描いています。また、Instagrammerと連携することでブランディングという位置づけで、Instagrammerに東京の町を紹介してもらい、Instagramから観光地に興味を持った訪日外国人がログやWebサイトにアクセス、国際自動車」(KMタクシー)が移動のお手伝いをするという流れを意識したキャンペーンも実施しています。
「国際自動車」(KMタクシー)の運用方法で特筆してユニークな点は、Instagramはあくまで集客のためのツールとしてある程度割り切って運用することで「TOKYO TRAVEL GUIDE」という訪日外国人向けの観光情報サイトにアクセスしてもらう作りにしている点でしょう。このサイトからおすすめの観光ルートなどを知ってもらい、タクシーでの観光をしてもらうというしっかりとした集客からタクシーの利用までを意識した動線が確保されているわけです。SNS・ソーシャルはとりあえず運用しようとスタートする事業者も多いわけですが、このように具体的にビジネス上の動線をしっかりと意識してSNS・ソーシャルを運用することが重要です。
「日本交通」のSNS・ソーシャル活用の事例
「日本交通」は正式名称を日本交通株式会社といい、東京を拠点にハイヤー・タクシーを運行しています。グループの売上高はタクシー業界で同業で日本最大となっており、保有するタクシーの台数に関しても約4,000台と、「国際自動車」(KMタクシー)と並んで東京地区における最大手の会社です。事業としては主にハイヤー事業とタクシー事業で、ハイヤー事業においては政府や大企業、VIP、来賓、冠婚葬祭時の顧客が多く、最高級セダンを使用しているのが特徴。タクシー事業においては接客サービス品質を重視しており、車内研修を含めて様々な取り組みを行っています。
またユニークな取り組みとしては米国Uberに対抗する形で生まれた「全国タクシーアプリ」があり、このアプリを使用することで、全国47都道府県、タクシー会社163グループ、タクシー台数約3万台からタクシーを呼ぶ、タクシーを予約するなどが可能です。このアプリでは今まで乗るまで、呼ぶまでわからなかったタクシーの料金も最寄りのタクシー会社の料金体系を用いて簡単にタクシーの概算料金を調べることができるほか、配車もスマートフォンを利用して地図上でワンタップするだけで可能なほか、よく利用する地点を登録しておくなどの機能も備えています。
日本交通では主にTwitterアカウントをSNS・ソーシャルとして活用しています。このTwitterアカウントでは「タクシー配車アプリ」に関する情報や日本交通にまつわることを発信しています。現時点でフォロワー数は2,129人ですが、乗車中のエピソード、キャンペーン情報、車両の情報、タクシーに関するニュースなどを配信しています。
業界でもユニークな取組の「陣痛タクシー」がTwitterで話題に
中でもTwitterのタイムラインに頻繁に登場するのが「陣痛タクシー」です。これは登録者へ育児スターターキットを無料でプレゼントするサービスです。これは日本交通の陣痛タクシーを利用する方に、産前産後に必要なアイテムを詰め込んだギフトをお届けするという業界初の取り組みで、もっともっと安心して、そしてわくわくして出産の瞬間を迎えてほしい、そんな思いからスタートした企画です。これは企業14社とともに、2017年5月11日(木)よりスタートしたもので、世界有数の高福祉国家であるフィンランドで、政府からすべての妊婦さんへ無料配布される「マタニティボックス」にヒントを得て生まれたもの。
ギフトの中にはオムツ、全身シャンプー、哺乳瓶、カフェインレスコーヒー、食品宅配、教育サービス、お水、家事代行サービスなどの出産や子育てに役立つグッズや、救急の連絡先や子どもの事故防止情報などをまとめたファイルを、オリジナルの配送用ボックスに梱包してお届けするというもの。こういった特別なキャンペーンがあると、SNS・ソーシャル上では一気に拡散しやすく、知名度、ファンともに増えるという好例でしょう。
「函館タクシー」のSNS・ソーシャル活用の事例
1950年に創業した函館タクシーは函館市千歳町7番地を本社として5台のハイヤー事業から始まりました。その後、訪問介護サービスとして介護保険適用が可能な介護タクシーをスタート、タクシー「GPS配車」スタート、北海道のタクシー業界で初めて「ISO9001:品質マネジメント・システム」を認証取得、北海道知事より「北海道社会貢献賞」を受賞、陣痛タクシーの運行を開始、障がい者就労支援企業認証、貸切バス事業者安全性評価認定制度3つ星認定など、様々な先進的な取り組みを進めてきました。
また函館という観光地としての土地柄を活かした様々なツアーとして、「夜景コース」、「市内1周コース」、「地酒コース」、「歴史コース」、「体験コース」、「アーティストコース」、「GLAY 〜ゆかりの場所をめぐる〜」、「幕末ツアー 〜「土方歳三」最後の地を巡る〜」、「函館と映画 〜ロケ地巡り〜」、「大沼・松前・江差 〜函館近郊エリア〜」などの様々なツアーをラインナップ。さらにはシャトルバス事業では「函館空港 ⇄ JR函館駅・市内」、「フェリーターミナル ⇄ JR函館駅・市内」、「新函館北斗駅 ⇄ 函館空港・市内」、「五稜郭公園 ⇄ 函館空港・市内」なども行っています。
「函館タクシー・函館帝産バス」はFacebook、Twitter、Instagram、Pinterest、ニコニコ動画、YouTube動画という複数のSNS・ソーシャルアカウントを運用しており、多角的に情報を発信していますFacebookページにおいては、函館に関する食事スポットの投稿が多く、写真や動画を使用して楽しく紹介しています。Instagramに関してはFacebookページで投稿している情報とほぼ同じ情報を投稿しており、料理に関する情報、台湾人観光客へのインタビュー動画、観光地の風景写真や動画を投稿しています。
Twitterアカウントでは同様に料理や観光スポットに関する情報を紹介しながら、文字コメントやハッシュタグを活用、またPinterestではYouTubeに投稿している観光地の紹介動画、訪日外国人へのインタビュー動画をそのまま活用しており、Pinterest上でこうした動画を見てもらえる作りとしています。基本的にYouTubeとニコニコ動画に投稿している動画はほぼ同じ内容で、やはりこちらも観光地の紹介動画、訪日外国人へのインタビュー動画を活用しています。少数アカウントを密度高く運用するのとは対極的な、幅広いアカウントを手広く運用するという手法として参考になるでしょう。