航空・空港のSNS・ソーシャル活用に関するインバウンド事例集

航空・空港はどうやってSNS・ソーシャルをインバウンドに活用すべきなのか?

訪日外客数は年々伸びてきています。2012年の訪日外客数は8,368,100人。5年後の2017年の訪日外客数は28,690,900と約4倍近くの伸びを見せています。訪日外客数が増えている理由としては、ビザ緩和や円安などの理由が上げられますが、要因の一つとして上げられるのが、LCCの増加です。

LCCとはLow Cost Carrier(ローコストキャリア)の略で、格安航空会社のこと。LCCが増えれば、今まで高くて日本に来れなかった外国人でも日本に来られるようになります。LCCが増えることにより、羽田空港や成田空港にも訪れる外国人が増えていますが、それ以外の空港にも増えています。特に関西国際空港は2016年からの前年比11%増の2798万人で、3年連続で過去最高を更新したと発表しました。

その他の地方空港にも外国人が増えて来ており、今後、空港業界、航空業界もインバウンドのインバウンド対策は必須になってくるでしょう。そんな中で、空港業界、航空業界のインバウンド対策事例ということでSNS・ソーシャルに絞り、次の3つの事例をお伝えします。まず1つ目は、「君の名は。」で注目を集めている岐阜県高山市から一番近い国際空港としてPRをしている、中部国際空港のWeChat(微信)公式アカウント導入の事例。中部国際空港は近年、訪日中国人の利用が多くなっているため、WeChat(微信)の公式アカウントを有効活用して顧客の囲い込みを行っています。

2つ目が3年連続で利用者数を伸ばしている、関西国際空港のSNS・ソーシャル運用術。Facebookページを2011年頃から運用し、さらにユナイテッド航空とコラボレーションしキャンペーンなども実施しています。3つ目は日本のLCCとして有名なPeach Aviation 株式会社の複数言語に対応して運用しているFacebookやInstagramを活用した事例です。本コンテンツの事例を、自社のSNS・ソーシャルを活用したインバウンド対策にお役立てください。それでは、空港業界、航空業界のSNS・ソーシャルを使ったインバウンド対策についての事例を紹介していきます。

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訪日中国人の利用率の高い空港:中部国際空港のSNS・ソーシャル運用事例

中部国際空港セントレアが中国系SNS「WeChat(微信)」の公式アカウントを開設:中部国際空港セントレアプレスリリースより

中部国際空港セントレアが中国系SNS「WeChat(微信)」の公式アカウントを開設:中部国際空港セントレアプレスリリースより

中部国際空港が実施した「2016年セントレアインバウンド調査」によると、中部国際空港を利用した利用者の全体の16%の旅行者が高山を訪れています。その中でも 中国、台湾、香港 から日本を訪れた観光客は、実に40%が高山を訪問しています。

また高山市が公開している平成28年度の外国人宿泊者数で見ても、中国、台湾、香港から高山を訪れている方の数は、他の国、地域を大きく上回ります。こうした背景もあり、中部国際空港株式会社は、この度訪日外国人向けに「高山特集ページ」を公開しました。

「高山」は名古屋から電車、車のいずれの交通手段を使用しても片道約4時間。成田、羽田など東京からは約6時間、関西国際空港がある大阪からは約5.5時間かかります。しかし中部国際空港からはバスを使って約3時間ほどで行けるため、中部国際空港は「高山へ一番近い国際空港」であるとしてアピールをしています。こうした背景から中部国際空港はWeChat(微信)の公式アカウントを取得しました。

訪日中国人の受け入れ強化のためWeChat(微信)を活用

WeChat(微信)は11億人以上が利用していると言われますが、中部国際空港は、情報提供の充実の一環として2017年11月2日よりWeChat(微信)の公式アカウントを開設、運用を初めています。

これは主に訪日中国人に対して、空港内店舗のサービス情報、クーポンなどのお得情報やキャンペーン情報、この地域の魅力的な情報などを旅前(タビマエ)、旅中(タビナカ)に発信するものです。また、フォロワーに対して、訪日後も定期的に情報配信が可能となることから、旅後(タビアト)に再訪日を促すとともに家族・知人への口コミ拡散による新規訪日旅客の獲得を図る狙いもあります。2016年10月にはWeibo(微博)での情報発信、2017年9月にはAlipayとWeChat Payの取り扱いを開始するなど、中部国際空港では訪日中国人向けの取り組みを強化しています。

このように中部国際空港は訪日中国人をターゲットにし、SNS・ソーシャルを活用しインバウンド対策を行っています。国ごとに性質が異なるSNS・ソーシャルをターゲット国に合わせて運用することがインバウンド対策においてとても大切です。

ピーチエア:国ごとに合わせて丁寧なSNS・ソーシャル運用事例

Peach公式アカウント Peach Official Instagramより

Peach公式アカウント Peach Official Instagramより

日本初のLCCとして2011に設立されたPeach Aviation 株式会社。気軽に飛行機に乗って欲しいという思いから、ピーチは「空飛ぶ電車」というコンセプトを掲げてきました。日本国内ではLCCとしてかなりの知名度がありますが、訪日外国人にも利用されており、インバウンド対策にも色々な取り組みを行っています。そこでインバウンド対策の中でもSNS・ソーシャルに焦点を当て、ご紹介をしていきます。

言語ごとに対応のSNS・ソーシャルを整備!ピーチのSNS運用術とは?

SNS・ソーシャルを見ていく前にピーチのチケット販売の公式HPを見てみたいと思います。英語・中国語(簡体字)韓国語・タイ語とここまではよくある、多言語対応ですが、ピーチが他の多言語対応と違うのは台湾と香港を分けて多言語対応している所です。台湾・香港は同じ繁体字ということでまとめることが多いのですがピーチは分けて多言語ページを行っています。同じ繁体字圏であっても多少、ニュアンスが異なるところをカバーしていると考えられます。

さて、このように、国ごとに丁寧に多言語しているピーチですが、SNS・ソーシャル運用も同じように、各国に合わせた対応をしています。Facebookページを見てみると韓国語版、台湾版、香港版、タイ版、英語版を運営しています。各Facebookページを見てみると、国ごとに投稿内容をほぼすべてカスタマイズして投稿しています。

さらに中国版はWeibo(微博)を活用して、情報発信を行っています。このように各国に合わせて丁寧に情報発信をしているところは理想的なSNS・ソーシャルの運用方法だと言えるでしょう。どうしても対象国が多くなればなるほど、投稿を分けることが大変になってきます。その他にも、InstagramとTwitterも運用しています。

Instagramはフォロワー32.7千人もおり、投稿内容を見てみるとインスタ映えを意識した、おしゃれな写真が数多く投稿されています。ピーチのターゲットである女性ユーザーを意識した投稿なのでしょう。ピーチのInstagramを見ていると旅行に行きたくなるような写真がたくさん上がっています。これらをフォローしているユーザー達はピーチの潜在的な顧客だと考えられます。それらに対して、効果的にアプローチできているInstagramの運用方法だと考えられるでしょう。

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