スキー・スノボのSNS・ソーシャル活用に関するインバウンド事例集

スキー・スノボはどうやってSNS・ソーシャルをインバウンドに活用すべきなのか?

観光庁の発表によると、スキー・スノーボードの競技人口は、1990年代の1800万人をピークに減少を続け、現時点ではその半分にまでなっているといいます。国内でのスキー・スノーボードに代表されるウインタースポーツの人気は、現在もそこまで高まっておらず、日本人単体での利用人数には限界が見えている状況です。しかし一方で日本のスキー場の雪質、スノーリゾートへのアクセスの良さなどが訪日外国人に高く評価されており、近年は日本でのスノースポーツを目的としたインバウンド観光客の数が増加傾向にあります。また昨年は平昌冬季五輪が、そして2022年には北京冬季五輪が開催されることになっており、こうしたタイミングで訪日外国人をスキーリゾートに取り込むという流れができつつあります。

外国人に人気のスキー場というとまっさきに北海道のニセコが思い浮かびますが、それ以外にも様々なスキー場が訪日外国人に人気となっています。訪日外国人が日本の観光情報や居住、仕事のための様々な情報を得ることができるウェブサイト「Gaijin Pot」が発表している外国人に人気のあるスキー場ランキングによると、西日本で一番のコースでありながら、訪日外国人に人気の京都、大阪から足を伸ばしやすい岐阜県にあるめいほうスキー場、日本有数のリゾート地・安比高原にある安比高原スキー場、日本最北端の美しい自然に囲まれた21のコースが特徴の北海道のキロロリゾート、北海道最大のスキー場であるルスツリゾート、スキーシーズンが長く楽しめ、関東の都心部からもアクセスしやすい新潟の苗場スキー場、日本の文化的な体験が楽しめ伝統的な街並が特徴の新潟県の妙高高原、街自体が元々人気の観光地でもある北海道の富良野スキー場、1998年冬季オリンピックの開催地となった長野県のハクババレー、温泉地としても魅力的な長野県の野沢温泉スキー場などが、ニセコの他にランクインしています。

さて、それではこうしたスキー場のSNS・ソーシャル対応に関して、実際にどのような方法でSNS・ソーシャルアカウントを運用し、日本人観光客、訪日外国人をひきつけているのか?新潟県南魚沼郡にある苗場スキー場、そして山形県山形市蔵王にある蔵王温泉スキー場、そして最後に、日本で最も積雪が激しく「パウダースノー」が有名なニセコ全山のSNS・ソーシャルの活用方法について詳しくみていきましょう。

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「苗場スキー場」のSNS・ソーシャル活用

「苗場スキー場」のSNS・ソーシャル活用

「苗場スキー場」のSNS・ソーシャル活用

新潟県南魚沼郡湯沢町にある「苗場スキー場」は豪雪地帯として知られる湯沢地区のスキー場の中でも一番内陸側にあり、標高が高いため良質の乾いた雪が降ることで知られ、株式会社プリンスホテルが運営しています。1980年代後半のスキーブームの時期には、ピーク時の来場者数は年間約380万人で、近年は来場者が減少したとはいえ、単一のスキー場としてはトップクラスの来場者数を誇るスキー場です。スキー以外では1999年からフジロックフェスティバルの会場として知られています。ゲレンデは初級、中級、上級と別れており、夏の施設としては苗場サマーパーク、国内最大級のサマーゲレンデであるかぐらサマーゲレンデなどがあり、苗場高原オートキャンプではキャンプを楽しむことができます。またスキー営業をする冬場を除き快適な気候でゲームを楽しむことができ、宿泊や観光も可能な苗場サバゲーフィールドのほか、秋には豊かな自然が特徴で日本最長の秋色空中散歩が楽しめる苗場ドラゴンドラなどがあります。

冬の施設としては、総面積約135haの広大なゲレンデ内に、22の多彩なコースと4つのキッズパーク、さらに、3つのゴンドラがあり、こどもからおとなまで楽しめるスキー場である苗場スキー場、ダイナミックなゲレンデとパウダー、ロングシーズン楽しめることが特徴のかぐらスキー場が存在します。また運営元のプリンスホテル、苗場プリンスホテルには、サウナつきの「苗場温泉 大風呂」と、外の景色を見ながらゆったりと入れる「苗場温泉 露天風呂」があり、こちらも宿泊客に人気の施設となっています。

「苗場スキー場」ではFacebookページ、Twitter、Instagramを活用

「苗場スキー場」はFacebookページ、Twitter、InstagramをSNS・ソーシャルアカウントとして運用しています。Facebookページは31,265人が「いいね!」をしており、31,124人のフォロワーを抱えています。投稿している内容としては「苗場スキー場」おすすめの観光プランや宿泊プランの紹介、「苗場スキー場」からほど近い観光スポットの紹介、また施設の紹介を動画で行うなどして、フォロワーの方にわかりやすく魅力を伝えています。

Twitterアカウントは苗場スキー場の公式(軟式)アカウントという位置づけで、リフト運行状況やお得情報など、苗場、時にはかぐらの「今」をドラゴンドラがつぶやいています。こちらは現在時期的なこともあり、フジロックフェスティバルに関する投稿が多く、その他には写真や動画で、現在の「苗場スキー場」の状況を、季節感が伝わる綺麗な写真を共に投稿しています。Instagramに関しては投稿の頻度はやや少なめながら「苗場スキー場」の美しい風景がわかる写真、動画を投稿しています。

「蔵王温泉スキー場」のSNS・ソーシャル活用

「蔵王温泉スキー場」のSNS・ソーシャル活用

「蔵王温泉スキー場」のSNS・ソーシャル活用

山形蔵王温泉スキー場は、山形県山形市蔵王温泉に位置するスキー場で、温泉街の蔵王と共に成長してきた歴史があります。蔵王温泉は開湯1900年の日本屈指の古湯で、江戸時代になると、蔵王権現への西側登山口としてにぎわいを見せ、大正時代には麓の集落と温泉を結ぶ道路が開通し、様々な施設が設置されたことで、観光地として着実に前身、昭和に入って山形蔵王温泉スキー場がオープンし、ロープウェイ、観光道路が開通するなどに加え、古くからの旅館に加えて、ペンション、ホテルなどが次々に開業し、東北では最大級と言えるリゾート地となりました。

「蔵王温泉スキー場」は単独のスキー場としては日本で最大の面積を誇り、FIS(国際スキー連盟)公認のスキージャンプ競技場もあります。これは1979年のインタースキ蔵王大会に合わせて建設されもので2012年3月には女子スキージャンプ・ワールドカップが日本国内で初めて開催され、こうした競技における競技地としても知られています。また、1月から2月にかけてスキー場の最上部で見られる広大な樹氷原が有名で、山頂駅の屋上から樹氷原を見わたしたり、樹氷原の中をスキーで滑って楽しむことなども可能です。1月の週末、2月全体、3月の週末には樹氷のライトアップが行われ、様々なカラーで行われる樹氷のライトアップが人気となっています。

Facebookページの更新はさほどでは無いが、Twitterアカウントの更新頻度が高い

「蔵王温泉スキー場」名湯名山 蔵王温泉 Zao OnsenとしてはFacebookページ、TwitterアカウントをSNS・ソーシャルとして運用。Facebookページは1,032人が「いいね!」をしており、フォロワーの数は1,060人です。投稿の内容はイベント情報の他にゲレンデの情報、リフトの情報、噴火の注意などといった情報が目立ちます。

TwitterアカウントはFacebookページよりも更新頻度が高く、蔵王のゆるキャラであるじゅっきーくんに関する投稿がほとんどを占めます。アカウントの特徴としては、動画でコミカルなショートムービを投稿している他、イベントやお祭りの情報、じゅっきーくんのスケジュールについて投稿されています。特筆すべきはその更新頻度で、Twitterであるので手軽とは言え、1日のうちに平均して3回ほど投稿していることが多く、継続的な運用が重要になってくるSNS・ソーシャルの運用において重要な続けることがを意識した運用方針だと言えるでしょう。

「ニセコ全山」のSNS・ソーシャルの活用方法

「ニセコ全山」のSNS・ソーシャルの活用方法

「ニセコ全山」のSNS・ソーシャルの活用方法

ニセコ全山「ニセコユナイテッド」は、ニセコアンヌプリ山(1,308m)の裾野に広がる、4つの広大なスキー場です。札幌から南へ約100km、ニセコ積丹小樽海岸国定公園、日本海から連なるニセコ連山の東端「ニセコアンヌプリ」に位置し、ニセコの主峰「羊蹄山」を望む、自然豊かなスキー場です。ここの特徴はなんと言ってもパウダースノーですが、これはユーラシア大陸からの季節風が日本海でタップリと水分を含み、この季節風が雪雲となることで、ニセコの冬に他では見られないほどのパウダースノーを降らせます。

「ニセコユナイテッド」は道内最大級のHANAZONOパーク、ユニークな地形が特徴のストロベリーフィールズなどが特徴のニセコHANAZONOスキー場、極上のパウダースノーが堪能でき、麓にはホテル、コンドミニアム、温泉、レストランなどの町並みが広がっているニセコグラン・ヒラフスキー場、2つのリゾートホテルである「ザ・グリーンリーフ」と「ヒルトンニセコビレッジ」に直結し、原生林を縫って滑る林間コースが特徴のニセコビレッジスキー場、パウダースノーと丁寧に整備されたグルーミングバーンが楽しめるニセコアンヌプリ国際スキー場など、表情豊かなスキー場が特徴です。

「ニセコ全山」はFacebookページを英語で運用

「ニセコ全山」SNS・ソーシャルとしてFacebookページを活用しています。このFacebookページに8,640人が「いいね!」をしており、フォロワー数は8,810人です。「ニセコ全山」のSNS・ソーシャルの活用方法として特徴的なのが基本的に英語で運用していることでしょう。圧倒的に海外からの利用者が多く、中にはニセコ地区に移住してしまう人がいるほど人気のニセコですので、そもそも知名度が高い日本でのSNS・ソーシャルアカウントとしては日本語を切り捨て、完全に英語圏に向けて運用しているというのは潔い判断と言えます。

投稿の内容としては季節ごとのスキー場の様子を知らせるものが多く、写真や動画で美しい雪景色に関する投稿、また世界のスキーリゾートの投票に関する投稿を行っています。また温泉、夏のアクティビティであるカヌー体験、ジャンプ、スキー大会の模様の紹介なども行っており、その他のにも花火など様々なアクティビティーに関して季節を問わずに投稿しています。ややもったいないと言えるのがコメントを投稿してくれているファンとの関わり方で、追加で質問を行っているファンに英語で回答することなく、そのままになってしまっているため、こうした部分の細かい対応ができると、さらに一段上の対応ができていると言えるでしょう。

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