いよいよインバウンド業界の節目、2020年がやってきます。2020年はついに東京オリンピックが開催されるほか、政府目標の2020年・訪日客4,000万人のターニング・ポイントとなる年です。
その前年2019年も様々なニュースがありました。インバウンド市場が拡大するにつれ、その変化はより大きく、激しくなりつつあります。
そんな2019年を振り返るべく、訪日ラボ独自の視点で「2019年インバウンド業界10大ニュース」をセレクトしました。関連記事も豊富にまとめましたので、年末年始の振り返りと2020年の目標設定などにご活用ください。
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1位:日韓関係悪化で訪日韓国人観光客大幅減
やはり今年の大きなトレンドは日韓関係の悪化により、訪日韓国人が大幅に減ったことでしょう。日本政府の「ホワイト国除外」の反発として始まった反日運動「ボイコットジャパン」により、九州など訪日韓国人をそのメイン客層とする地域は大きなダメージをうけました。
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ボイコットジャパンが本格化し始めた8月頃の韓国国内メディアの調査によると、日本旅行を計画していた人のうち約70%が旅行そのものをキャンセル、または行き先を変更していたといいます。キャンセルした理由について、回答者の93.2%が「日韓関係の悪化」を挙げており、近日の日韓関係の状況が個人にも反映されました。
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そのようななか、韓国内の反日感情を批判した「反日種族主義」が韓国で発売され、ベストセラーになったことも話題となりました。
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2位:ラグビーW杯大成功インバウンドへの影響大
日本代表の歴史的勝利やニュージーランド代表オールブラックスの敗退など、ラグビーワールドカップは大きな話題がいくつも持ち上がりました。主催したワールドラグビーのビル・ボーモント会長は「過去最高のW杯」と日本大会を評価するほどの大成功を収めました。
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観客約170万人のうち、34%に当たる約57万8,000人が海外からの観客だったとの調査結果もあり、インバウンドに大きな影響を与えました。
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3位:出国税スタート税収500億円見込み
日本を出国する際に一人当たり1000円を課す「出国税」の徴収が、2019年1月7日から始まりました。出国税を通じて見込まれる税収はおよそ500億円と見られ、政府は増加した税収分について、訪日外国人を増加させる施策のために充てるとしています。
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4位:電子商務法施行により中国人の爆買いに急ブレーキ
2019年1月1日に中国で施行された「電子商務法(通称:電商法)」。名目としてはインターネットビジネスの適正化ですが、中国政府当局の狙いは「ソーシャルバイヤー」規制だと言われています。ソーシャルバイヤー(代理購入/代購/海淘(ハイタオ)とも)とは、海外で購入した物品をタオバオやSNSを通じて販売する人々のことです。
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ソーシャルバイヤーに登録と納税を課すこの「電子商務法」。その取引対象は、親戚や友人といった身近な人に対し、ごく小規模に海外製品を渡す場合も含まれるといいます。違反者への罰金は、最大でなんと200万元(約3400万円※1元=17円換算)であり、その額面には行き過ぎの印象もあるかもしれませんが、これまでソーシャルバイヤーで成功した人々が家や車を購入するほどの富をなしていることを考えれば妥当な金額なのかもしれません。
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5位:欧米豪向けインバウンド対策が本格化
観光庁とJNTO(日本政府観光局)が、2018年から欧米豪圏向けの訪日旅行プロモーションに本腰を入れはじめました。「Enjoy my Japanグローバルキャンペーン」という欧米豪圏の「頻繁に海外旅行に行くものの日本を旅行先として認知・意識していない層」を中心のターゲットとして訪日旅行をPRする企画です。
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彼ら欧米豪圏の訪日客は、滞在日数が長いことから1人あたり消費額もかなり高めで、また地方への関心も高いことから、地方創生の文脈でその集客が重要視されています。2019年は先述のラグビーW杯が開催されてこともあり、かなりホットな話題となりました。
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6位:訪日中国人向け電子決済と国内電子決済が活性化
消費税増税とキャッシュレス促進補助金によって、一気に浸透し始めた感のある電子決済。いまや至るところで「微信支付(WeChat Pay:ウィーチャットペイ)」や「支付宝(Alipay:アリペイ)」のロゴを見かけるようになりました。
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アリペイを運営するアント フィナンシャル サービスグループが10月7日に発表したアリペイ消費統計データによれば、日本におけるアリペイでの取引件数は前年同期比124%増で、海外旅行先別の取引件数ランキング世界1位となったといいます。訪日中国人の買い物需要の増加と、日本国内の決済対応が両軸で進んだ結果でしょう。
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7位:インバウンド向けインフルエンサーマーケティングに陰り
訪日ラボが分析する「2019年インバウンド対策関心度ランキング」では、「インフルエンサー」がダウントレンドに。2019年の第2四半期から陰りが見え始めるものの、年間を通して見ると関心度ランキングは第4位をキープしています。一旦、ピークを超えた感があるものの、来年も引き続き定番のインバウンド対策手法としての地位を維持しそうです。
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8位:各所で多言語化本格
接客の伴うサービス業において、インバウンド対策として最も必要とされているのが多言語対応です。しかし、語学は短期間で習得できるものではなく、多言語を操れるスタッフを雇うにも、時間と労力がかかってしまいます。
そこで、案内を多言語化したり音声通訳機を活用する事例が増えてきています。
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9位:中国系サービスの認知拡大
インバウンド業界的に言えば、先述の「微信支付(WeChat Pay:ウィーチャットペイ)」や「支付宝(Alipay:アリペイ)」の浸透を感じます。しかし、たとえば「tiktok」「荒野行動」など一般に使われているスマホアプリやサービスでも中国産のものが増加した印象をうける1年でした。
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10位:コト消費さらに拡大
コト消費とは、コト(体験)を重視した消費傾向のことです。昨今のインバウンド需要において重要視され始めました。例えば、スポーツや日本文化体験などが訪日旅行におけるコト消費の事例です。
2019年はコト消費を求めて訪日中国人が北海道に押し寄せたことが話題となりました。
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インバウンド勝負の年「2020年」に備えて事例を蓄積
いよいよインバウンド業界における節目の年「2020年」が到来します。2015年の爆買い現象から爆発的に拡大し続けたインバウンド市場ですが、それにともない数々のニュース・事例が蓄積しつつあります。
2020年を飛躍の年にすべく、2019年やそれ以前のニュースや事例を参考にし、さらなるインバウンド市場の拡大を目指しましょう。
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